『水曜日が消えた』ネタバレ解説考察|人格が消えた順番、データ改ざんの理由など | 映画の解説考察ブログ - Part 2

『水曜日が消えた』ネタバレ解説考察|人格が消えた順番、データ改ざんの理由など

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水曜日が消えた ミステリー

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人格が消えた順番整理

7人の数馬が消えて行った順番を整理します。
主なヒントになるのは人格の数を暗示するドアミラーに映る鳥の数と『月曜日』の発言です。
『火曜日』が初めて水曜に目覚める直前に見た夢で、ドアミラーに映る鳥は5羽でした。
それは『水曜日』が消えると同時かそれよりも前に他の人格がもう1人消えていることを意味します。
また、『月曜日』の「日、土、金と繋がっていった」という発言は、『月曜日』が月曜以外に最初に目覚めたのは日曜で、それから週ごとに1日ずつ増えていったという意味だと思われます。

月曜日の発言を元に整理すると、
1週目(火曜日が初めて水曜日を経験した週)
→『月、火、火、木、金、土、月』
※この週の日曜の魚拓は恐らく『月曜日』がスーパーなどで買った魚を魚拓したと思われる。

2週目(火曜日が瑞野をデートに誘った週)
→『月、火、火、木、金、月、月』

3週目(火曜日が瑞野とデートした週)
→『月、火、火、木、月、月、月』

4週目(安藤医師の改ざんが発覚した週)
→『月、火、火、火、月、月、月』
上記の推移で人格が消えて行ったと思われます。

安藤医師のデータ改ざんが発覚した日の夜、『火曜日』は意識を失い倒れます。
この時も交通事故のフラッシュバックが起こり、ドアミラーに映った鳥は2羽だったので、残ったのは『月曜日』と『火曜日』ということになります。

一番最後に登場するドアミラーには鳥が1羽も映りません。
その後は7人が平和を取り戻した様子が描かれるので、最後のドアミラーの意味は恐らくあえて鳥を映さないことで「鳥がいない!!数馬どうなった?!」と観客の興味を高めるための演出だったか、もしくは今までバラバラだった7人が一致団結した(7つの人格を持つ自分を肯定した)ことを意味していたか、どちらかではないかと思いました。

 

最後に残ったのは何曜日?

7人の人格で最後に残ったのは『月曜日』でした。
恐らく『火曜日』は初めて木曜を過ごした後にそのまま起きなくなってしまい、翌日の金曜からは『月曜日』が目覚め、翌週の火曜になっても『月曜日』のままだったのです。

月曜日が正体を隠して『火曜日』のフリをして病院に行ったり一ノ瀬と会ったりしていたのは、『月曜日』は自分が問題児である自覚があったで周囲を安心させるためと、不安感から猫をかぶっているつもりで『火曜日』の演技をしていたのではないでしょうか。

『月曜日』が『火曜日』に成りすましていることを示す仕草やシーンはいくつかありました。
他の人格が消えたあと、『月曜日』は新木医師に頼んで安藤に会わせてもらいます。
このとき安藤が「久しぶりだな」と言うのは、今の数馬が少なくとも『火曜日』ではないことを見抜いたからです。

また、ミロも『火曜日』はきっちりすりきり一杯コップに入れますが、袋からスプーンですくってすりきらずそのままマグカップに入れるのは彼が『月曜日』だからです。
そして一ノ瀬が残った数馬の人格が『火曜日』じゃないと気づいたのは、それぞれのクセの違いからでした。
『火曜日』には困った時に耳の後ろを掻くクセがありましたが、この数馬は後頭部を掻いたからです。
ちなみに一ノ瀬は後頭部を掻くのが『月曜日』のクセだと知っていたはずなのに、月曜日と特定せずあえて「誰?」と聞くのがなぜなのか地味に疑問です。




意識障害が起きていた理由

水曜日が消えた

(C) 2020『水曜日が消えた』製作委員会

突然意識がとぎれとぎれになる症状に見舞われていた『火曜日』ですが、この現象は理由もなく起きていたわけではなく、他の人格の意思が関係していました。
それがハッキリとわかるのが、『火曜日』が新木医師に電話しようとした時に『月曜日』の妨害で意識が飛ぶ時です。

視界が黒くなって途切れる時は、恐らく他の誰かが介入した瞬間だったと思われます。
例えば『火曜日』が瑞野から告白された時に意識が飛んだのは、恐らく『水曜日』に思う所があったからで、ドラムセットの赤いランプに近づこうとした時に倒れたのは、『月曜日』が『火曜日』を邪魔しようとしたからでです。

『木曜日』の絵を探していた時の途切れは明確な意図はよくわかりませんが、木曜に目覚められなかった『木曜日』が動揺していたのか、ブタのキーホルダーのイラストを見て欲しかったかのどちらかなのかなと推測しています。
これらのことからわかるのは、7つの人格は消えたわけではなかったということです。

 

安藤医師の似顔絵を描いたのは誰?

水曜日が消えた

(C) 2020『水曜日が消えた』製作委員会

新木医師がスケッチブックに描かれた安藤医師の似顔絵を見て「これは君が?」と聞くと、火曜日は「僕じゃないです」と答えます。
安藤医師のスケッチの下には『2007.10.28』とも書かれていて、これは恐らく絵が描かれた日付です。
絵を描いたのはイラストレーターの『木曜日』かと思っていましたが、2007年10月28日は日曜日なので、普通に考えると描いたのは『日曜日』になります。
数馬は2004年に発症したと思われるので、発症前に描かれた絵でもありません。

この似顔絵にどんな意味があるのかよくわかりませんが、普段は魚にしか興味が無い『日曜日』が安藤医師の絵を描いていることは、他の人格も安藤医師を信頼していた(安藤医師には悪意が無い)ということを表していたのかな?と解釈していますがあまりしっくりきていません。
他の解釈があればまた更新します。

 

安藤医師(きたろう)はなぜデータを改ざんした?

水曜日が消えた

(C) 2020『水曜日が消えた』製作委員会

『月曜日』が「なぜこんなことを?僕たちを守るため?」と聞くと、安藤は「君たちは奇跡だった 僕はたまたまそれを手にして そこから動けなくなった」と答えます。

解離性同一症(多重人格障害)は心の病気です。
一般的な患者は別人格がいるために日常生活に支障をきたすので統合されること(人格が1つになること)を望みますし、医師も基本的には人格の統合を目指します。
数馬が『貴重な症例』と言われ医学界でも注目されていたのは、数馬が複数の人格と1つの体をシェアして絶妙なバランスでうまく共存出来ていた唯一の患者だったからです。
それが安藤にとって数馬が奇跡だった理由でもあります。

小学生の頃の数馬の引っ越し前の持ち物をよく見ると、7つの人格それぞれの趣味や好きなものは、全部発症前の数馬自身が元々好きだったものであることがわかります。
数馬は多重人格になる前から音楽、読書、スポーツ、絵、植物、釣りが好きだったのです。
それは、7人全員がまぎれもなく斎藤数馬であることを意味します。

安藤が初登場時に何か考え事していたのは、恐らく数馬にとって何が正しい『治療』なのかを考えていたからではないでしょうか。
また、安藤は「昔、君に言われた”元ってどこですか?”という問いの答えがずっとわからなかった」とも言っています。
恐らく安藤は昔、数馬に「元に戻るために治療をがんばろう」などと声をかけると、数馬に「元ってどこですか?」と聞き返され、7人の数馬のキャラクターを知れば知る程答えがわからなくなっていったのです。

少なくとも『火曜日』と『月曜日』は多重人格であることに不満を持ち、自分だけの体が欲しいと思っていました。
しかし、安藤は7人が7人とも数馬であると判断し、共存出来ている状態を『奇跡』として現状維持に努めてきました。

そんな中、数年前から数馬に脳腫瘍の初期症状が見つかり、安藤はいずれ手術が必要になると知りながら、その兆候がわかるデータを改ざんしていました。
その理由は新木が「手術で他の人格を消すことが可能」と言っていたことから、安藤は人格を強引に統合する方法を数馬に提案したくなかった、またはできなかったあからではないかと推測しています。

他の人格を消す方法を提案してしまうと、人格同士の関係に亀裂が必ず生じます。
もし誰かがその提案に賛成すれば、次は誰が生き残るかで喧嘩になってしまいます。
数馬は人格同士の関係の良さで共存出来ていたので、安藤は数馬たちの関係が悪化する可能性の高い「喧嘩の種」を与えるような言動ができなかったのです。
言えないだけならデータ改ざんまでしてしまう理由がいまいち掴めなくなりますが、恐らく精神医学関係から注目されて結論を急かされたり、他の医師から数馬に伝わるのを避けるためだったのではないでしょうか。
安藤は近いうちに言い方を考えて『火曜日』に何か伝えようとしていたはずですが、その前に新木に見つかってしまいました。

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  1. より:

    ありがとう

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