映画『ディア・エヴァン・ハンセン』ネタバレ解説考察|コナーが手紙を持っていた本当の理由など | 映画の解説考察ブログ - Part 2

映画『ディア・エヴァン・ハンセン』ネタバレ解説考察|コナーが手紙を持っていた本当の理由など

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ミュージカル

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コナーがエヴァンの手紙を持っていたのはなぜか

エヴァンの手紙がコナーの悩みや苦しみを代弁していた
親愛なるエヴァン
今日は良い日じゃなかった 良い週にも良い年にもならない
良くなる理由があるか?
ひとつだけあった ゾーイの存在だ。知らない者同士だけど・・・
もし話しかけたら状況は良くなるかもしれないけど 何も変わらないかも
何もかも違って 僕も違ったらいい 僕の声が誰かの所に届いたら良い
でも今まで届かなかった これからもだ
現実として 明日僕が消えても誰が気付く?
心を込めて 君の最上の友達 僕より

コナーがエヴァンの手紙を持ったまま死んだのは偶然ではなく、コナーがエヴァンに言った『友達がいるフリ』だったり、手紙の内容にコナーの気持ちを代弁している部分が少なからずあったからだと感じました。

「別人に生まれ変わりたい」「僕の声は誰にも届かない」「自分が消えても悲しむ者はいない」がその部分だと思われます。

 

ゾーイとラリーがコニーの死を悲しめなかったのはなぜ?

ディア・エヴァン・ハンセン

©2021 Universal Studios. All Rights Reserved.

精神的に悲しめる状態ではなかった

コナーが自殺して間もない頃、母シンシアは必死でコナーの生前の様子を探ろうとする一方で、ゾーイとラリーはコナーの死をそこまで悲しむ様子はなく、ラリーは「あいつは人生を放棄した」とも語りました。

2人はコナーとの関係を振り返って嫌な思い出ばかりがよぎったり、コナーに親切心を無下にされたことを思い出して怒りが先に立っていたのです。

人は何かショックな事が起きた後、思い切り怒って、思い切り悲しむなどショックを克服するのに必要な感情のプロセスがあります。
順番は人それぞれですが、ラリーとコナーは思い切り怒っている最中だったのです。

そしてラリーはエヴァンのスピーチをきっかけに『コナーをもっと気にかけていたら、自殺は防げたかもしれない』という思いが芽生え、怒りから悲しみモードにシフトしたと思われます。

ゾーイの怒りが悲しみにシフトしたのは、エヴァンが「コナーは君を愛してた」と伝えた時です。
エヴァンはゾーイの怒りの下にあるコナーへの愛情を見抜くと共に、エヴァン自身のゾーイへの恋心を伝えたくなり、でも素直に「好きだ」と言えなかったのでコナーを通して愛を伝えました。

ゾーイがエヴァンを好きになったのは、エヴァンの「愛してる」がエヴァン自身の気持ちだったことがゾーイの無意識に伝わった証拠です。




アラナはなぜリンゴ園の再開に執着した?

リンゴ園の再開が失敗すれば、それは『コナーの自殺に世間が無関心であることの証明』になる
成功すれば、コナーの苦しみが世間に届いたことになる

『コナー・プロジェクト』を立ち上げたアラナが目指していたのは、廃園しているコナーの思い出のリンゴ園を寄付で再開させることでした。
その裏側には、コナーの『自分が消えても誰も気づかない』という主張を否定してあげたいというアラナの思惑がありました。

コナーの自殺理由は、孤独に苦しみ『自分が死んでも世間は無関心だ』と思ったからだろうと誰もが何となく察していました。

アラナもエヴァンやコナーと同様に酷い不安感と孤独に苦しんでいた1人だったので、コナーの主張を否定することは大きな意味があったのです。
それが、アラナがエヴァンの手紙をSNSにあげてしまった理由でもあります。

 

アラナが公開した手紙でマーフィー一家が批判されたのはなぜ?

ディア・エヴァン・ハンセン

©2021 Universal Studios. All Rights Reserved.

募金を求めるコメントと共に遺書をネットに晒したことで、一部の人々からの反感を買ったから

アラナが晒したエヴァンの手紙はもちろんコナーが書いた遺書ではありませんが、エヴァンが黙っていればそれはコナーの遺書に見えるものであり、本来なら家族位しか読めないものです。

それをアラナが募金を求めるコメントを添えてアップしたため、詳しい事情を知らずにアラナの投稿を見た人にとっては『この遺書投稿はコナーの家族の同意の上でアップされたもので、募金を集めるためにネットに晒している』ように見えてしまったのです。

『僕が死んでも誰も悲しまない』という内容だったこともあり、世間から『コナーの家族はコナーを大事にしていなかったのでは?』という意見も出てしまったのです。

 

エヴァンが木から落ちた原因は?

自殺未遂

エヴァンは「自然保護官のバイトをしていて木から落ちた」もしくは「木登りしていて落ちた」と言っていましたが、本当は自殺を図って木から落ちていました。
自殺しようとしたことを誰かに言えるはずもなく隠していたのです。

エヴァンが骨折の経緯をコナーとリンゴ園に行ったことにしたのは、理想のエピソードに無理やり塗り替えて自殺しようとした過去をなかったことにしようとしたのもあったかもしれません。

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