アニメ映画『メアリと魔女の花』のあらすじ紹介、解説、考察をしています!
『フラナガンの正体』『メアリが魔法の世界から永遠に帰れなくなると言われた理由』『赤い館村に戻れた理由』について書いてます。
鑑賞済みの方のための考察記事です。まだ見ていない方はネタバレにご注意ください。
本編時間:102分
制作国:日本
監督:米林宏昌
脚本:米林宏昌、坂口理子
原作小説:『The Little Broomstick 』メアリー・スチュアート著
主題歌:『RAIN』SEKAI NO OWARI
担当声優&キャラクター紹介
(引用:https://renote.jp)
ピーター…神木隆之介
シャーロットの近所に住む12歳の男の子。
メアリを初めて見た時から『赤毛の子ザル』とからかう。
ティブとギブという2匹の猫を飼っている。
(引用:https://maryflower.fandom.com)
マダム・マンブルチューク…天海祐希
天空にある魔法学校エンドア大学の女校長。
研究中の魔法を完成させるため、魔女の花を探し求めている。
若い頃のシャーロット…満島光
バンクスさん(シャーロットのメイド)…渡辺えり
ゼベディ(庭師)…遠藤憲一
ティブ(黒猫)…大谷育江
ギブ(灰猫)…Lynn
フラナガン(ほうき置き場の管理人)…佐藤二朗 ほか
あらすじ紹介
あらすじ①:
(夜間飛行とメアリ 引用:https://www.yomiuri.co.jp)
ある年の夏休み。11歳の赤毛の少女メアリ・スミス(杉咲花)は、赤い館村に住む親戚シャーロット大叔母さん(大竹しのぶ)の家に引っ越してきました。
メアリの両親は数日遅れて来ることになっていて、それまでシャーロットとメイドのバンクス(渡辺えり)と3人で過ごします。
シャーロットの家に着いた日、メアリは庭仕事の手伝いに失敗したところを近所に住む12歳の少年ピーター(神木隆之介)に見られ笑われます。
さらにメアリは「赤毛の子猿」とバカにされてピーターが嫌いになりました。
その後、メアリは2匹の可愛い猫を追いかけて森に入り、そこで美しい青い花を見付けます。
メアリはその花を一輪摘んで庭師のゼベディ(遠藤憲一)に見せると、ゼベディは「それは『夜間飛行』というとても珍しい花だ!」と興奮しました。
夜間飛行は7年に1度しか咲かず、かつては魔女が探し求めた『魔女の花』とも言われているそうです。
また、2匹の猫は黒い方がティブ、灰色の方がギブといい、ピーターの飼い猫だったこともわかりました。
(ギブとティブ 引用:https://www.animatetimes.com)
その日の夜。メアリの部屋の窓から怯えた様子のティブが入ってきました。
メアリはギブがいないことが気になり、明日探すことにして一緒に眠りました。
あらすじ②:
翌朝。メアリが起きるとティブは居なくなっていました。
その日、メアリはシャーロット大叔母さんからピーターの家に荷物を届けに行くよう頼まれて渋々引き受けます。
メアリはピーターに荷物を届けてから一緒にティブとギブを探しましたが、途中でピーター喧嘩してしまい1人で昨日の森に入りました。
メアリは森で『夜間飛行』をくわえたティブと古そうなホウキを発見します。
メアリがはずみで『夜間飛行』を潰してしまうと、潰れた花は強く青い光を放ち、メアリの両手の平にはピンク色の花のマークが現れ、ホウキはひとりでに暴れだしてメアリとティブを乗せて空高く飛び上がりました。
積乱雲を抜けると、空には小島が沢山ある幻想的な景色が広がりました。
小島のひとつひとつに豊かな草木が生え、動物たちが暮らしています。
メアリとティブはホウキが飛ぶままに、建物が建っているひときわ大きな島にたどり着きました。
(メアリを乗せたホウキが向かう先 引用:https://twilog.org)
やがてホウキはホウキ置き場に着地し、メアリはホウキ置き場の管理人フラナガン(佐藤二朗)に出会います。
ここは『エンドア大学』という魔法使いが魔法を学ぶ大学らしく、フラナガンはメアリを新入生と勘違いしていました。
メアリはフラナガンから、この学校には『不法侵入者は変身の刑に処す』という校訓があると教わりました。
そこに校長のマダム・マンブルチューク(天海祐希)が現れると、メアリは新入生と勘違いされたまま校内を見学させてもらいます。
メアリはホウキが飛んでからの出来事を夢だと思い、楽しむことにしました。
メアリはマンブルチュークに赤毛を褒められたり「あなたはきっと立派な魔女になる!」と絶賛されて嬉しくなりました。
それからメアリは魔法化学研究者のドクター・デイ(小日向文世)も一緒に水晶を使った上級生の授業を見学します。
その授業では水晶に呪文を唱えて姿を消す練習をしていました。
メアリも見よう見まねで呪文を唱えると、予想外にも教室の中で竜巻が起こりました。
メアリは怖くなりますが、マンブルチュークとドクター・デイは「君は天才だ!」と大絶賛しました。
その後、3人は変身魔法の実験施設の前に着きました。
施設の入り口は厳重に施錠されていて、ドクター・デイは「実験に失敗はつきものだ」と意味深に言います。
この時ティブが実験施設に入ろうとしましたが、ドクター・デイがティブを捕まえてメアリに返してくれました。
その後、メアリは校長室に案内されました。
マンブルチュークが入学願書を探している間、メアリは校長室の奥に『夜間飛行』の絵が書かれた小さな赤い本が隠されているのを見つけます。
本に書かれているのは見慣れない言語でしたが、メアリにはなぜかその文字が読めます。
その本は『呪文の真髄』というタイトルでした。
(呪文の真髄を手に取るメアリ 引用:https://renote.jp)
本を見ているとマンブルチュークに呼ばれ、メアリはとっさに本をバッグに隠しました。
入学願書を渡されて気まずくなったメアリは「実は不思議な花で突然魔法が使えるようになった」と打ち明けます。
するとマンブルチュークは目の色が変わり「不思議な花」について質問攻めにするので、怖くなったメアリはポケットに入っていたピーターの住所が書かれたメモを渡して「この人の花です!」と嘘をついてやり過ごしました。
校長室を出ると、メアリはホウキで帰宅しました。
あらすじ③:
その日の夜。ピーターが出かけたまま帰宅していないことがわかります。
メアリが嫌な予感を感じた時、メアリの部屋にマンブルチュークからの脅迫メッセージが届きました。
「ピーターは預かった 返して欲しければ『夜間飛行』を持って大学に来なさい!」という内容でした。
責任を感じたメアリは、水筒に魔女の花を入れてティブと一緒にエンドア大学へ飛びました。
メアリ大学についてすぐ、ドクター・デイに花を奪われてティブ共々ロボットに捕まってしまいます。
マンブルチュークとドクター・デイは長年研究している変身魔法の成功のために、魔女の花を喉から手が出る程欲しがっていたのです。
その後、メアリとティブは実験施設の中の広い洞窟のような場所に閉じ込められました。
周囲は小さな檻に閉じ込められた奇妙なキメラで溢れています。
メアリは、この動物たちがドクター・デイの実験の『失敗作』なのだと気付いて悲しくなりました。
(捕えられた動物たちを見つめるメアリ 引用:https://blog.goo.ne.jp)
この動物たちの中に、巨大な爬虫類の姿に変えられてしまったギブを発見し、すぐ近くでピーターを見つけます。
メアリはピーターに泣いて謝りながら、魔法の花のことやマンブルチュークと会った経緯を説明しました。
メアリはギブを元に戻す方法を考えて『呪文の真髄』を持っていたことを思い出し、本に書かれていた『全ての魔法を解く魔法』を使いました。
(魔法の本に手をかざすメアリ 引用:https://twilog.org)
すると、地下室にいた全ての動物たちの檻が壊れて元の姿になり、さらに出入り口となる扉にかけられていた魔法も解けました。
沢山の動物たちが一斉に施設から出て行きます。
メアリとピーターは元の姿に戻ったギブとティブと一緒に帰り道を探しました。
一方、動物たちの足音で異変に気付いたマンブルチュークは、メアリが『呪文の真髄』を持っていることに気付いて激怒しました。
メアリとピーターがホウキに乗って飛び立とうとした時、ピーターとギブがマンブルチュークに捕まってしまいました。
メアリとティブは大学から離れてホウキで飛ぶままに任せていると、海の中の小島にある小さな一軒家に辿きます。
そこはホウキの持ち主の魔女の家でした。
机の上には開きっぱなしのノートがあり、変身魔法の実験記録(主にイラスト)が描かれています。
1番最後のページには人体実験の記録もあったので、メアリは怖くなりました。
その時、リビングにある鏡からシャーロット大叔母さんの声がしました。
実はシャーロットは魔女で、エンドア大学の元生徒だったのです。
シャーロットいわく、昔はマンブルチュークとドクター・デイは生徒思いの良い教師でしたが、ある日シャーロットが森で偶然見つけた『夜間飛行』を渡してから、2人は花の魔力の虜になり性格も変わってしまったそうです。
(若かりしマンブルチュークとドクター・デイ 引用:https://blog.goo.ne.jp)
それからマンブルチュークとドクター・デイは『夜間飛行』の種採取と変身魔法の実験に没頭し、やがて生徒に変身魔法をかけて人体実験まで始めました。
人体実験はすぐに成功するはずもなく、ある日実験体になった生徒が暴走して大騒ぎになりました。
シャーロットは花を2人に渡したことを後悔し、実験室にある花の種を全部盗んで大学から逃げました。
(種を持って大学から逃げる学生時代のシャーロット 引用:https://twilog.org)
シャーロットは大学の追跡から逃げ切り、種は処分して魔女の力を封じて普通の人間として生きてきたと語ります。
メアリが見つけた『夜間飛行』は、シャーロットがこの村に逃げてきた時に落としてしまった種が根付いたものでした。
心配するシャーロットに、メアリは「必ずピーターを連れて帰る」と約束しました。
メアリは『夜間飛行』をポケットに入れると、ティブとホウキに乗って大学に戻りました。
あらすじ④:結末
大学に着く手前で、メアリはマンブルチュークに『呪文の真髄』が入ったバッグと『夜間飛行』を奪われてしまい、ホウキも破壊されて森に落下しました。
メアリとティブは無傷でしたが、『夜間飛行』の魔法の効果も消えてしまいます。
メアリが歩いて大学に向かっていると、メアリが助けた動物たちが現れてメアリを大学まで連れて行ってくれました。
(動物たちとメアリ 引用:https://twilog.org)
ドクター・デイの実験は、大学のそばの小さな浮き島に生えている大木の中で行われています。
メアリとティブは再会したギブに案内されてピーターの居場所に向かいました。
ピーターは魔法の液体のようなものに包まれていて、ドクター・デイは謎の実験を始めます。
するとピーターは大人に成長し、背中に美しい七色の蝶の羽が生えたと思ったら、すぐに水色のスライムのような物体に変わりました。
(人体実験されるピーター 引用:https://twilog.org)
やがてスライムは液体が満たされているガラスを割り、外に侵食します。
危険を察したマンブルチュークは『すべての魔法を解く魔法』を使おうとしましたが、スライムに襲われて魔力を吸い取られてしまいました。
メアリは『呪文の真髄』を拾うと、ピーターの手を使って『すべての魔法を解く魔法』を使います。
(スライムの中から手を伸ばすピーター 引用:https://twilog.org)
すると呪文が効いてピーターは元の姿に戻り、ドクターの護衛は魔法を失って元の姿に戻り、魔法で作ったマシンも動かなくなりました。
メアリが意識を取り戻すと、ピーター、ティブ、ギブと一緒に大木の幹の上にいました。
どうやって家に帰ろうか悩んでいると、フラナガンがメアリのホウキを修理して持って来てくれました。
メアリとピーターはフラナガンにお礼を言うと、ホウキに乗って自分たちの町に帰ります。
ホウキに乗っていた時、メアリは『夜間飛行』の最後の1輪が髪に付いていることに気付きますが「私にはもう必要ない!」と言い花を捨てました。
解説や感想など
ジブリ感がすごいなと思っていたら、元々ジブリに居た方が独立されて作った長編作品だったことを観た後で知りました。
フラナガンとエンドア大学の生徒たちの日常などもう少し見たかったです!
以下、気になった点を考察していきます。
メアリが永遠に帰れなくなりそうだったのはなぜ?
(引用:https://twitter.com)
シャーロットが魔女時代に住んでいた家にメアリが行った時、シャーロットはメアリに魔女の花を渡して「これで家に帰ってきなさい、そうしないと永遠に戻れなくなる」と言っていました。
シャーロットの口調から『魔法を使わないと人間界に戻れない』というニュアンスが感じられたので、恐らくメアリが元いた人間の世界と、エンドア大学などがあった上空の魔法世界は全く別物で、魔法を使うことでしか行き来出来ないからだと思われます。
メアリ達が赤い館村に帰れた理由は?
メアリとピーターは『すべての魔法を解く魔法』を使って魔法実験騒動を解決します。
しかし、その後メアリ達はフラナガンが持ってきてくれた魔法のホウキに乗って人間界に帰りました。
全ての魔法を解く呪文を使ったはずなのに、メアリが人間界に戻るために魔法が使えてホウキで飛んでいるのが不思議に感じた方が私も含めて多かったのではと思います。
考えられる1つは、ホウキの番人フラナガンがメアリたちに人間界に帰れる分程度の魔力をわけてくれた可能性です。
フラナガンはメアリたちが人間だと気づいていたようなので、何も気づいていないフリをしてこっそり助けてくれたのではないでしょうか。
もう1つ考えられるのは、メアリ自身が実は魔力を持っていた可能性です。
物語の後半でメアリの大叔母シャーロットが魔女だったことが明かされます。
つまり、メアリ自身にも少なからず魔女の血が流れているということです。
ラストでメアリが夜間飛行を投げた直後に花が破裂したのも、メアリに実は魔力があった暗示だったようにも感じます。
フラナガンの正体は?
フラナガンは立ち振る舞いなどは人間そのものなのに姿は動物だった特殊なキャラクターでした。
しかも元は教師だったらしいので、フラナガンは昔はエンドア大学の魔法教師をしていた人間で、マンブルチュークとドクターの実験に反対して変身魔法をかけられていたのではないでしょうか。
フラナガンは一見ホウキにしか関心が無いように見えますが、実は彼なりに魔法に対する信念があって行動していたのかもしれません。
人間関係の詳細は明かされていないので答えは謎ですが、こんな風に考えを巡らせてみるのも楽しいです。
以上です!読んでいただきありがとうございました。
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