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晄司が木美塚(角野卓造)と話した目的は?
誘拐犯は1度目の記者会見の自白内容に満足せず、清治郎に2度目の記者会見を要求します。
犯人は清治郎に上荒川大橋の件を告白させたいに違いないと思った晄司は、清治郎が上荒川大橋の件を暴露しやすい状況を作るために接触したのが木美塚幹事長です。
そもそも野党が上荒川大橋の件を知っていたのは、安川を失脚させたい誰かが情報を野党にリークしたからで、安川を失脚させたい人物は次期総理を狙っている人物です。
晄司は情報を野党にリークした張本人である官僚の山本を問い詰めると、山本は「篠井議員に頼まれてやった」と吐きました。
篠井議員は木美塚派なので、野党に上荒川大橋の件をリークした主犯は木美塚幹事長です。
晄司が「黙っていれば黒が白になる」と言ったのは、「安川を失脚させる手伝いをしてやる(敵が味方になる)」という意味で、晄司は木美塚と「木美塚を手伝う代わりに次の総選挙で宇田の家族を公認してほしい」という密約を交わしました。
木美塚と話している最中に晄司が安川総理からの電話を清治郎に伝えなかったのも、木美塚をおだてて宇田家が安川を見放したことを証明するためです。
安川総理が晄司に電話したのはなぜ?
安川(金田明夫)が晄司に電話したのは、晄司が木美塚と会っていることを知って警告するために電話したと思われます。
晄司が木美塚と会った時、木美塚が「総理の秘書が君の電話番号を知りたがっていた」と言ったのは、晄司の行動が総理にバレていることを意味します。
安川は2度目の記者会見で清治郎が上荒川大橋の件を言うと予想してなにか交渉したかったようですが、安川を大事にしていたら清治郎が上荒川大橋の真相が話せないので切り捨てたのです。
宇田清治郎の罪3:上荒川大橋の件の真相
上荒川大橋で清治郎が建設予定地を変更したのは、清治郎が出世するために犯した罪でした。
清治郎は安川派の先輩議員に頼まれて、内閣入りを見返りに安川の友人の会社に金が入るように手配した結果が上荒川大橋の建設予定地の移動でした。
清治郎の自白は安川を退任に追い込み、清治郎自身も辞職しました。
3度目の記者会見の目的は?
晄司は誘拐犯が1番してほしくないことをこれからすると犯人に知らせるために記者会見を開きました。
清治郎の辞職で競艇場と複合施設の計画は白紙になりました。
晄司は独自の調べで誘拐犯は研修センター前の河川敷そのものに執着し、そこを荒らされたら困る人物に違いないと推理します。
そこで晄司は清治郎、揚一郎、恒之と3度目の記者会見を開き、揚一郎が清治郎の後継者として競艇場と複合施設の計画を進め、その一歩として研修センターの地盤調査を自費で行うとメディアに発表しました。
マスコミには「誘拐犯を挑発するための記者会見」ということは伏せていたので、記者たちから「意味不明な会見だ」と野次が飛びました。
その後、警察協力の元で研修センターの地盤調査が始まると、犯人が動きます。
その日の深夜、地盤調査場所の周辺に現れた怪しい2人組が警察に逮捕されました。
この2人が柚葉を誘拐した犯人です。
柚葉を誘拐した犯人と動機振り返り
柚葉を誘拐した犯人は、緒形恒之のボランティア職員の寺中初美(尾野真千子)と、初美の弟のいさお(柏原収史)でした。
姉弟の父親が経営していた会社は、上荒川大橋の変更前の建設予定地内にありました。
父親といさおは政府からもらえる補償金をあてにして工場の引っ越し準備を始めて大きな借金を作ってしまい、その後建設予定地が変更になって借金が返せなくなってしまいます。
怒ったいさおと父は殴り合いの大げんかになり、父が階段から落ちて死んでしまいました。
逮捕を恐れた姉弟は父の死を隠蔽することにして、研修センター付近の河川敷に父親の死体を埋めました。
それから十数年後、宇田清治郎が都市開発計画を公表し、研修センターをつつかれると知った姉弟は慌てます。
初美は恒之のボランティア職員となって清治郎周辺の情報を得ながら、清治郎の計画を白紙にさせるには清治郎を失脚させるしかないと考え、今回の誘拐と脅迫を実行しました。
清治郎のスケジュール管理アプリをハッキングして脅迫状を送ったのはいさおでしたが、小さな工場の職員だった彼が匿名化ツールを使ってハッキングして、ということが出来る人物だったという設定が個人的にはかなり違和感がありました。
原作小説との違い
本作は原作小説に忠実ですが、誘拐犯が殺していた人と殺した理由が映画とは違っていたので紹介します。
小説の初美と弟の重明が殺したのは、初美の夫だった男と本物の重明です。
ニセ重明の正体は初美の不倫相手で、2人は初美の暴力夫の保険金殺害を計画し、不倫を知っていた本物の重明は喧嘩の末に殺してしまい、研修センター前の河川敷に死体を埋めました。
それから初美の不倫相手が重明になりすまし、初美は夫の捜索願いを出して事なきを得ていましたが、後に宇田清治郎が研修センターを潰して競艇場を作る計画を知り、映画と同じ経緯で誘拐と脅迫を行います。
ちなみに2人が研修センターで白い軽自動車を盗んだのは誘拐に使うためではなく、警察の注意を若鷺との対立に仕向けて混乱させるためです。
また、映画の晄司は女っ気が全くないですが、美波さん演じるジャーナリストの神谷美咲と小説の晄司は交際しています。
しかし、小説のラストでは晄司は母親から地元の大手建設会社の親族とのお見合いを勧められ、悩んだ末にお見合いを受け、美咲と別れる算段を付けている所で話が終わります。
全体を通して晄司は嫌いだったはずの政治家が天職と言っていいほど向いていることも分かり、とどめがこれなので血は争えないことをしみじみと感じるラストでした。
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映画の進みが早くてイマイチ理解できていなかった部分が、記事のおかげで腑に落ちました!
本当にありがとうございます。