映画『太陽は動かない』ネタバレ解説考察|柳の正体、タイトルの意味 | 映画の解説考察ブログ

映画『太陽は動かない』ネタバレ解説考察|柳の正体、タイトルの意味

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太陽は動かない アクション

映画『太陽は動かない』の解説・考察をしています!
柳の正体、デヴィッド・キムのラストの台詞などについて書いています。

鑑賞済みの方のための記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください。

太陽は動かない

制作年:2020年
本編時間:110分
制作国:日本
監督:羽住英一郎
脚本:林民夫
原作小説:『太陽は動かない』吉田修一 著
主題歌:『』King Gnu

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キャスト紹介

鷹野 一彦(たかの かずひこ)…藤原竜也
若い頃…日向亘
AN通信所属の諜報員。
両親はおらず、幼い頃から諜報員になるべく育てられた諜報活動のプロ。
「ただ今日一日を生きてみろ。明日のことは考えるな」が口癖。

田岡 亮一(たおか りょういち)…竹内涼真
鷹野の部下であり相棒。
過酷過ぎる仕事をこなすうち生きる意味がわからなくなる。

デヴィッド・キムピョン・ヨハン
韓国の産業スパイ。AN通信の商売敵。
鷹野とは10代の頃からの知り合い。

AYAKOハン・ヒョジュ
AN通信が追うC-NOX会長アンディ・黄が雇った美人スパイ。
忠誠心が低く、自分の利益だけを考えて行動する。

 

風間武(鷹野と田岡の上司)…佐藤浩市
山下竜二(AN通信諜報員)…市原隼人
アンディ・黄(C-NOX会長)…翁華栄
菊池詩織(鷹野の友人)…南沙良
柳勇次(鷹野の友人)…加藤清史郎
河上満太郎(MET取締役)…鶴見辰吾
河上の妻…宮崎美子
小田部教授…勝野洋
小田部奈々…八木アリサ
AN通信関係者…田口浩正、平山祐介
鷹野と柳の世話係…草村礼子
ジミー・オハラ(C-NOX側のマフィア)…横田栄司 ほか

 

あらすじ紹介

あらすじ①:

太陽は動かない

©吉田修一/幻冬舎 ©2020 「太陽は動かない」製作委員会

平成初期、国家の裏資金を利用して『AN通信』という諜報組織が作られました。
表向きはマスコミ関連の会社ですが、実態は企業の機密情報を入手して競合他社に高値で売りさばいています。

AN通信の諜報員は特殊なチップを胸に埋められており、24時間ごとに本部に連絡しなければ裏切りとみなされてチップが爆破して死んでしまいます。

主人公の鷹野一彦(藤原竜也)と田岡亮一(竹内涼真)はAN通信の諜報員です。
ある日、2人の同僚の山下竜二(市原隼人)が暗殺されました。
山下は中国の大企業『C-NOX』の会長アンディ・黄(オウ)という男について調べていた最中でしたが、ブルガリアでオウの部下に殺されています。
鷹野と田岡は上司の風間(佐藤浩市)の命令で、山下が握っていた情報を調べることになります。

 

あらすじ②

2人はオウを追ってオーストラリア ウィーンで開かれるパーティーに参加すると、オウは日本の電気会社『MET』と組んで大規模な太陽光事業を始めようとしていることがわかります。
このとき、鷹野と田岡はオウが雇った美人スパイのAYAKO(ハン・ヒョジュ)にスパイだと気付かれて「近づくな」と警告されました。

鷹野はMETの社長 河上(鶴見辰吾)と会ってみて探りを入れますが、河上は信頼できそうな人物で、山下の死とは無関係のようでした。
鷹野は河上に「C-NOXとの提携を今すぐ解消すべきだ」と警告して立ち去ります。

その後、鷹野はC-NOX本社に侵入して太陽エネルギーに関するデータを盗みます。
その時、鷹野と顔見知りの韓国の産業スパイ、デヴィッド・キム(ピョン・ヨハン)と鉢合わせました。
キムも太陽エネルギーのデータを狙っていたので2人は争い、今回は鷹野が勝利してデータを手に入れました。

C-NOXから盗んだデータを頼りに鷹野と田岡がインドの砂漠地帯に行くと、そこには巨大な太陽光設備がありました。
それらから、C-NOXはMETから蓄電池技術だけを詐欺同然に奪い、インドの巨大太陽光設備に利用するつもりだと発覚します。
山下は恐らくMETの河上社長にC-NOXの正体を知らせようとして殺されたのです。

また、C-NOXの計画にはブルガリアにあるソフィア大学に所属する小田部教授(勝野洋)の研究技術が必要です。
次にC-NOXが狙うのは小田部教授だと悟った風間は、鷹野と田岡に小田部教授を保護するよう命じました。

 

あらすじ③

一方、キムは小田部教授の娘 奈々と偶然を装って知り合い、恋愛関係になってからごく自然に小田部教授に近づきました。
オウのスパイだったAYAKOがキムに寝返ってオウを裏切り、AYAKOとオウは小田部教授をロシアの組織に売ろうとしています。
小田部教授はキムに連れられてモスクワ行きの列車に乗りました。

同じ頃、METの河上はAN通信の風間の居場所を突き止めて会いに行っていました。
風間は河上に、AN通信で働く諜報員の若者たちの話をします。
鷹野、田岡を始めとする諜報員の彼らは全員、親からの虐待で死にかけていたり捨てられていた子ども達でした。
風間はそういう子供たちを見つけては保護し、世間的には死んだことにして彼らに新しい戸籍を与え、幼い頃から諜報員のプロとして育てていたのです。

鷹野は母子家庭の子で元々は母親と弟の3人で暮らしていましたが、ある日母親は幼い鷹野と弟をアパートの一室に閉じ込めて恋人の所に行ってしまい、そのまま戻ってきませんでした。
数週間後、異変に気付いた近所住民が通報して鷹野兄弟は見つかりますが、弟は餓死していました。
生き残った鷹野を風間が引き取り、世間的には死んだことにして現在の『鷹野一彦』という新しい名前を与えて諜報員として育てました。

 

あらすじ④:結末

太陽は動かない

©吉田修一/幻冬舎 ©2020 「太陽は動かない」製作委員会

モスクワ行きの列車で、鷹野と田岡は小田部教授を守ろうとしますが、小田部教授と田岡が乗り込んできたC-NOXのマフィアに拉致されてしまいました。
マフィアは小田部教授と田岡を中国に向かう船に乗せます。
その船には、既に拉致されていた小田部奈々も乗せられていました。

残された鷹野も船にたどり着き、敵と戦う内に船が壊れました。
沈没していく船からC-NOXのマフィアたちは逃げていきます。
鷹野は小田部親子を先に逃がしてから田岡を助けようとしますが、頑丈な鎖で縛られていたため苦戦します。
田岡が「助けなくていい。死にたいんだ」と言う中、鷹野は田岡を必死で励まして鎖を切り、船から脱出しました。

鷹野、田岡、小田部親子は救出ボートを探す暇もなく、身一つで海を彷徨います。
4人が困り果てていた時、キムがヘリコプターに乗って助けに来てくれました。
「なぜ俺たちまで助けた?」と問う鷹野に、キムは「私の雇い主からの命令だ」と答えました。
この時キムの雇い主は、鷹野が諜報員として育てられていた頃に知り合った友人だったことがわかりました。
その友人は『柳」という名前で鷹野と一緒にAN通信の諜報員として教育されていましたが、ある日突然逃げてしまった人物です。

その後、C-NOXの会長アンディ・黄は逮捕されてC-NOXは解体されました。
柳の目的はアンディ・黄を社会から排除することだったらしく、今回の件に関してはキムも敵ではなかったのです。

METの河上と小田部教授は提携し、METがC-NOXに代わってインドの研究所と技術提携することになりました。
そのインドの研究所はAYAKOが会長となり設立した施設と提携しており、AYAKOは太陽光パネルに関する大発明をしたインド人の天才少年に取り入って莫大な利益を得ようとしています。

AYAKOが結局一番美味しいところを持って行ったことを知り、鷹野と田岡は苦笑いしました。




解説・考察・感想など

原作小説とドラマは見ていませんが、どちらも見ていなくても話はわかって楽しめました!
全編ノースタントでの撮影だったことも観た後に知って驚きました。
以下、本作についての疑問とその答えを紹介しています。

鷹野の友人『柳』の正体は?

鷹野の過去の回想シーンで、鷹野と一緒に諜報員教育を受けていた柳勇次(加藤清史郎)という男の子が登場しました。
柳は知的障害を持つ弟と一緒に島に住まされていたようですが、教育係の男の目を盗んで弟と一緒に島から逃げてから消息を絶っています。

鷹野も柳がその後どうなったのか知らずにいましたが、柳はうまく逃走し、その後はのし上がったらしく鷹野と敵対するスパイだったデヴィッド・キムの雇い主になっていました。

キムの雇い主が柳だとわかるのは、ヘリコプターでのキムの台詞からですが、あのセリフはかなり重要なはずのに何言ってるかわからずイラっとしたのは私だけではなかったはずです(笑)

私はサブスクで見たので聞き取れるまで何回も観れましたが、1回で聞き取るのは難しいと思うので劇場で見た方は残念だったなと思ったところです。
ヘリコプターの時のキムの台詞は「あの時、ほんとはあの子のケツを見た」でした。

このセリフの直後に10代の頃の鷹野、柳、柳の弟の後ろ姿のシーンが入るので、キムの台詞が最悪聞き取れなくてもキムの雇い主が柳だということはわかるんですが、このシーンはかなり残念でした。

 

タイトル『太陽は動かない』の意味とは?

タイトルの意味について言及されるシーンはなかったので個人的な解釈になりますが、鷹野と田岡は胸にチップを埋め込まれて24時間おきに本部に連絡しなければチップが爆発してしまうという状況に置かれていました。

AN通信と関わってから、彼らに心休まる日はありません。
なので、諜報員の彼らには精神的な『夜(安らぎ)』が来ないという意味が込められているのが1つです。

また、諜報員という職業柄、鷹野と田岡は人生を自分らしく生きるという選択肢を奪われています。
鷹野はそれを理解していたから、好意を寄せていた菊池詩織(南沙良)を見つけても声をかけなかった(かけられなかった)のです。
なので、鷹野と田岡の人生に日が当たることは無いという意味も含まれていたタイトルだったように感じました。

余談ですが、鷹野の若い頃は日向亘が演じていたので南沙良とちゃんと同い年に見えましたけど、成長した詩織も南沙良のままだったので、藤原竜也と同い年にはどう頑張っても見れなくて違和感がすごかったです(笑)

以上です。この記事がお役に立てていたらハートマークを押してもらえると嬉しいです(^ ^)




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参考サイト様一覧

映画『太陽は動かない』オフィシャルサイト

 

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