映画『チャーリーとチョコレート工場』の解説、考察をしています!
チョコだらけなのでバレンタインの季節は毎年地上波のどこかで放送してる気がします。
貧乏だけど家族を大事にしてて心は豊かなチャーリーと、家族と絶縁して地位と名誉と金を手に入れた天才ショコラティエ ウィリー・ウォンカの対比が良いです。
原作は読みたいと思いつつまだ未読ですが、鑑賞して気になった点をまとめました。
映画『チャーリーとチョコレート工場』概要紹介
制作年:2005年
本編時間:115分
制作国:アメリカ、イギリス
監督:ティム・バートン
脚本:ジョン・オーガスト
原作:『チョコレート工場の秘密』ロアルド・ダール著
あらすじ
貧乏な家庭に生まれた男の子のチャーリーが暮らす町には、世界最大のチョコレート工場がありました。
主要人物紹介
© Theobald Film Productions LLP
チャーリー・バケット…フレディ・ハイモア
貧乏な家庭に生まれた男の子。ウォンカ工場の近くに住んでいる。
趣味は父親の仕事で出た不良部品を集めてウォンカの工場の模型を作ること。
誕生日の時にだけ買ってもらえるウォンカチョコを毎年楽しみにしている。
ウォンカの工場見学のチケットを奇跡的に手に入れる。
© Theobald Film Productions LLP
ウィリー・ウォンカ…ジョニー・デップ
幼いウィリー…ブレア・ダンロップ
ウォンカ工場の持ち主の天才ショコラティエ。
不思議なチョコレート菓子を次々に生み出して世界中を魅了する。
子どものまま大人になったような人物で、人間大嫌いで口が悪い。
5人の選ばれた子ども達に工場を見学させるイベントを開く。
バケット夫人(チャーリーの母)…ヘレナ・ボナム=カーター
バケット氏(チャーリーの父)…ノア・テイラー
ウンパ・ルンパ…ディープ・ロイ
オーガスタス・グループ…フィリップ・ウィーグラッツ
グループ氏…ハリー・テイラー
グループ夫人…フランチェスカ・トローグナー
ベルーカ・ソルト…ジュリア・ウィンター
ソルト氏(ベルーカの父)…ジェームズ・フォックス
ソルト夫人…フランチェスカ・ハント
バイオレット・ボーレガード…アナソフィア・ロブ
ボーレガード夫人…ミッシー・パイル
マイク・ティービー…ジョーダン・フライ
ティービー氏…アダム・ゴドリー
ウィルバー・ウォンカ医師…クリストファー・リー
ジョージーナ(チャーリーの祖母)…リズ・スミス
ジョージ(チャーリーの祖父)…デヴィッド・モリス
ジョセフィーン(チャーリーの祖母)…アイリーン・エッセル
コンビニの店主…オスカー・ジェームス
インドの王様…ニティン・ガナトラ
インドの王妃…シェリー・コン
ナレーター…ジェフリー・ホールダー ほか
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ウィリー・ウォンカは何者?
© Theobald Film Productions LLP
ウィリー・ウォンカはお菓子作りの天才で、独特な感性と魔法のような技術で誰にも真似できない可愛くてファンシーで魔法のようなチョコを売り出して世界中の人々を魅了する一方で、表舞台にほとんど顔を出さない謎多き人物です。
舞台となる工場見学から20年前、主人公の男の子チャーリーの祖父ジョーは、ウォンカが初めてオープンしたチョコレート店の店員でした。
オープンして間もなく、ウォンカ製品は誰もが欲しがる大人気商品になりました。
お店のオープンから5年、ウォンカはジョーの住む町に世界一大きなチョコレート工場を建てて世界的に注目を集めますが、人気を妬んだ同業者がウォンカの工場にスパイを送り込み、ウォンカのお菓子の秘密は盗まれてしまいました。
盗まれたレシピが広まって、同業他社からも不思議なお菓子が発売されるようになると、傷ついたウォンカはある日、大勢の従業員を全員一斉解雇して工場の門を閉ざしました。
それからしばらく工場は閉鎖していましたが、いつからか再びお菓子作りが始まってウォンカ製品は復活し、現在も不動の人気を得ています。
しかし従業員は誰も居ないので、ウォンカがどうやって毎日大量のお菓子を生産しているのかは世界的に有名な謎になっています。
ゴールドチケットを手に入れた子ども達とその経緯
© Theobald Film Productions LLP
ある冬の日、ウィリー・ウォンカが世界に向けて告知を出しました。
「5人の子ども達とその保護者を私の工場見学ツアーに招待します。
ウォンカチョコに入れた5枚のゴールドチケットを手に入れた子に参加資格があり、5人の中の1人には特別賞を授与します。
工場見学の記念にトラックいっぱいのお菓子をプレゼントします。」
最初にチケットを手に入れたのはドイツに住むソーセージ屋さんの一人息子オーガスタス・グループです。
彼はウォンカチョコを食べるのが日課で、その日かじりついたチョコにゴールドチケットが挟まっていました。
2人目はイギリスに暮らす富豪の一人娘、ベルーカ・ソルトです。
ベルーカはチケットを父親にねだり、父ソルト氏は何十万枚もチョコを買い込んでチケットを手に入れました。
3人目はアメリカ、ジョージア州に住むトロフィーとガムが大好きな女の子バイオレット・ボーレガードです。
バイオレットは普段チョコを食べませんが、ウォンカが言っていた『特別賞』に惹かれ、毎日食べるお菓子をガムからチョコに切り替えたところ幸運にもチケットが当たりました。
4人目はアメリカ、コロラド州に住むバトルゲーム好きな天才少年マイク・ティービーです。
彼は天気と株価とチョコの製造日をヒントに、チケットが入っているチョコを売っている店を特定しました。
ちなみにチョコは嫌いで食べないとのこと。
最後の1枚を手に入れたのは貧乏な家の男の子で工場の近所に住むチャーリー・バケットでした。
チャーリーはウォンカチョコが大好きで、毎年誕生日に板チョコ1枚を買ってもらえるのを何よりも楽しみにしていました。
チャーリーがチケットを手に入れたのは、道端で拾ったお金でチョコを買った時でした。
チャーリーはチケットをお金に変えて家計の足しにしようと提案しますが、もう一人の祖父ジョージに説得されてジョーと一緒に工場に行くことに決めました。
子どもたちの工場での出来事
ウォンカ工場で自分勝手に振る舞って悲惨な目に遭ってしまった子どもたちをまとめました。
オーガスタス・グループ
© Theobald Film Productions LLP
食いしん坊だったオーガスタスは、チョコレートの川を触るという禁止事項を破ってチョコを舐めた挙句、川に落ちてしまいます。
その後、飛んできた『チョコレート吸い上げマシン』に吸い込まれてイチゴのフレーバーの部屋に運ばれました。
母オーガスタス夫人は彼を助けるため、ウンパ・ルンパと一緒にイチゴフレーバーの部屋に行き、チョコまみれで一緒に工場から出ました。
オーガスタスは喜んでいますが、母親は「行儀が悪い」と嫌な顔をします。
彼の苗字『gloop』は、『glop(不味くて食べられない物)』と『goop(間抜け、鈍感)』の2つの単語を合わせた造語です。
原作小説の日本語訳では『オーガスタス・ブクブトリー』と意訳されています。
ちなみに原作版では工場から出る時は痩せて出てきます。
バイオレット・ボーレガード
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バイオレットはウィリーがまだ開発中だったフルコースのディナーが味わえるガムを噛んで体がブルーベリーのように膨らんで真ん丸になってしまいます。
バイオレットは身体からジュースを絞って元に戻すために、母ボーレガード夫人と一緒にジュース室に運ばれました。
ジュースを絞って体型は元に戻りますが、体の色は青いままで、体中の関節が柔らかくなってくねくねになってしまいました。
バイオレットは競技の幅が増えて喜んでいますが、青くなったままの彼女を見てボーレガード夫人は気まずい表情をします。
全身青くなっても全く気にしない彼女は将来大物になります(確信)
彼女の苗字『beauregarde』はフランス語で『美しい視線』という意味があり、他の子ども達のような皮肉的な意味合いは感じられませんが、名前のバイオレット(スミレ色)とも合わせると、最後は肌まできれいな紫色になってしまう彼女の運命をなぞった名前なのかもしれません。
また、アメリカの新聞の連載漫画に登場するボーレガードという名前の猟犬とも関係あるのではないかとされていますが、どんなわんこなのかはネットで調べた程度では出てこず関連はわかりませんでした。。
原作小説での日本語訳の名前は『バイオレット・アゴストロング』です。
スポーツ少女という設定は映画オリジナルで、原作では新記録のためにとにかくガムを噛み続けている女の子でした。
ベルーカ・ソルト
© Theobald Film Productions LLP
大企業の社長の娘ベルーカは、欲しいものは何でも父親におねだりして手に入れてきました。
ベルーカはクルミの中身の良し悪しを決める選別係のリスを欲しがりますが、ウィリーは「売り物じゃない」と取り合いませんでした。
怒ったベルーカは勝手にリスをさらおうとして、リスに『中身(頭の中)が空っぽ』と選別されてしまい、そのままリス達にゴミ箱に運ばれました。
ベルーカを助けようとしたソルト氏もゴミ箱の中に落とされてしまいました。
ゴミ箱は焼却炉に繋がっていましたが、焼却炉は故障中で助かりました。
2人は救出されてゴミまみれのまま屈辱的な表情で工場から出ます。
工場特製の空飛ぶエレベーターを見たベルーカはソルト氏にエレベーターをおねだりしますが、ソルト氏はもう娘の言いなりにはなりませんでした。
彼女の名前の『veruca』は、ウォンカも言っていましたが『verruca(イボ、タコ)』が由来で、苗字の『salt』は父親が塩ピーナッツの商売で成功したことから来ています。
原作小説の日本語訳では意訳されて『イボダラーケ・ショッパー』です。
マイク・ティービー
© Theobald Film Productions LLP
マイクは暴力的なテレビゲームにハマっていて、工場見学でもお菓子を食べたりせず、食べ物を無意味に破壊していました。
マイクは『テレビの部屋』で開発中だったテレビ・チョコレート移動装置を見て、テレビの中に自分自身を移動させました。
移動装置を使うと元の大きさよりも小さくなってしまうことを忘れていたマイクはバービー人形サイズに小さくなってしまいます。
ウィリーはマイクを『アメ伸ばし機』にかけることをおすすめして、マイクの父ティービー氏と一緒にアメ伸ばし機のある部屋に行きました。
アメ伸ばし機で伸ばした結果サイズ問題は解決しますが、薄っぺらで父親よりも身長が高くなってしまいました。
親子は無言で工場から立ち去りました。
冒頭ですぐに名前が出てきたことから、ウィリーは当初は彼自身と同じ天才のマイクに一番期待値が高かった気がします。
しかし、天才を鼻にかけすぎていたしお菓子も好きでは無さそうだったので、ウィリーの中では早くも落選していたと思われます。
彼の苗字『Teavee』はテレビ(TV)から来ていて、原作小説の日本語訳名は『マイク・テレヴィズキー』です。
映画のマイクはゲーマーの天才でしたが、小説のマイクはテレビとギャングが大好きなガンプラマニアで、天才という設定はありません。
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後半は『作品が伝えたいこと』、『ウィリー・ウォンカの過去』、『ウンパ・ルンパとは』、『工場見学の目的とチケット制の理由』、『ウィリーが父と暮らさない理由』、『ウィリーの性格を考える』などについてです!
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