映画『鳩の撃退法』の解説、考察をしています!
出版社編集者の鳥飼なほみと訳アリ天才小説家の津田伸一が、富山の田舎町で起きた一家失踪事件の真相に迫るミステリーです。
この記事はストーリーの結末に触れる内容も書いています。
未鑑賞の方はご注意ください(__)
『鳩の撃退法』概要紹介
(引用:https://www.cinemacafe.net)
あらすじ
直木賞受賞の経歴を持つ天才小説家の津田伸一(藤原竜也)は、前作の発売直後からしばらく失踪していましたが、3年ぶりに担当編集者の鳥飼なほみ(土屋太鳳)にコンタクトを取りました。
鳥飼が津田の働くバーに行くと、津田は現在執筆中だという新作小説の序章を鳥飼に読ませます。
それは富山県で起こった一家失踪事件を題材にした小説でした。
鳥飼は小説の内容に引き込まれますが「これは本当にフィクションですか?」としつこく問い詰めます。
津田は前作で不倫を題材にした小説を発表しましたが、実はノンフィクションだったことが判明して関係者から訴訟起こされて大問題になったからです。
「フィクションだ」と言い張る津田を信じられない鳥飼は、小説に登場する町に行き、真相を確かめようとします。
主要キャスト紹介
(引用:https://movies.shochiku.co.jp)
津田伸一…藤原竜也
直木賞受賞歴のある天才小説家。前作の発表から約3年間失踪していて、富山県の田舎町で風俗嬢送迎の運転手をして生活していた。
前作のノンフィクション小説は、登場人物に許可を取らずに執筆したため名誉棄損で起訴されてある意味話題になった。
馴染みの編集者鳥飼の前に再び現れて、失踪中に書き上げた小説を読ませる。
(引用:https://www.cinemacafe.net)
鳥飼なほみ…土屋太鳳
津田の担当編集者。
前作ではノンフィクションだと知らされずに出版を許してしまい大問題になったため、今回の津田の小説が本当か嘘か、出版可能かどうかを見極める。
©︎2021「鳩の撃退法」製作委員会 ©︎佐藤正午/小学館
幸地秀吉…風間俊介
小説の登場人物で水商売の男。
妻と幼い娘の3人家族だが、妻との仲は険悪。
娘の茜は彼の子どもではない。
加奈子(バーの経営者)…坂井真紀
川島(デリヘル経営者)…岩松了
まえだ(床屋の店主)…リリー・フランキー
奈々美(幸地の妻)…佐津川愛美
沼本(ファミレスの店員)…西野七瀬
堀之内(財団法人)…濱田岳
山下(倉田の部下)…村上淳
多々良(〃)…駿河太郎
大河内(〃)…浜野謙太
中川(〃)…伊島空
岡本(〃)…古河耕史
吟子(山下の女)…森矢カンナ
岩永(バーテンダー)…矢野聖人
加賀まりこ(風俗嬢)…桜井ユキ
晴山(まりこの男、郵便配達員)…柿澤勇人
愼改(津田の愛人)…石橋けい
奥平(面接の女)…安藤聖
佐野(幸地の従業員)…ついひじ杏奈
風俗嬢…円井わん
スピンの客…佐藤玲
大学生…佐藤新
警察官…浜中文一
編集長…森下能幸 ほか
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解説・考察・感想など
「ややこしかった」という前評判だけ聞いて気になっていた作品です。
たしかに複雑だったので、時系列整理と津田の狙いを中心に考察します。
個人的なツボだったのは、散髪したはずの倉田のヘアスタイルが全く変わってなかったことです(笑)
時系列整理
過去と現在を行ったり来たりする上に、過去については時系列が前後していて若干混乱したので整理してみます。
・2/28の出来事
幸地秀吉(風間俊介)、娘の茜を幼稚園に迎えに行くとママ友の愼改に茜を預かってもらえることになる。
この時、幸地が抱える大学生の従業員佐野に給料の前借りを頼まれる。
バーのオーナー倉田健次郎(豊川悦司)に「預かって欲しい物を店に置いた。肌身離さず持ってろ。明日取りに行く」と言われる。
↓
帰宅した幸地は妻の奈々美(佐津川愛美)に妊娠を告げられて浮気発覚。
ショックから仕事を休む。
↓
佐野が倉田のニセ札を給料と間違えて持ちだして流通してしまう。
・2/29の出来事
午前3時、津田と幸地がファミレスで初めて話す。
↓
倉田がニセ札3万円がないことに気付く。
↓
幸地に尋問して全ての原因が奈々美の不倫にあると判断した倉田は、奈々美と晴山の始末を決める。
↓
23時30分頃、津田はデリヘル従業員の加賀まりこに頼まれて彼氏の晴山を無人駅に送る。
この時、津田は晴山に別の女(奈々美)がいることを知る。
晴山と奈々美は駆け落ちするつもりで落ち合っていた。
↓
津田が去った後、奈々美と晴山は倉田の部下に捕まり一家失踪事件に発展。
・その後の出来事
津田はその後房州から遺産を受け取った際にニセ札を手にしてしまう。
さらに古新聞で幸地一家失踪事件を知り、デリヘル経営者の川島(岩松了)から倉田の話を聞き、真相を推理しながら小説を書き始める。
ニセ札の流れをおさらい
(引用:https://snapmart.jp)
ニセ札3万円の流れをおさらいします。
まず、倉田が幸地に預けるためにニセ札をバー『スピン』の金庫に入れました。
そして、幸地と給料の前借りの話をしていた佐野が金庫からニセ札を持ちだして、友人の大学生に貸しました。
3万円を借りた大学生はその日のうちにデリヘルに行き、加賀まりこに3万円を支払います。
3万円は何となく高額な気がしましたが、オプションとか付けたらそれくらいするものなんでしょうか。
その後、帰宅した加賀まりこが津田に借りていた3万円を返そうとして『ピーターパンとウェンディ』の間に挟み、晴山を送ります。
晴山を下した後、津田は川島の指示で奥平を自宅まで送り届けた際、奥平の娘が本を読んで津田の車から持ち帰ってしまいます。
奥平は津田に本を直接返すことが出来ず、津田が房州と知り合いだったことを思い出して房州に託します。
房州は妻が残してくれた遺産と一緒に本とニセ札3万円をキャリーケースに入れて、房州の死後に津田が受け取りました。
津田伸一はなぜ失踪してた?
(引用:https://www.cinemacafe.net)
津田が3年間姿をくらましていた理由は、恐らく訴訟問題が原因です。
津田が前回出版したのは不倫を題材にした小説でした。
それもフィクションと偽って出版したもので、後に小説に登場する不倫相手が実在の人物とわかり、訴訟問題に発展しています。
津田の不倫相手が訴えたのが出版社だけだったのか、津田個人も訴えられたのかどうか詳細はわかりませんが、少なくとも鳥飼の勤める出版社との間では決着している雰囲気でした。
恐らく津田は訴訟問題を全て出版社に押し付けるためと、元不倫相手からの何らかの仕返しから逃げるために逃亡したと思われます。
次のページに続きます!
2ページ目は『ラストで秀吉と倉田が一緒に居た理由』、『津田が小説にした結末』、『つがいの鳩』、『ニセ札燃やすシーンは何?』、『津田が幸地秀吉に話しかけた理由』、『倉田の行動理由』などです!
感想などお気軽に(^^)
3000万円を燃やすシーンは編集者の女性による小説の展開予想ですよね
すぐ否定されてますけど
匿名 さん
微修正しました。ご指摘ありがとうございました(__)