映画「余命10年」がひどいと言われる理由は?ラストの意味もネタバレ解説考察 | 映画の解説考察ブログ

映画「余命10年」がひどいと言われる理由は?ラストの意味もネタバレ解説考察

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余命10年 恋愛

映画「余命10年」のあらすじ紹介、解説考察を書いてます!
「茉莉の病気 肺動脈性高血圧症について」「茉莉がドカ食いした理由」「ひどいと言われる理由」「ラスト、数人は花束を持ってどこに行った?」などについて書いています。

鑑賞済みの方のための考察記事です。まだ見ていない方はネタバレにご注意ください。

余命10年

制作年:2022年
本編時間:125分
制作国:日本
監督:藤井道人
脚本:岡田恵和、渡邉真子
原作小説:「余命10年」小坂流加 著

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キャスト紹介

高林 茉莉(たかばやし まつり)…小松菜奈
発症から10年以上生きた人はほとんどいないという難病を発症した20代女性。
10代の頃は小説家になる夢があったが、病気を理由に諦めている。
病気のため恋愛は絶対にしないと決めていたが、数人と出会って恋に落ちる。
※小松菜奈の他出演作…映画「溺れるナイフ」、映画「糸」など

真部 数人(まなべ かずと)…坂口健太郎
茉莉と中学時代の同級生。
両親の反対を押し切って上京したものの、勤めていた会社をクビになってしまい絶望するが、同窓会で茉莉やタケルと再会して生きる気力を取り戻す。
※坂口健太郎の他出演作…映画「仮面病棟」、ドラマ・映画「シグナル」シリーズ など

富田 タケル山田裕貴
茉莉と数人の同級生。
茉莉と数人の恋を応援する。
※山田裕貴の他出演作…ドラマ「闇金ドッグス」シリーズ、映画「東京リベンジャーズ」シリーズ など

藤崎沙苗(茉莉の友人)…奈緒
桔梗(茉莉の姉)…黒木華
平田医師…田中哲司
百合子(茉莉の母)…原日出子
明久(茉莉の父)…松重豊
梶原(居酒屋の店主)…リリー・フランキー
三浦アキラ(美弥の恋人)…井口理
美弥(茉莉の大学時代の友人)…上原実矩
サオリ(〃)…三浦透子
茉莉の同級生…富山えり子、根矢涼香
波川(編集長)…MEGUMI
病死した母親…安藤聖
面接官…安井順平
桔梗の夫…山中崇
聡子(茉莉の親戚)…山下容莉枝
美恵子(〃)…中島唄子 ほか

 

あらすじ紹介

主人公の高林茉莉(小松菜奈)は大学生の頃に難病の一種である「肺動脈性肺高血圧症」を患って約2年間入院し、普通の生活が送れるようになったため退院しました。

茉莉は退院直後に地元の中学校の同窓会に参加して同級生たちの近況を知り、それぞれ頑張っている姿を見て内心羨ましく思います。
その会で、茉莉は同じく都内住みだった真部数人(坂口健太郎)と富田タケル(山田裕貴)と東京でも集まるようになりました。

数日後、同級生から刺激を受けた茉莉は大学時代の友人で出版社に勤める早苗(奈緒)のツテで在宅ワークも可能なネット記事のライターの仕事を紹介してもらい、働き始めます。

一方、数人は両親の会社を継ぐのが嫌で両親と縁を切って上京しましたが、働いていた会社をクビになってしまい生きる気力を失っていました。
数人は一度は自殺未遂もしましたが、茉莉とタケルに励まされ、タケルから居酒屋のアルバイトを紹介してもらい、徐々に生きる気力を取り戻します。

茉莉は病気を理由に恋愛は絶対にしないと決めていたものの、数人への想いを止められず付き合い始めますが、病気のことは打ち明けられませんでした。
茉莉は恋愛も仕事も順調で青春を謳歌しますが、病は容赦無く茉莉の体を蝕んでいきます。

 

解説・考察・感想など

茉莉の病「肺動脈性肺高血圧症」とは?

茉莉が患っていた「肺動脈性肺高血圧症」は、心臓に血液を送る血管である肺動脈の血圧が上昇しやすくなってしまう病気で、効果的な治療法が見つかっていない難病とされています。

肺動脈の血圧が上がりやすくなる原因は肺動脈周辺の細い血管が機能不全を起こして肺動脈に過度な負担がかかってしまうからですが、この病を発症する原因は遺伝や先天性疾患、薬物などの可能性があるとされていますが明確にはわかっていません。

患者ができる対処法は一般的な高血圧症と同様で、血圧を上げないために塩分と過度な運動を控え、感情が高ぶっても血圧が上がってしまうのでできるだけ平穏な環境に身を置くことがベストです。

茉莉が数人と話していて倒れてしまったのも感情が高ぶって血圧が上昇し、肺動脈が正常に機能しなくなってしまったことが原因です。

 

茉莉が居酒屋でドカ食いした理由

・茉莉は友人との集まりでその場しのぎの発言をしてしまい、後で自己嫌悪になって自傷行為的にドカ食いした
・この集まりで茉莉は数人への好意を認めざるを得なくなり、湧き上がる「死にたくない」という感情を押し殺すためにドカ食いした

茉莉は友人から心臓疾患持ちの男性を紹介する話をされた会の後、1人で居酒屋に行って唐揚げ、ピザなど塩分の高い食べ物を泣きながらドカ食いしました。

友人が紹介の話をした時に早苗が数人の話題を出そうとしますが、茉莉は早苗の発言を遮って「紹介して!」と言ってしまいます。
茉莉はこの時「数人への好意を押し殺そうとしていた時期」でしたが、数人が好きだと認めたくない気持ちが先に立ち、紹介してもらうつもりも無いのに「紹介してよ」と乗ってしまいました。

それは紹介してくれる友人に対しても心臓疾患持ち男性に対しても失礼だったので、茉莉は反省と自己嫌悪モードに陥ります。

また、茉莉は紹介の話の時に湧いた感情から数人が好きだと認めざるを得なくなりました。
茉莉が恋愛しないと決めていたのは終活のひとつでこの世に未練を残したくなかった(生きていたいと思いたくなかった)からですが、数人を好きだと認めると死にたくない気持ちが強くなり、そんな気持ちを押し殺すため(もうすぐ死ぬ身だと自分に言い聞かせるため)に塩分の過剰摂取をしてしまったと思われます。

地味に疑問だったのは、茉莉がドカ食いしている時、茉莉の精神的ピンチを見抜くかのように数人は仕事をほっぽり出して茉莉を探し始めたことです。
数人の行動がエスパーっぽくて謎だったんですが、よく考えると解散したあと早苗が数人に「茉莉が男を紹介してもらいそうかも」と教えて、数人が居ても立っても居られなくなったという流れが自然ですね。




ラスト解説:数人の電話の相手は?なぜ花束を持っていた?

ラスト、数人は電話の相手に「もうすぐ着く」と話し、手には花束を持っていました。
この時の数人は、タケルや早苗などと待ち合わせして茉莉のお墓参りに行こうとしているところです。

数人も茉莉の死を乗り越えて、いつか素敵な女性と出会えることを願います。

 

本作が「ひどい」と言われる理由とは?

googleで本作を検索しようとすると、かなり上位に「余命10年 ひどい」と出てきます。
ですが、本作を見れば俳優陣の演技もしくは演出がひどいという意味ではないのはわかるので、具体的に何がひどいのか考えました。

ひどいと言われる理由は茉莉の数人に対する態度や行動のことだと思われます。
茉莉が数人に病気のことを中々打ち明けなかったのも「ひどい」のポイントで、茉莉からすれば「病人扱いされたくない」「変に心配させたくない」という思いからだったのでしょうが、数人目線で考えると大事な情報を教えてもらえないと信用されてないのかな?と不安になるので、発作などもしものことを考えても友人になった段階で伝えた方が良かったのでは?と思ってしまいました。

そして1番ひどいのは最初で最後のスキー旅行で幸せな1日を過ごした翌朝、茉莉は数人が目を覚ます前に荷物をまとめて何も言わずに勝手に帰ろうとする件です。

勇気を出してプロポーズしてくれた恋人に対して、翌朝何も言わず消えるように去ろうとする茉莉はあまりにもひどくない?と思いました。
茉莉としては幸せの絶頂が「死にたくない」に繋がって辛くなるのでこのまま消えたくなる気持ちもわかりますが、あまりにも数人の気持ちを無視し過ぎというか悲劇のヒロインに酔い過ぎだろうと思ってしまいました。

茉莉は「去る側」なので「去られる側」の気持ちをあまり考えられないのは仕方ないのかもしれませんが、このシーンは茉莉と数人の別れというよりも数人の扱いが可哀想過ぎて泣けてしまいました。
茉莉が宿泊所を出た直後に数人が気づいたからよかったものの、数人が気づくのがあと10分遅かったら、数人はいない茉莉を雪山で探し回っていて、茉莉はしれっと帰宅していたのかと考えると悲し過ぎます。

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