『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』ラスト考察、人魚とフィリップのその後、黒ひげの魔術の秘密など | 映画の解説考察ブログ

『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』ラスト考察、人魚とフィリップのその後、黒ひげの魔術の秘密など

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パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉 アクション
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映画「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」「パイカリ4」の解説・考察をしています!
『黒ひげの魔力の謎』『ジャックがアンジェリカを捨てた理由』『人魚シレーナとフィリップのその後は?』『ラスト考察』など書いています。

鑑賞済みの方向けの記事です。まだ見ていない方はネタバレにご注意ください。

パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉

原題:PIRATES of the CARIBBEAN ON STRANGER TIDES
制作年:2010年
本編時間:141分
制作国:アメリカ
監督・脚本:ロブ・マーシャル

 

キャスト・あらすじ紹介

キャスト紹介

ジャック・スパロウジョニー・デップ
不死の命を求める海賊。「ブラック・パール号」の船長だが、現在船員はギブス1人だけ。
前作でウィルのために不死の命を諦めたため、相棒のギブスと共に「生命の泉」を狙う。

アンジェリカペネロペ・クルス
伝説の海賊の1人黒ひげの娘でありジャックの元恋人の女海賊。
父のために「生命の泉」を探す。

ヘクター・バルボッサジェフリー・ラッシュ
カスピ海の海賊王で伝説の海賊の1人。
現在は英国王ジョージ2世に仕える公賊となり生命の泉を探す。
黒ひげとの過去の戦いで足を奪われ、深い因縁がある。

黒ひげイアン・マクシェーン
アンジェリカの父であり史上最恐の海賊と呼ばれる「アン女王の復讐号」の船長。
気候や船を操り、船員をゾンビにしたり船を小さなボトルに入れるなど不思議な魔力を持つ。
死の予言を受けて「生命の泉」の力で死を回避しようとする。

フィリップ・スウィフトサム・クラフリン
黒ひげに捕まったキリスト教宣教師。
人魚に命を救われ恋に落ちる。

ジョシャミー・ギブス(ジャックの部下)…ケヴィン・R・マクナリー
シレーナ(人魚)…アルフレッド・ベルジュ=フリスベ
タマラ(人魚)…ジェマ・ワード
ジョージ2世(バルボッサの雇い主)…リチャード・グリフィス
上流階級の夫人…ジュディ・デンチ
スクラム(海賊)…スティーブン・グレアム
エゼキエル…クリストファー・フェアバンク
キャプテン・ティーグ(ジャックの父)…キース・リチャズ ほか

 

あらすじ

18世紀中頃の話です。
当時のスペイン国王フェルナンド6世が、一口飲めば永遠の命を得られるといわれる「生命の泉」の存在を知り、部下に捜索を命じます。

スペイン海軍の動きを知ったイギリス国王ジョージ2世は、「スペインよりも先に生命の泉を手に入れてこい」と部下に命じ、海を知り尽くす男ヘクター・バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)を隊長に任命しました。

同じころ、ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)もまた相棒のギブス(ケヴィン・R・マクナリー)と共に「生命の泉」を目指していましたが、諸事情によりイギリスで足止めを食らっていました。
「生命の泉」のありかを示す地図はジャックとギブスが持っていたことから、ギブスはバルボッサに捕まってしまいます。

一方ジャックは元恋人の女海賊アンジェリカ(ペネロペ・クルス)に捕まり、強引に仲間にさせられます。
アンジェリカの父は伝説の海賊の1人で「史上最恐の海賊」の異名を持つ黒ひげ(イアン・ナクシェーン)です。
黒ひげは『2週間後、義足の男に殺される』という予言を受け、死を回避するためにアンジェリカや部下を引き連れて「生命の泉」を求めていました。

それぞれの思惑が渦巻く中、彼らは生命の泉に近づくために必要な人魚が住む海域に向かいます。

解説、考察や感想など

黒ひげの魔力の謎

パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉

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黒ひげは船を小さなボトルシップに変えてしまう呪いの人形で他人を操る、船員をゾンビにする潮の流れを操る船を剣の力で操作するなどいくつかの不思議な能力を持っていました。

黒ひげの能力の多くは海賊と関りの深いブードゥー教の黒魔術に由来しています。
ブードゥー教はカリブ海の島々や西アフリカをメインに信じられている民間信仰です。
※民間信仰とは教団組織は無いものの、その地域の多くの人が信じている神様やおまじない、言い伝えなどの総称です。

ブードゥー教は元々は素朴な信仰でしたが、奴隷貿易が盛んだった当時、黒人たちが白人の仕打ちから逃れるためにすがり性質が変わった信仰とされているので、呪いや黒魔術に近いものがあります。

ブードゥー教が海賊と縁深いのは、『vodun(ヴォドゥン)』と呼ばれるブードゥーの精霊が海にいるとされているからです。

黒ひげがジャックを脅すために使っていたマスコットはブードゥー人形です。
ブードゥー人形は一昔前に世界的に流行し、日本でも流行っていたので覚えている方も多いと思います。
この人形はブードゥーの黒魔術が生んだ呪いの人形で、日本の藁人形とほぼ同じです。

船員をゾンビに変える能力も、ゾンビのルーツはブードゥー教と言われているのでそれが由来と思われます。

また、黒ひげが持っていたトリトンの剣も不思議な力がありました。
トリトンはギリシャ神話に登場する海の神様で、海の神ポセイドンの息子です。
トリトンは半魚人の姿をしていたとされ、男の人魚を意味する単語にもなっています。

トリトンには波を操る力があるとされているので、黒ひげは剣を通してトリトンの力の恩恵を受けていたのでしょう。
船をボトルに閉じ込める力については黒魔術なのかトリトンの力なのかハッキリしませんが、海賊船収集が趣味だった黒ひげが魔力、または神の力を利用して独自に生み出した新しい力なのかもしれません。

 

ジャックがアンジェリカを捨てた理由

パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉

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アンジェリカの母親は彼女を産んですぐに亡くなり、黒ひげは幼いアンジェリカをスペインの修道院に預け(捨て?)ました。
十数年後、立派な娘に成長して修道女となったアンジェリカの前にジャック・スパロウが現れます。
ジャックは酔っぱらっていて修道院を売春宿と間違えていたようですが、ジャックとアンジェリカは出会ってすぐ恋に落ちました。

ジャックに処女を捧げたアンジェリカは修道女ではいられなくなりますが、ジャックもアンジェリカを置いて海に消えてしまいました。
アンジェリカはジャックを恨み、父親と同じ海賊の道に進みました。

ジャックがアンジェリカを捨てた理由は謎のままですが、ジャックとギブスの会話で、当時ジャックがアンジェリカを愛していたことは確かのようです。
しかし言い方からはアンジェリカに対する気持ちが怖くなって逃げてしまったようなニュアンスも感じました。
また、ジャックにはマイルールが沢山あるので、そのルールでは海の旅に恋人を連れていくことはタブーだった可能性も考えられます。
海の旅は危険を伴いますし、もし連れていったら彼女を守りながらの旅ではジャック自身も命を落とす可能性が高まります。

ラストでジャックがアンジェリカを孤島に置き去りにした理由も同じだと思われます。




人魚シレーナと宣教師フィリップはどうなった?

フィリップはシレーナと海に潜ってからが描かれなかったので、2人のその後が気になる方も多いのではないでしょうか。

人魚が登場する前、海賊の1人が「人魚とキスをすると海でも呼吸が出来るようになる」と伝説を話しています。
フィリップはシレーナとキスしていましたし、シレーナもまさかフィリップを殺すことは無いと思うので、2人はあの後安全な場所に移動して幸せになったと推測しています。

 

ラスト考察:アンジェリカとブードゥー人形

エンドロールの後、孤島に置き去りにされたアンジェリカがジャックのブードゥー人形が手元にあることに気付きます。

意味深なラストに見えますが、次作の「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」にはアンジェリカもブードゥー人形も登場しません。
なので、恐らく元々は次作へに繋がる伏線として残したつもりだったものが、監督の変更、キャスト選びや脚本を練る過程で消えてしまったのでは?と推測しています。

黒ひげが死んだ後も魔術が生きていたことから、ブードゥー人形の呪いも有効のままなのだとは思います。
むしろ黒ひげの死後、魔術の使用権は娘のアンジェリカに移っている可能性も考えられます。
しかしアンジェリカはいくら怒ってもジャックを呪い殺すまではしないはずなので、多少殴ったり踏んだり蹴ったりしてジャックも痛い思いをしたかもしれませんが、結局それだけで終わったという解釈でよさそうです。

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