映画『スマイル』ネタバレ解説考察|なぜ笑顔?、スマイルの正体、ローズの母とスマイルの関係など | 映画の解説考察ブログ

映画『スマイル』ネタバレ解説考察|なぜ笑顔?、スマイルの正体、ローズの母とスマイルの関係など

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スマイル ホラー
(c)2022 Paramount Pictures.

映画「スマイル」のあらすじ紹介、解説考察を書いてます!
「スマイルの正体」「笑顔の理由」「ジョエルにローズの居場所が分かった理由」「ローズの母とスマイルの関係」「ジョエルはどうなる?」などについて書いています。

スマイル

制作年:2022年
本編時間:115分
制作国:アメリカ
監督・脚本:パーカー・フィン

キャスト紹介

ローズ・コッターソシー・ベーコン
10歳…ミーガン・ブラウン・プラット
緊急精神病棟で働くセラピスト。
緊急搬送された女子大生の自殺を目撃してから不気味な幻覚や幻聴に苦しむ。
※ソシー・ベーコンの他出演作…映画「バイバイ、ママ」「チャーリー・セズ/マンソンの女たち」など

ジョエルカイル・ガルナー
ローズの元恋人の刑事
ローズに未練があるようだが相手にされていない。
※カイル・ガルナーの他出演作…映画「ディナー・イン・アメリカ」「エルム街の悪夢(2010)」など

トレバー(ローズの婚約者)…ジェシー・T・アッシャー
ノースコット医師…ロビン・ワイガート
ローラ・ウィーバー(大学生)…ケイトリン・ステイシー
モーガン・デサイ医師(ローズの上司)…カル・ベン
ローランド・タリー(会計士)…ロブ・モーガン
ホリー(ローズの姉)…ギリアン・ジンサー
グレッグ(ホリーの夫)…ニック・アラボグルー
ムニョスの妻…ジュディ・レイエス
カール・レンケン(ローズの患者)…ジャック・ソシェ
バックリー刑事…ペリー・ストロング
ローズのママ…ドーラ・キス
怖いママ…ケヴィン・ケッピー
ワンダ(病院受付)…ウラ・ヨアナ・サンチェス
ステファニー(誕生日会の参加者)…サラ・カプナー ほか

あらすじ紹介

あらすじ①:呪いの始まり

主人公のローズ・コッター(ソジー・ベーコン)は緊急精神科病棟で働く勤勉なセラピストです。

ある日、ローズは大学教授の自殺を目撃して精神を病み緊急搬送されてきた女子大生ローラを診察します。
ローラは怯えた様子で「不気味に笑う人間みたいな化け物が見える 私もそいつに乗っ取られて殺される 今日がその日だと言われた」と訴えます。

その直後にローラが痙攣して倒れたので、ローラは内線電話で助けを呼んでから振り返ると、ローラは不気味な笑顔でローズを見つめながら陶器の破片で首を切って自殺しました。

その日の夜、ローズは自宅の暗い所に不気味な笑顔のローラが見えた気がしました。

翌日からローズがいつも通り出勤すると、入院患者のカールがローラと同じ不気味な笑みを浮かべていました。
カールが「お前は死ぬ!」と何度も叫ぶので、ローズは看護師を呼んでカールをベッドに拘束させました。

その直後、ローズは上司のデサイ医師に呼び出され、大人しい患者カールを拘束した件で過労による判断ミスを疑われて1週間の休暇を命じられてしまいました。

同じ日の夜、ローズが自宅で過ごしていると、何もないのに警備アラームが鳴りだしたり、『邪悪な何か』が電話の受話器を通して語りかけてくるリアルな幻聴・幻覚を体験しました。

警備会社とのやり取りが片付いた後、ローズは飼い猫のマスタッシュがいないことに気付き、同棲中の婚約者トレバー(ジェシー・T・アッシャー)と何時間も探しますが見つかりませんでした。

その日の深夜、ローズは女の幽霊に襲われて叫んで包丁を振り回しました。

 

あらすじ②:誰も信じてくれない

翌日、ローズは知人の精神科医ノースコット(ロビン・ワイガート)を訪ねて「幻聴・幻覚症状がひどいので抗うつ薬を処方してほしい」と頼みますが、ノースコットは「まだ早い」と処方してくれませんでした。

この時、ローズは幼い頃に母親の自殺現場を目撃していたことが発覚し、ノースコットに「あなたは母親のトラウマを克服できていない」と指摘されます。

土曜日、ローズは無理して姉ホリーの息子の誕生日パーティーに参加します。
そこではローズが用意したプレゼントからマスタッシュの死体が出て来たり、笑う女の化け物に襲われる幻覚に襲われ、逃げようとした拍子にガラステーブルに倒れ込み腕を大けがしてしまいました。

ローズはホリーに病院に連れて行ってもらいますが、ホリーは「ローズが私と息子の心を傷つけた」と激怒していました。
帰宅すると、ローズはトレバーに『邪悪な笑顔の何かに呪われている』と打ち明けますが、信じてもらえないどころか「母親の精神病が遺伝したのでは?」と疑われてしまいました。

その日の夜、ローズは死んだ母親に呼ばれる声を聞きました。




あらすじ③:情報収集

次の日、ローズは大学生ローラが目撃した自殺者のガブリエル・ムニョス教授の妻に話を聞きます。
するとやはりムニョス教授は亡くなる数日前からローズと似たような幻覚幻聴に悩まされていたらしく不気味な笑顔の人々の絵を残していた上に、教授は『笑うバケモノに体を乗っ取られる』と、大学生ローラと似たような発言もしていたようです。

さらにムニョス教授もまた他人の自殺を目撃していたことがわかりますが、それ以上の情報は得られませんでした。

ローズは刑事の元恋人ジョエル(カイル・ガルナー)を訪ねて調べてもらうと、ムニョス教授は自殺する4日前にとある女性の自殺を目撃していました。
しかも、ムニョスの目の前で自殺した女性もまた他人の自殺を目撃していたことがわかりました。
自殺を目撃した人物が精神を病み自殺するという連鎖が続いているのです。

ローズは婚約者トレバーにも姉ホリーにも「笑う化け物の呪いにかかった」と説明しますが、どちらにも信じてもらえませんでした。

その後、ジョエルから電話があり「自殺の連鎖」は20人以上続いていて、その中でもロバート・タリーという会計士だけは自殺ではなく殺人の加害者だったと情報を得ます。

タリーは同僚の自殺を目撃した4日後に知人女性を殺し、その1週間後にタリーの殺人を目撃した人間が自殺していて、タリー本人は生きて刑務所にいるそうです。
ローズはジョエルと刑務所に行ってロバートに面会させてもらいました。

ロバートも殺人を犯す前に彼なりに調べたところ、過去にその連鎖から生き残った人物が人を殺していたことを知り、それを真似したら呪いから解放されたと語りました。
ロバートは「スマイルの呪いの源はトラウマに違いない」と言いました。

 

あらすじ④:結末

スマイルの呪いにかかった人物は最長でも1週間で自殺するか誰かを殺しています。
ローラの自殺を目撃した5日が経過したローズは悩んだ末に、あと数日誰にも会わず、さらにローズ自身のトラウマも克服できればスマイルの呪いを退治できるのではないかと考えて廃墟同然になった実家に行きました。

この家はローズが幼少期を過ごした家でもあり、母親が自殺した家でもあります。
ローズはランプを用意して夜になるのを待ち、母親が自殺した寝室に入ると、泣きじゃくる母親の霊が見えました。

ローズは母親の霊に向かって「私はずっとママのことで罪悪感を抱えて生きて来たけど、これからはもうやめる」と話します。
すると母親の霊はスマイルの悪魔に変わりローズを襲ったので、ローズは「これは現実じゃない」と自分に言い聞かせながら悪魔に火をつけました。

悪魔は火に包まれてのたうちまわります。
ローズは呪いは解けたと信じ、実家を飛び出してジョエルに会いに行きますが、そこにいたのはジョエルの姿をしたスマイルの悪魔でした。
ローズがジョエルの家から逃げると、つぎの瞬間にはローズは実家の玄関に戻っていました。

ローズが困惑していると、ジョエルがローズを助けに来てしまいます。
ローズは「来ちゃダメ!」と叫び慌てて実家に入りますが、中にはスマイルの悪魔が待ち構えていました。

ついにローズはスマイルの悪魔に体を乗っ取られてしまい、不気味な笑顔でガソリンを頭からかぶって焼身自殺をします。
ジョエルはローズの自殺の一部始終を見てしまい、スマイルの悪魔の次のターゲットになってしまいました。




解説・考察・感想など

「スマイル」が自殺の連鎖を作り出す設定も、主演者の方々それぞれの「不気味な笑顔」も見ごたえがあって良かったですが、ローズがなにか画期的な解決方法を思いついてくれるのではと期待した分、結末が普通だったので個人的にはそこが残念でした。

以下疑問点や思ったことをまとめました。

「スマイル」の正体と目的は?

スマイル

(c)2022 Paramount Pictures.

自殺の連鎖を生み出していた「スマイル」の正体は名言されないのであくまでも考察と想像しかできませんが、人間のトラウマが好物だったり、呪い殺してきた人の魂を取り込んでいる点、徐々に心を弱らせてから乗っ取るなどの行いは数々の映画に登場してきた悪魔や悪霊と似ているので、「スマイル」もまた新手の悪魔or悪霊だったのではないかと解釈しています。

笑顔に執着する点からは人間らしさも感じるので、例えば元々「スマイル」は人間で、心の闇を周囲に気付かれまいと笑顔を振りまいて生きてきたものの「不気味」とみなされ孤立し、トラウマからくる負の感情に負けて自殺した特に霊感が強かった人(簡単に言うと貞子みたいな人)の恨みの念が怨霊化し、世間に対する恨みからトラウマと自殺の連鎖を生み出していたのかもしれないと妄想しました。

スマイルが人の皮をはがした時に見えた沢山の口は今まで乗っ取ってきた人間の数だけあると思うので、スマイルはいくつもの魂を取り込むことで妄想を見せる力も高めていたのでしょう。
ローズのリアルな幻想体験は、スマイルが仲間を増やしたことでできるようになった技だったと思われます。

 

笑顔の理由は?

ローズは甥っ子の誕生日パーティーに行く前、鏡の前で笑顔をの練習をしていました。
その笑顔は無理に作られたもので、実際のローズの心境とは異なります。

この笑顔には、心を病む人に対する世間の冷たさ、広く言えば社会的弱者が社会の中で「普通」を演じなければならない辛さが凝縮されていたように感じます。
その点では映画「ジョーカー」の主人公アーサーの心境と共通点が感じられます。

また、全体を通して心を病んでいる人を「頭のおかしな人」と蔑む流れがあったり、婚約者トレバーや姉ホリーまでローズを信じず異常者扱いするのが印象的でした。

この誰にも信じてもらえない疎外感も、唯一の理解者の元恋人ジョエルも、理解してもらえないことがどれだけ辛いか、理解者の存在がどれだけ救いになるかが描かれていたように思います。

 

ローズのママのと「スマイル」の関係は?

結論から書くと、ローズの母親と「スマイル」には何の関係もありません。
「スマイル」がローズの母の化け物バージョンで現れたのは、ローズのトラウマの根源が母親であることが影響していただけなのです。




ローズが負けてしまったのはなぜ?

ローズは生き残った男ロバート・タリーの「トラウマがあれの力の源」という発言を受け、母親に関するトラウマを克服すれば「スマイル」を撃退できるかもしれないという発想から過去の自分と対峙するためにも実家に行きました。

確かに「スマイル」がターゲットの心を弱らせてから乗っ取るということは、心が強ければ乗っ取られることはないので着眼点は良かったと思われます。

ただトラウマの克服は一朝一夕にできるものではないですし、純粋にローズには克服するための時間が足りなかった上に、元恋人ジョエルが「スマイル」に乗っ取られた幻覚を見せられたことでトラウマの克服を邪魔されてしまったからです。

あの時のジョエルとのやり取りが現実だったとしたら、スマイル敗北エンドもあり得たのかもしれません。

 

ジョエルにローズの居場所がわかったのはなぜ?

スマイル

(c)2022 Paramount Pictures.

ローズはジョエルに居場所を伝えていませんでしたが、ジョエルはローズの実家に駆けつけていました。

元恋人なので居場所の検討が付いた可能性もありますが、「スマイル」は目撃者がいないと次のターゲットに乗り移ることができないので、ジョエルは「スマイル」に何らかの形で誘導されてローズの実家にたどり着いたと思われます。

個人的にはローズを異常者扱いした婚約者トレバーか姉ホリーに目撃者になってもらいたかったので、ジョエルが来てしまったのが残念でした。

もしかしたらターゲットも霊的存在を少なからず信じている人の方が「スマイル」としても乗っ取りやすいのかもしれません。

 

ジョエルはどうなる?

ローズの自殺を目撃してしまったジョエルは、残念ながら「スマイル」の次のターゲットになってしまいます。

ジョエルは警官なので過去のスマイル事件について調べやすいですし、何とか打開策を見つけて呪いを断ち切って欲しいです。

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