映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』ネタバレ解説考察|原作との違い、蜘蛛の意味、京香が無事だった理由など | 映画の解説考察ブログ

映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』ネタバレ解説考察|原作との違い、蜘蛛の意味、京香が無事だった理由など

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岸辺露伴 ルーヴルへ行く ダークファンタジー
©2023 映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会

映画『岸部露伴 ルーヴルへ行く』のあらすじ、解説考察を紹介しています!
考察には蜘蛛の意味、京香が無事だった理由、原作との違いなどを書いています。

ドラマで露伴先生のファンになり、映画もずっと楽しみにしてました!
原作が少年漫画とは思えないダークな雰囲気や不思議、不気味を増長してくれるバックサウンド、露伴先生と泉京香のファッションセンスが大好きです。
ルーヴル美術館の美しさと邪悪な黒い絵の恐ろしさの対比が良かったです。

鑑賞済みの方のための考察記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください。

岸辺露伴 ルーヴルへ行く

制作年:2023年
本編時間:118分
制作国:日本
監督:渡辺一貴
脚本:小林靖子
原作漫画:『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』荒木飛呂彦 著
映画ノベライズ:『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』北國ばらっど 著

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キャスト紹介

岸辺 露伴高橋一生
青年期…長尾謙杜
世界的人気漫画『ピンクダークの少年』を連載する学者肌でエゴイストな天才漫画家。
他人の半生や本音を文字や絵に具現化して読むことが出来る『ヘブンズ・ドア』という特殊能力を持つ。
(高橋一生の他出演作…映画『嘘を愛する女』、ドラマ『カルテット』ほか)

泉 京香飯豊まりえ
出版社『集明社』の社員で岸辺露伴の担当者。
自己中心的で普段はきゃぴきゃぴしているが、意外と鋭い観察力・洞察力を持つ。
(飯豊まりえの他出演作…映画『暗黒女子』、ドラマ『オクトー』ほか)

奈々瀬木村文乃
露伴が10代の頃に出会い恋心を抱いた女性。
露伴の祖母が所有する家屋に下宿していたが、ある日忽然と姿を消してしまった。
(木村文乃の他出演作…映画『ザ・ファブル』シリーズ、ドラマ『99.9 -刑事専門弁護士- シーズン2』ほか)

辰巳 隆之介安藤政信
ルーヴル美術館で東洋の絵画を担当するキュレーター。
美術館を訪れた露伴と京香を案内する。
(安藤政信の他出演作…映画『さくらん』、『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』ほか)

エマ(ルーヴル美術館職員)…美波
露伴の祖母…白石加代子
黒い絵を狙う男…池田良、前原滉
故買屋…中村まこと、増田朋弥 ほか

 

あらすじ紹介

あらすじ①:黒い絵とモリス・ルブラン

天才漫画家の岸辺露伴(高橋一生)は、今から約250年前に描かれた『この世で最も黒い絵』を探していました。
それは山村仁左右衛門(やまむらにざえもん)という無名の日本画家の作品で、黒すぎて光を全く反射しないため人間の目には見えず、この世の物ではないとまで言われているようです。

露伴は絵の手がかりを求めてフランス人画家のモリス・ルブランが描いた『タイトルの無い真っ黒な絵』を、東京で開かれた骨董品オークションで落札します。
露伴は担当編集者の泉京香(飯豊まりえ)と一緒に自宅で絵を見てみると、それは真っ黒なキャンバスに無数の線が描かれていて不気味でしたが、露伴が求めていた黒さとは程遠く、山村仁左右衛門のヒントも特に無さそうでした。
露伴が見当違いかと思った矢先、オークションで露伴と同じく黒い絵を落札しようとしていた怪しい2人組の男が露伴の隙をついて自宅に侵入し、黒い絵を盗んでいきました。
その後、黒い絵はなぜか道端に捨てられていて露伴の手に戻ります。
絵を盗んだ男の1人は逃亡し、もう1人は露伴の知らない間に得体のしれない何かに襲われて死んでしまいました。

黒い絵自体は無事でしたが、木枠の裏側の紙が破られていて、そこにはフランス語で『ルーヴルで見た黒 後悔』と書かれていました。
露伴はすぐに取材に行くことに決め、京香と共にルーヴル美術館のあるパリに旅立ちました。

 

あらすじ②:露伴と奈々瀬

露伴が『黒い絵』を追う理由は、若い頃に出会った不思議な女性にありました。
先日フルカラー版『ピンクダークの少年』の出版が決まり、露伴は色の研究をしていた際、漫画家として有名になる直前に出会った不思議な女性を思い出します。

昔、露伴の祖父母は老舗旅館を経営していましたが、祖父が亡くなった後、祖母は旅館経営をやめて祖父が集めていた骨董品を全て売り払い、旅館は自宅にして余った客室は下宿として貸し出していました。
しかし入居条件が細か過ぎて入居者は中々現れず、いつも閑散としていました。
当時16歳だった露伴(長尾謙杜)は執筆に集中するためその下宿部屋に数カ月滞在していた時、唯一の下宿人だった奈々瀬(木村文乃)という20歳位の女性と出会います。

奈々瀬はどこか浮世離れした雰囲気で、吸い込まれるような漆黒の美髪を持ち、露伴はなぜか奈々瀬に心惹かれました。
ある日、露伴は奈々瀬から『この世で最も黒い絵』の話を聞きます。
その絵は『この世で最も邪悪な絵』とも呼ばれていて、作者の山村仁左右衛門は黒さを追求して絵の具の原料に とある御神木を使った所、何かに取りつかれたようになり、黒い絵を描いた後はご神木を傷つけた罪で役人に処刑され、それからその絵は見るのも触れるのも危険な呪われた絵になったと言われています。
そして、その絵は現在ルーヴルにあるそうです。

この話をしてから奈々瀬は下宿に帰らない日が続き、次に帰ってきた時に露伴が会いに行くと、奈々瀬はなぜか泣いていました。
奈々瀬の涙を見た露伴は、どうしようもなく彼女を守って助けてあげたい気持ちに駆られます。
しかし、奈々瀬は露伴が漫画原稿に描いていた『黒いイメージの女性キャラ(奈々瀬がモデル)』を見ると急に怒り出し、原稿をハサミでめった刺しにしてどこかに行ってしまいました。

それから奈々瀬は下宿に二度と戻らず、心配だった露伴は祖母に奈々瀬のことを尋ねますが、祖母はなぜか彼女のことをよく覚えていませんでした。
そのうち露伴自身も「彼女は本当はいなかったのでは」と思うようになり、そのまま忘れていたのです。




あらすじ③:ルーヴル美術館

岸辺露伴 ルーヴルへ行く

ルーヴル美術館を見学する岸辺露伴と泉京香 ©2023 映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』製作委員会

パリに到着した露伴と京香はさっそくルーヴル美術館に行き、職員のエマ(美波)とキュレーターの辰巳隆之介(安藤政信)に会い、館内を案内してもらいます。
この時、エマは数年前から美術館で行われているプロジェクトの話をします。
ルーヴル美術館の広大な地下倉庫の一部が水害で劣化していることがわかり、劣化してしまった倉庫に置いてある絵画を新しく建てられた保管センターに移動するというプロジェクトで、その作業中にとある倉庫から何十年か前に寄贈された未確認の絵画が1000点以上見つかり、職員たちは現在も鑑定と保管センターに送る作業を行っているそうです。

話の流れで露伴が仁左右衛門について質問していた時、美術館職員のフランス人男性が突然 本人にしか見えない何かに怯えて倒れてしまいました。
倒れた職員は露伴が事前に送っていた質問メールから山村仁左右衛門と黒い絵について調べてくれていた人物でした。
その職員のパソコンを見せてもらうと、山村仁左右衛門の絵が美術館地下の最奥にあるZ-13倉庫にあると情報が出てきました。
エマは、Z-13倉庫の絵は既に回収済みで、ここに絵が残っているのはおかしいと言います。
露伴、京香、エマ、辰巳は消防士2人と一緒にZ倉庫に行ってみることにしました。
※ルーヴル美術館は地下倉庫に入るときは必ず消防士が同行するという規則があります。

倉庫に向かう途中、山村仁左右衛門の絵をルーヴル美術館に持ち込んだ人物の情報が入ります。
そのフランス人が絵を持ってきたのは今から30年近く前らしく、露伴は男の顔写真を見てハッとします。
その人物は、露伴が16歳の時に祖父の倉庫に眠っていた絵画を購入した男で間違いありませんでした。
つまり、山村仁左右衛門の絵は元は露伴の祖父が持っていたのです。

Z倉庫に入った露伴は床に落ちていたモリス・ルブランの筆と、フェルメールの未発表の作品を見つけます。
フェルメールの絵は露伴の見立てでは本物でしたが、辰巳は贋作(ニセモノ)だと判断しました。
辰巳の態度を見た露伴は、ルーヴル美術館でひそかに起きていた犯罪と山村仁左右衛門の絵とモリス・ルブランの関係に気付きます。

辰巳の正体は絵画の窃盗グループの一員で、全ての倉庫のカギを持つ消防士とグルになり、美術館から保管センターに送られる絵画を贋作とすり替えて本物を盗んでいたのです。
そしてモリス・ルブランは辰巳に雇われて贋作を作っていた画家でした。
辰巳は職員も滅多に入らないZ-13倉庫でモリスに贋作を描かせていて、モリスはここに眠っていた仁左右衛門の黒い絵を見つけ、真っ黒な絵を描いたのです。

モリスは犯罪に加担していることへの罪悪感から辰巳たちに内緒で贋作の裏に本物を隠して海外に安値で売っていて、モリスが描いた黒い絵もその一つでしたが、黒い絵だけは裏に本物を隠すことはできなかったのです。
モリスの裏切りに気付いた辰巳はモリスを問い詰めていてうっかり殺してしまいました。
また、露伴から黒い絵を盗もうとした男たちは辰巳の仲間で、彼らはモリスが流出させた本物の絵を回収して周っていたこともわかりました。

全てが繋がったとき、露伴たちは倉庫内の一番奥に黒い絵の本物があることに気付きます。
その絵には黒い奈々瀬が描かれていました。
絵を見てしまった辰巳、消防士2人、エマは次々に幻覚に苦しみ始めたので、露伴はまだ無事だった京香に頼んでエマを連れて倉庫から出てもらいます。
露伴は辰巳と消防士たちが苦しむ様子を観察し、奈々瀬の発言やモリスが絵の裏に書いていた『ルーヴルで見た黒 後悔』などから、黒い絵を見ると何が起こるか理解しました。
黒い絵が映すのは過去であり、絵を見た人間は本人または先祖が過去に犯した罪や後悔した出来事の幻覚に襲われていたのです。
露伴も黒い絵を見てしまったので過去の罪に襲われることになります。

結末と考察は次のページです!




感想などお気軽に(^^)

  1. 匿名 より:

    1は盗んだモリスの絵から滲み出た絵の具に触れた直後に蜘蛛が湧き、幻覚が始まったので触れた直後に死んだ、と思います。
    (モリスの絵からなぜ絵の具が漏れたのかは謎です。)

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