アニメ映画『パーフェクトブルー』ネタバレ解説考察|ラストの未麻は本当に未麻?多重人格発症の原因など | 映画の解説考察ブログ

アニメ映画『パーフェクトブルー』ネタバレ解説考察|ラストの未麻は本当に未麻?多重人格発症の原因など

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スリラー

今敏監督のアニメ映画『PERFECT BLUE パーフェクトブルー』の解説、考察をしています!

アニメだと甘く見ていたら思ったよりも怖くてびっくりしましたが、途中から怖いよりも謎解きに意識が行ってしまい怖さそっちのけになりました。

後半が難解だったので、私なりの解釈を書き出してみました!(原作未読です)

鑑賞済みの方向けの考察記事です。
まだ観ていない方はご注意ください。

 

映画『PERFECT BLUE パーフェクトブルー』概要紹介

パーフェクトブルー

制作年:1997年
本編時間:81分
制作国:日本
監督:今敏
脚本:村井さだゆき
原作小説:竹内義和『パーフェクト・ブルー』

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※このページの情報は2022年5月時点のものです。最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。

あらすじ

歌手になるために田舎から上京し、『CHAM』のメインボーカルとして活動していた霧越未麻は、所属事務所社長・田所の発案で女優に転身する決心をしました。

引退ライブも無事に終えて心機一転しようとしていた未麻でしたが、その日の夜から無言電話や『裏切り者』と書かれたFAX、ファンレター爆発事件などが相次ぐようになります。

さらに、未麻はドラマでレイプシーンを撮影した日から、『アイドルだった頃の未麻』の幻覚を見るようになり、次第に精神のバランスを崩していきます。

 

主要キャラクター紹介

霧越未麻…cv岩男潤子
元アイドルの新人女優。
アイドルを引退した日から周囲で不気味な事件が相次ぐ。

日高ルミ…cv松本梨香
未麻のマネージャー。彼女自身も元アイドル。
未麻を実の姉のように気に掛けて、何かと世話を焼く。

内田…cv大倉正章
未麻の熱烈なファン。CHAMがよく利用するコンサート会場の警備員。

 

解説、考察

今まで見たアニメの中でもトップを争う怖さでした。

何が幻覚で何が真実かもわからなくなり、特に未麻が内田に轢かれかけた後からの内容が難解だったので整理してみます。

ダブルバインドからヒント

パーフェクトブルー
©1997 Rex Entertainment Co. Lid All rights reserved.

未麻が女優として出演していた連続サスペンスドラマ『ダブルバインド』と本作のあらすじは入れ子構造になっているようなので、ダブルバインドの犯人を振り返ります。

未麻が演じた『犯人役(わかりにくいので以下A)』は元ストリッパーで、勤務中にレイプされたことがきっかけで解離性同一性障害(多重人格)を発症しました。
Aに発生したもう一つの人格は『亡くなったAの姉(女優)』で、この人格が事件の犯人です。

多重人格を発症したとほぼ同時に、Aは居もしない警備員に怯え、それを連続殺人の犯人と重ね合わせます。
この警備員は事件に怯えるAが生み出した幻で、Aに多重人格の症状が無かったために見えるようになってしまった幻です。

ドラマの中で『幻影が依り代を見つけた』という台詞があります。
これは多重人格の表現の仕方を変えただけで、『幻影(Aの姉)が依り代(A)を見つけた(憑依した)』と、心霊現象のように言い変えています。
『Aの姉』がAに取り憑き、Aの体を使って犯行を行っていたということです。

 

ドラマと未麻の出来事をあてはめる

ドラマのあらすじを踏まえて未麻の周囲で起きた出来事にあてはめてみます。

『居もしない警備員=内田』、『幻影=アイドル未麻』、『依り代=未麻、ルミ(マネージャー)』が該当します。
アイドル未麻は未麻とルミ両方に憑依していたのです。
現実的には考えにくい気もしますが、アニメならではの演出ということなのか、アイドル未麻の「あなたがルミよ」という意味深発言を真に受けると、もしかしたらルミも、未麻から生まれた別人格だったのかもしれません。

でも田所社長とルミが「未麻の送迎頼む」みたいなやり取りもしていたので、3人とも同じ人間の中にいて入れ替わっていたと考えるのは違う気もします。

ルミは元アイドルで、未麻に彼女自身の過去を重ね合わせて同調していたので、アイドル未麻が入り込んでしまったのでしょう。




内田はなぜ暴走したのか

パーフェクトブルー
©1997 Rex Entertainment Co. Lid All rights reserved.

未麻の熱烈ファンだった内田は『未麻の部屋』の熱心な読者でもありました。

内田がメールでやり取りしていたのはアイドル未麻で、彼女は内田を『駒』として利用していたのです。
アイドル未麻は『女優として活動している未麻は偽物だ』と吹き込んで、それを信じた内田は女優の未麻を殺そうとしたのです。

 

「あなた、誰なの?」

女優になった未麻が初めて与えられたこの台詞は、作中で何度も使われています。

このセリフを聞くと、鏡に映る自分に「お前は誰だ?」と問いかけ続けると、ゲシュタルト崩壊が起こって精神崩壊してしまう都市伝説を思い出します。
戦時中にナチスが捕虜に行ったとされる洗脳実験の1つで、少なくない人数が精神に異常をきたしたらしいという噂が都市伝説の由来です。
たしか5ちゃんねるでも誰かが面白半分にこの実験をしてみたらやばい事になったみたいなまとめ記事を読んだことがあります。(釣りだったかもしれませんが)

未麻がこのセリフを熱心に練習したことが、解離性同一性障害を引き起こしてしまった大きな原因だったのかもしれません。

 

ネオンテトラの死


©1997 Rex Entertainment Co. Lid All rights reserved.

未麻が大切にしていたネオンテトラが何匹か死んでしまったのは、彼女の統合されていた人格の分裂を示唆しています。

この直後、初めて鏡の中にアイドル美麻が現れて、未麻に語りかけます。

 

ラストについて

パーフェクトブルー
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ルミのお見舞いをして病院から出た後、未麻は車のバックミラー越しに「私は本物だよ」と笑います。

直感的な判断では、私はこの未麻はアイドル未麻だったのではないかと思っています。
この不敵な笑みに加えて、本物か偽物かにこだわっていたのもアイドル未麻だったからです。
なので、トラックに轢かれかけた時に本来の未麻の人格は消えてしまって、アイドル未麻が主人格としてすり替わったのではないでしょうか。
鏡に映る姿は本来の未麻のようにも見えますが、未麻とアイドル未麻は容姿が同じなので、ルミと未麻のように簡単には判別出来ません。

ジャンルとしてホラーだということも念頭に置くと、個人的には『幻影だったはずのアイドル未麻が依り代(未麻)を乗っ取ってしまった』というのがしっくり来ています。

 

ルミはどうなった?

ルミは病院でもアイドルの幻覚から抜け出せなくなってしまっていましたが、アイドル未麻が未麻を乗っ取っていたとしたら、もうルミの中にはアイドル美麻はいないはずです。

そうなると、ルミもトラックに轢かれかけた衝撃と、アイドル未麻に憑依されていた後遺症のようなもので、抜け殻状態になっていたのかもしれません。
病院で花束を持ってうろつく姿はアイドル未麻っぽくはなかったですし、あれはルミ自身のアイドル時代の幻覚を見ていたのではないでしょうか。

医師の話では本来のルミはたまに現れるということだったので、いつかちゃんと回復してくれると信じたいです。

以上です!読んで頂きありがとうございました。
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