『PLAN 75』ネタバレ解説考察|ミチはなぜ死ななかった?瑶子の気持ち、プランの裏側と実態など | 映画の解説考察ブログ - Part 2

『PLAN 75』ネタバレ解説考察|ミチはなぜ死ななかった?瑶子の気持ち、プランの裏側と実態など

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plan75 ヒューマンドラマ
©2022『PLAN 75』製作委員会

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殺された老人たちは死後どうなった?

ヒロム(磯村勇斗)はプラン75に関わる企業リストの中に、会社名だけでは業種がわからない会社を見つけました。
ネット検索すると産業廃棄物処理会社であることがわかり、貴金属の買い取り残骨灰の処理などが業務内容に挙げられていました。
これらの業務内容は、プラン75で殺された老人たちがその後どう扱われるのかを示すヒントになっていました。

ヒロムが申込者に案内していた『提携火葬場と霊園でまとめて供養される』というのは聞こえは良いですが、企業は少しでも経費を安く抑えるために死んだ老人たちの金目の遺品を売ったり、死体の処理は安価に済ませることで稼いでいたのです。
ヒロムの会社は産廃業社との提携は政府には秘密にしていたと思われます。

遺品を売って得たお金は、新たにプラン75に申し込んだ人に渡される『10万円プレゼント』に割り当てられたり、人件費に使われたりしていたと思われます。

 

ヒロムはなぜ死体を運んだ?マリアはなぜ手伝った?

plan75

©2022『PLAN 75』製作委員会

ヒロムが叔父の死体を運び出したのは、プラン75の実態を知り『本当にこんな死に方で良いのか』と疑問に思ったからです。
ヒロムはどうしても叔父を一人の人間として弔いたくなったのではないでしょうか。

ヒロムが病院のベッドで叔父を運ぶのに苦戦していると、マリアが気付いて死体運びを手伝いました。
マリアは日本語は喋れませんが、仕事内容から遺品が売り払われていることは気付いていたので、ヒロムが叔父の死体を運ぼうとしていた理由が分かったから手伝ったのです。




マリアが見つけたお金は何だった?

マリアは病院で殺された老人たちの遺品を仕分けしていて、バッグに入っていたお金を見つけました。
あのお金とバックはヒロムの叔父の物だったように見えたのでその前提で書きますが、もし違っていたらすみません。

恐らくあのお金はプラン75に申し込んだ人全員に支給される例の10万円で、ヒロムの叔父はミチと一緒であのお金の使い道がわからず、ヒロムに届くことを願って持って来ていたのかもしれません。
お金を直接渡せなかったのは、死の恐怖が先行してしまいそれどころではなかったり、直接渡すと断られると思ったからなのでしょう。

お金はヒロムではなくマリアがもらいましたが、お金に困る善良な人の懐に入ったので結果良かったと思ってます。

 

ミチはなぜ生きていた?

plan75

©2022『PLAN 75』製作委員会

プラン75に申し込んだ老人のほとんどは政府の提携病院で殺されました。
その病院では人工呼吸器を通して催眠作用のある薬品の致死量投与での安楽死が行われていました。

ミチも病院で人工呼吸器を付けられましたが、生きて病院から脱走しています。
ミチの処置が始まった直後、医師らしき女性が他のスタッフと電話でマシンの故障について話していたので、恐らくミチの人工呼吸器にも不具合が起こって薬品が出なかったのでしょう。

 

ミチとヒロムのその後を予想

ミチは病院で隣のベッドに居たヒロムの叔父の死を目の当たりにし、生きているだけで幸せだと気づいて病院から脱走しました。

ミチは家も仕事も失っているのでしばらくは辛い生活を強いられるでしょうが、どこかには必ずプラン75に反対している集団や組織があるはずなのでそこで助けてもらったり、コールセンターの場所が分かって瑶子と再会できればな~など色々想像しつつ、とにかく生き延びてほしいです。
気になるので続きを作って欲しいです。笑

ヒロムは恐らくあのまま逮捕されてしまうと思われますが、ヒロムが警察に真実を打ち明けることで世間にプラン75の実態が明らかになり、新たな波紋が起こります。
申込者の死体を違法に処理していたことがわかれば、プラン75そのものが廃止されることにもなりそうです。
ただ、産廃処理業者との連携を政府が知っていたとしたらもみ消されてしまう可能性もあるので、ヒロムには慎重に行動して欲しいと思います。

以上です。読んで頂きありがとうございました。
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参考サイト様

映画『PLAN75』オフィシャルサイト

感想などお気軽に(^^)

  1. とおりすがり より:

    産廃業者のあたりがよくわかっていなかったため、ヒロムがなぜ叔父さんの遺体を運んだのかが
    わかりませんでしたが、こちらの解説でわかったので大変スッキリしました
    文章から筆者様のお優しい性格が伝わってきました
    ありがとうございました

  2. 大河原由貴 より:

    今、映画を観たところです。ご感想、ありがとうございます。誰かと話したくなる映画でしたが、読ませていただいて、誰かと話した気持ちになりました。

    一点だけ、役所の若者が叔父さんの死体を連れ出す伏線として、産廃処理業者のサイトを見るシーンがありましたが、事業概要に並んでいた業務の問題の事項は、「動物の死体処理」ではなく、その次の項目の「残骨灰の始末」だったのだと思います。父にも早く死なれた青年(20年前に父親が亡くなっていたと言っていましたが、今30歳としても彼はその頃10歳)は、初めてここで喪主となり、父方の最後の年長男性の骨を拾いたかったのではないかと思います。私自身、若い頃から何度も喪主をしておりますので(監督と同じ歳です)、そのように感じました。

    御礼まで。

  3. うめもとゆうこ より:

    飛行機の中で鑑賞したので、細かいセリフが聞き取れませんでした。考察を読んで、なるほどと納得しました。ありがとうございました。わたしにとって、いつまでも心に残るであろう映画です。

    • 小川 秀世 より:

      映画を見る機会を失してしまったのですが、最後どうなるのか気になって読ませていただきました。これを読ませていただくだけで、私もまた生きるということの大切さを教えられたように感じています。ありがとうございました。

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