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ミーキンズ将軍とリズはなぜ殺された?
5人委員会の最終的な目標はアメリカの民主主義を崩壊させて当時のドイツのような独裁政治国にすることでした。
そのために、委員会は退役軍人たちを味方に付けて組織化しようと画策します。
退役軍人を組織化して武力とすることで、国家を威圧しようとしていたのです。
退役軍人を始めとする多くの民衆を味方につけるには魅力的なリーダーが必要です。
そこで、5人委員会が最初に目を付けたのがミーキンズ将軍でした。
しかしミーキンズ将軍は委員会からの誘いを断り、存在を世間に公表しようとしたため殺されてしまいました。
リズが殺されてしまったのは、将軍を殺した犯人捜しをしようとしたからです。
リズはヴァレリーからハロルドを紹介してもらっていたので、ヴァレリーの行動を監視していたトムがリズの動きにいち早く気付いたと思われます。
5人委員会がギレンベック将軍に近づいたのは?
5人委員会の幹部メンバーがギレンベック将軍に近づいたのは、彼を5人委員会の操り人形にするためでした。
勇敢で高潔な退役軍人として名の知れたギレンベックが5人委員会の思うままになってくれれば、民衆の心を操るのはより容易くなります。
5人委員会はルーズベルト大統領を退任させてギレンベックを新大統領にすることで、アメリカに独裁国家を作ろうと計画していました。
ポールとヘンリーの正体は?
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この2人は登場したときにテロップが出ていましたが、彼らはMI6(Military Intelligence 6・英国情報局秘密情報部)の一員でした。
恐らくヴァレリーは家出してヨーロッパのどこかで2人と出会い、彼らの情報提供者になることで生活面で援助してもらっていたと思われます。
ゲシュタポとは?
ミーキンズ将軍とリズの事件のいざこざが終わった後、ハロルドとヴァレリーはアメリカから出ることにしました。
この時、ヘンリーとポールは「ゲシュタポが来る」と言いますが、それが何かについては明かしませんでした。
ゲシュタポはドイツ警察に設置されていた秘密警察の名称です。
5人委員会はドイツのナチス関係者と結託していたため、今回の騒動でゲシュタポが動き、事件の真相や5人委員会の存在を知ってしまったバート、ハロルド、ヴァレリーは命を狙われる可能性があると暗示していたと思われます。
ハロルドとヴァレリーは逃げることにしたので簡単には捕まらないと思いますが、アメリカに残ったバートのその後が心配です。
ポールとヘンリーが助けてくれるといいのですが。。
どれくらい実話だったのか
冒頭に『この物語はほとんど実話です』のようなテロップが出ますが、実際にはどの部分が実話だったのでしょうか。
この映画に関する海外の記事をいくつか読んだ内容をまとめると、本作はエンドロールに登場するスメドリー・バトラー将軍の暴露スピーチが元ネタになっています。
バトラー将軍は本作でロバート・デ・ニーロが演じたギレンベック将軍のモチーフとなった人物で、終戦直後にとある富裕層の資産家たちから怪しい計画を持ち掛けられたことなどを非米活動委員会に証言した人物です。
その暴露内容は、一部の無慈悲な資産家が戦争で莫大な利益をあげて喜んでいることや、彼らが結託して一儲けするために再び戦争を起こそうとしていること、「私が彼らの意見に同調するフリをすると『ルーズベルトに代わって新しい大統領にならないか』と提案された」などです。
主人公のバート、ハロルド、ヴァレリーは国家転覆を企む組織に命を狙われたことのある実際の一般人がモチーフにはなっているものの、彼らのキャラクターやアムステルダムでの出会いなどは全てフィクションのようです。
5人委員会(Committee of Five)は実在する?
本作に登場した『5人委員会』は1776年に設立、同年解散したアメリカ独立宣言を提案した組織の名称です。
舞台となる1933年とは全く時代が違うので恐らく関係は無く、名前を借りただけなのかもしれません。
以上です。読んで頂きありがとうございました。
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参考サイト様一覧:
IWJ:米国海兵隊の英雄スメドリー・バトラー将軍の「告発」~「戦争はいかがわしい商売だ」前編(吉田健正著『戦争はペテンだ バトラー将軍にみる沖縄と日米地位協定』より)
SCREEN RANT:Is Amsterdam Based On A True Story? How Much Of The Plot Really Happened
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