『水曜日が消えた』ネタバレ解説考察｜人格が消えた順番、データ改ざんの理由など

映画『水曜日が消えた』のあらすじ解説考察を紹介しています！
『安藤医師（きたろう）がデータ改ざんしたのはなぜ？』『人格が消えた順番』『意識が飛ぶ原因』などについて書いています。

鑑賞済みの方のための記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください。

映画『水曜日が消えた』関連商品を楽天で検索する！ 

≪U-NEXT≫で『水曜日が消えた』が見られます！ 31日間無料キャンペーン実施中。
※このページの情報は2023年5月時点のものです。最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。

キャスト紹介

斉藤 数馬（七人の”僕”）…中村倫也
子どもの頃…笠松基生
解離性同一性障害で人格が７人になった青年。発症して16年になる。
曜日ごとに出てくる人格が決まっているため、それぞれ曜日で呼び合っている。
物語の主人公の人格は『火曜日』。

一ノ瀬…石橋菜津美
子どもの頃…堰沢 結愛
数馬の幼馴染み。頻繁に数馬の様子を見に来る。

安藤医師…きたろう
数馬が長年お世話になっている担当医。
真面目に通院する『火曜日』が安藤医師と一番仲が良い。

新木医師…中島歩
安藤の下で働く新人研修医。

瑞野…深川麻衣
火曜日が一目ぼれする図書館司書。水曜日の数馬と知り合い。

あらすじ紹介

あらすじ①：

斉藤数馬（中村倫也）は小学生の頃の事故で両親を亡くし、さらに解離性同一症を発症し、事故から16年経った現在も７つの人格と共存しています。
人格は曜日ごとに変わるため、お互いを曜日で呼び合います。
主人公の人格は『火曜日』で、真面目で几帳面な性格から皆の母親的な存在です。

『火曜日』の朝は『月曜日』の一夜の相手を追い出すことから始まり、部屋の掃除をして朝食を食べながら人格同士の情報共有ノートに目を通してから担当医安藤医師（きたろう）のいる研究所へ定期健診に行きます。
健診のあとは自宅で旅行のブログ（仕事？）を更新したり、火曜日には数馬の病気を知る唯一の友人 一ノ瀬（石橋菜津美）が家に来ることが多いため、一ノ瀬とだべりながら医師に言われた通り軽い運動をします。

夜は『土曜日』と対戦中のチェスの駒を進め、『水曜日』が出すことになる可燃ゴミをまとめて、趣味の読書をしたり共有ノートに今日の行動を書き、医師の言いつけを守って24時までに就寝します。
『火曜日』が火曜以外の曜日を生きるのは夢のまた夢でした。

そんな５月のある日、『火曜日』は水曜日にも目覚めてしまう非常事態に見舞われます。
『火曜日』は安藤医師に報告しなければと思いつつ、どうしても図書館に行ってみたくなり外に出ました。
自宅近くの図書館は火曜休館なので、『火曜日』にとっては図書館を利用することも夢のひとつだったのです。
『火曜日』は図書館で司書の瑞野（深川麻衣）に恋をします。
瑞野は『水曜日』と知り合いらしく、「いつもと雰囲気が違う」と言いながら笑顔で話してくれました。
『火曜日』は本を何冊か借り、本の取り寄せも瑞野に頼み、来週水曜日に取りに来ることにしました。

『火曜日』は今日のことを病院にも他の人格にも報告せず、自分だけの秘密にすることにします。
情報共有ノートには『水曜日』の筆跡をマネて書き込み何も起きなかったかのように偽装して、来週も水曜日を過ごせるように祈りながら寝ました。

 

あらすじ②：

翌週。また『火曜日』は火曜と水曜を過ごすことができました。
消えた『水曜日』や、たまに意識が飛ぶなど気がかりはありましたが、それよりも嬉しさが勝ってしまい今日もルンルンで図書館に行きます。
しかし図書館から出たあと一ノ瀬に遭遇し、水曜なのに『火曜日』が主人格だとバレてしまいます。
一ノ瀬は『火曜日』の様子がおかしいことに気付いて見張っていたのです。
一ノ瀬は病院に連絡しようとしますが、『火曜日』は「内緒にしてほしい」と懇願し、何か異常があれば知らせることを条件に黙ってもらうことにしました。

その後『火曜日』は一ノ瀬の後押しで瑞野をデートに誘うと、OKをもらえて来週の水曜に出かける約束をしました。
瑞野とデートの約束をして喜ぶ『火曜日』を、一ノ瀬は複雑な表情で見ていました。
夜、『火曜日』は来週の水曜も目覚めることを祈りながら眠りました。

翌週の水曜、無事に目覚めた『火曜日』は仕事終わりの瑞野と念願の映画デートに行きます。
映画の後、『火曜日』は瑞野から告白されますが、瑞野が好きなのは『水曜日』だと気付くと同時に意識が飛ぶ症状に襲われてしまい、動揺した末に瑞野を放置して帰ってしまいました。

６月最初の火曜、『火曜日』はいつも通り定期健診に行きますが、そこに安藤医師はいませんでした。
『火曜日』は先月から安藤医師の下で働いていた新木医師（中島歩）から、安藤医師は数馬の検査データを改ざんしていたことがわかって更迭され、今後は新木が担当医になると知らされて驚きます。

新木は「あなたに異変が起きています。安藤医師が隠蔽していたので発見が遅れました。ほかに自覚されている異変があるなら教えてください」と言いますが、『火曜日』は何も打ち明けられませんでした。

『火曜日』が病院から戻って改めて家の中を見てみると、ゲーム好きの『土曜日』が広げているボードゲームはどれも駒が進んでおらず、植物好きの『金曜日』の植木鉢はどれも元気がないなど、他の人格も消えていることがわかります。
次の瞬間、『火曜日』は体の力が抜けて動けなくなり、そのまま意識を失ってしまいました。

あらすじ③：

『火曜日』は翌日の木曜に目覚めました。
それは『木曜日』も消えてしまったことを意味します。
『火曜日』は『水曜日』が消えた原因を調べようと服のポケットを探ると、図書館の掲示板に貼られていた切り絵の一部が出てきました。
それは『水曜日』と瑞野が初めて喋るきっかけになったものです。
瑞野は出勤途中に沢山の切り絵落としてしまい、それを一緒に拾ってくれたのが『水曜日』でした。
『水曜日』は瑞野と別れた後でたまたま拾い忘れた切り絵を見つけ、直接渡すためにポケットに入れていたのです。
『火曜日』は『水曜日』も瑞野に好意があることを悟りました。

『火曜日』は図書館に行って瑞野に切り絵を返し、先週勝手に帰ってしまったことを謝ると、「あなたの好きな水曜日は必ず連れ戻します」と言って立ち去りました。
瑞野は数馬の病気を知らないので混乱するばかりでした。

図書館から出た『火曜日』は人格が消えたことを新木医師に電話しようとしますが、なぜか電話の途中で意識が途切れてしまいます。
数回意識が飛んだあと、『火曜日』はスマホの録画動画に『月曜日』からのメッセージがあるのを見て妨害されていることに気付きます。
『月曜日』は「俺は月、金、土、日を手に入れた。医者は嫌いだし、行っても意味無いから行くな」と主張しています。

その時『火曜日』と『月曜日』に強烈なフラッシュバックが起こり、発症の原因となった交通事故の全貌を思い出しました。
小学生の頃、数馬は引っ越しと転校をすることになり、数馬は当時好きだった同級生の女の子からブタのキーホルダーをもらいました。
数馬はそのキーホルダーに防犯ブザー機能が付いているとは知らず、親が運転する車の中でうっかりブザーを鳴らしてしまいます。
すると、ブザー音に驚いた父親が運転を誤って大事故を起こしてしまいました。
そして、数馬にブタのキーホルダーをプレゼントした相手は一ノ瀬でした。

 

あらすじ④：結末

『火曜日』は『月曜日』の言う通り自宅に戻り、そのままベッドで眠ります。
翌朝目覚めると、数馬の人格は1つになっていました。
残った最後の人格は『火曜日』かと思われましたが、本当は『火曜日』に成りすましていた『月曜日』でした。
『月曜日』は新木医師に呼ばれて病院に行き、他の人格が全員消えたと打ち明けると、新木医師は「多重人格とは関係なく、あなたは脳の手術が必要です。多重人格については手術により統合できると思われますが、統合しない選択肢もあるにはあります。あなたが決めてください」と言いました。

『月曜日』にとって体が自分だけのものになることは長年抱いていた夢でしたが、実際に１人になると淋しさや虚しさを感じ、さらには一ノ瀬が『火曜日』に好意を抱いていることがわかります。
一ノ瀬は小学生の頃に『数馬は事故で亡くなった』と知らされていましたが、大人になってからたまたま雑誌で特殊な解離性同一症患者の記事を見つけ、それが数馬のことだと気付きます。
数馬に会いたくなった一ノ瀬は安藤医師に会いに行き『数馬の友人、理解者となり彼を見守る』という条件で数馬の住所を教えてもらい、現在に至っていました。

一ノ瀬の気持ちを知った『月曜日』は、覚悟を決めて新木医師に会いに行きます。
『月曜日』は新木医師に「７人の斎藤数馬を元に戻してほしい」と希望した上で、７人分の署名を書いた手術の同意書を渡しました。

数か月後。数馬の手術は成功し、７人の数馬も無事に元に戻りました。
７人の数馬は今も曜日ごとに入れ替わりながらそれぞれの人生を謳歌しています。

解説・考察など

７つの人格紹介

月曜日

音楽と酒とタバコを愛するバンドマン。
１日を全力で楽しむことしか考えていないため、後片付けなどの面倒事は全て『火曜日』に押し付ける自分勝手な性格で、７人の中でも最も素行が悪い問題児。
イメージカラーは赤、困った時に後頭部を掻く、靴のかかとをつぶして履くクセがある。

 

火曜日

７人の人格の中で最も地味な人格だが、その真面目さや几帳面さから皆の母親的な側面を持ち、皆が敬遠する家事や雑用、定期健診も引き受けている。
病気を理由に自ら外出を制限したり友人を作れずにいるなど臆病な面がある。
旅行系のブログを更新していたことから職業はネット記事のライターやブロガーの類だと思われる。
イメージカラーは青、ミロを愛飲、『すみません』が口癖、困ったときは耳の後ろを掻くクセがある。

 

水曜日

私服も仕事着もスポーツウェアな爽やかスポーツインストラクター。
仕事で介護施設に行っていたので、理学療法士などの資格も持っているかも。
曜日同志のやり取りの付箋にハートマークを書くのは水曜日だけかもしれない。
イメージカラーは白、困った時はあごを掻くクセがある。

 

木曜日

職人気質のイラストレーター。
映画にほとんど登場しないため性格は掴みにくいが、冷蔵庫に貼られた暴飲暴食の警告から神経質さがうかがえる。
週に１度しか描けないものの締め切りに遅れたことがないことから仕事はできるタイプと思われる。
イメージカラーはブラウン、困った時に眼鏡をクイっとする癖がある。

 

金曜日

植物を愛する園芸家。
基本的に植物にしか興味が無く、他の曜日に希望を伝えるための付箋にも植物のお世話のお願いがほとんど。
『土曜日』にゲームアプリの感想を求められていたことからゲームが得意なようだ。
イメージカラーは緑。

 

土曜日

天真爛漫なゲームプログラマー。
社交的だが行動範囲が制限されるため、実際にどこかに行くよりもオンラインを好む。
他の曜日をゲーム対戦に誘ったり、開発したゲームアプリの感想を求めるなどゲームを通して他の曜日と交流している。
イメージカラーはピンク。

 

日曜日

魚を愛するプロ（？）の釣り師。
毎週釣りに出かけては成果を魚拓で報告する。
寡黙で発言することはめったになく、付箋でも魚の絵で気持ちを伝えようとする。
イメージカラーはオレンジ。

 

斎藤数馬が多重人格者になった原因は？

一般的に解離性同一症（多重人格障害）は子どもの頃の過酷過ぎるトラウマが主な要因であるとされています。
数馬の場合は小学生の頃に起きた自動車事故に大きな要因がありますが、事故の詳細が明かされた時に数馬の抱えるトラウマが明確になります。

事故の原因は意図せずとも防犯ブザーを鳴らして両親を驚かしてしまった数馬本人にあり、悪く言えば数馬のせいで両親が命を落としてしまったと言えます。
幼い数馬は両親の死に強い責任と罪の意識を感じ、それが病気を発症してしまった原因です。

次のページに続きます！

２ページ目は『人格が消えた順番』『安藤（きたろう）が改ざんした理由』などです。