『レイダース/失われたアーク≪聖櫃≫』ネタバレ解説考察|アークの中身、タイトルの意味など | 映画の解説考察ブログ

『レイダース/失われたアーク≪聖櫃≫』ネタバレ解説考察|アークの中身、タイトルの意味など

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レイダース 失われたアーク アクション
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映画『インディ・ジョーンズ レイダース/失われたアーク≪聖櫃≫』のあらすじ、解説・考察を紹介しています!
アークの中身の正体、ラーの錫杖飾り、エンドクレジットのマイケル・ムーアなどについて書いています。

鑑賞済みの方のための記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください。

レイダース 失われたアーク

原題:Raiders of the Lost Ark
制作年:1981年
本編時間:115分
制作国:アメリカ
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:ローレンス・カスダン

キャスト紹介

インディアナ・ジョーンズハリソン・フォード
著名な考古学者、大学教授。通称『インディ』。
古代の秘宝に目が無く、常に冒険を求めている。
米陸軍からの依頼で『失われたアーク』を探す。

マリオンカレン・アレン
ネパールにある酒屋の店主であり、インディに考古学を教えたレブンウッド教授の娘。インディの元恋人。
アークを狙う男たちに襲われ酒屋を失い、報酬のためインディの仲間になる。

ベロックポール・フリーマン
インディと同じくアークを狙うアメリカ人。ドイツ軍に雇われている。

サラージョン・リス=デイヴィス
カイロ在住のインディの友人。
ドイツ軍の要請で人員を集めてタニスの遺跡を発掘した。

サティポ(インディの助手、裏切り男)…アルフレッド・モリナ
トート(ヒトラーの部下)…ロナルド・レイシー
ブロディ(インディの大学の同僚)…デンホルム・エリオット
ディートリッヒ(ドイツ軍人)…ウォルフ・カーラー
ゴブラー(ドイツ軍人)…アンソニー・ヒギンズ
猿の飼い主…ヴィック・タブリアン
マスグローブ(政府高官)…ドン・フェローズ
イートン(政府高官)…ウィリアム・フットキンス
官僚…ビル・ライムボルド
飛行機操縦士…フレッド・ソレンソン
飲み比べ…パトリック・ダーキン ほか

あらすじ紹介

あらすじ①:陸軍からの依頼を受ける

1936年。アメリカで高名な考古学者であり大学教授のインディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)の元に、陸軍情報局の男2名が訪ねてきます。
陸軍の2人は「最近ドイツ軍の総統ヒトラーが考古学者を雇ってエジプトのカイロ近辺で何かしようとしているようだが、考古学の知識がなくわからないので教えて欲しい」と言い、陸軍が手に入れたドイツの極秘電文を見せました。

その電文には『タニスの発掘は進行中 ラーの錫杖しゃくじょう飾りを入手せよ レブンウッド』と書かれています。
陸軍2人にはちんぷんかんぷんですが、インディには意味がすぐにわかりました。
『タニス』は『失われたアーク』と呼ばれるエジプトの秘宝が眠るとされる古代都市の名前で、『ラー』はエジプト神話に登場する太陽神、レブンウッドはインディに考古学を教えてくれた聡明な大学教授の名前で、アーク研究を専門にしていた人物です。

つまり、ドイツ軍は古代エジプトの秘宝『アーク』を探していて、アークを手に入れるには『ラーの錫杖飾り』が必要で、それはレブンウッド教授が所有しているから奪って持ってこいという意味だと考えられます。
インディは陸軍からの依頼で『アークをドイツ軍よりも先に手に入れて博物館に保管する』というミッションを引き受けました。




あらすじ②:元恋人マリオン、宿敵ベロックとの再会

レブンウッド教授は長年連絡が取れないので、インディは手がかりを求めてネパールに住むレブンウッドの娘マリオン(カレン・アレン)に会いにいくと、レブンウッドが亡くなっていたことがわかりました。
インディは「錫杖飾りを高値で買い取りたい」と申し出て飾りの在りかを聞きますが、マリオンは「知らない 探しとくから今日は帰って」の一点張りです。

インディはいったん引き下がって酒屋を出ますが、その数分後、ヒトラーの部下トート(ロナルド・レイシー)が部下を引き連れて酒屋に現れ、マリオンから錫杖飾りを強引に奪おうとしました。
インディはマリオンをトートから助けますが、酒屋は火事になり全焼してしまいます。
実はマリオンは錫杖飾りをペンダントにして父の形見としていつも持ち歩いていました。
マリオンはインディに錫杖飾りを渡し、責任を取ってもらうためにインディの仲間になりました。

インディとマリオンはエジプトのカイロに移動し、インディの考古学仲間のサラー(ジョン・リス=デイヴィス)に会います。
サラーはドイツ軍に雇われて3日前にタニスの遺跡を発掘していました。
インディはドイツ軍のタニス発掘の総指揮がベロック(ポール・フリーマン)だと知って俄然やる気が出ました。
ベロックはインディが苦労して手に入れたお宝をかっさらい、自分の手柄にして名を上げた卑劣な考古学者です。

 

あらすじ③:宿敵ベロック

その日、インディはマリオンとカイロの街に買い出しに行き、ベロックの部下に襲われました。
マリオンがさらわれてしまいインディは必死で追いかけますが、マリオンが乗せられたトラックは爆発して木端微塵に焼けてしまいました。

その後、インディはサラーから『ベロックが錫杖飾りのレプリカを手に入れた』と知らされます。
サラーが見たレプリカはインディが持つ本物とよく似ていましたが、片面しか再現されていなかったそうです。
本物の錫杖飾りには両面に古代文字が書かれているので、インディはサラーに頼んで古代文字が読める老人に会わせてもらい、飾りの文字を読んでもらいました。
そこには『アークに触れてはならない』という警告と、正しい杖の長さは『6カダムから1カダム引いた長さ』だと書かれていました。
正しい杖の長さは飾りの両面の文字を読まないとわからないので、インディとサラーはベロックが杖の長さを間違えていると知って喜びました。

アークは『霊魂の井戸』と呼ばれる場所に眠っています。
『霊魂の井戸』の場所を知るには、タニスの模型とラーの錫杖飾りがついた杖が必要です。
翌朝、インディは日の出時間頃に発掘部隊に変装してタニスの模型部屋に忍び込み、日の出の時間にラーの杖を太陽にかざして示した場所から『霊魂の井戸』の正しい場所を確認しました。

インディは模型部屋から出た直後、ドイツ軍のテントにマリオンが生きて捕まっているのを発見します。
インディはマリオンが生きていたことを喜びますが、アークの確保を優先するためその場ではマリオンを助けませんでした。

 

あらすじ④:結末

インディはすぐに人を集めて地面を掘らせ、霊魂の井戸を掘り当てます。
インディはサラーと苦労してアークを霊魂の井戸から持ち出しますが、そこにベロックとドイツ軍が現れてアークは奪われ、インディはマリオンと一緒に霊魂の井戸に入れられて石蓋を閉められてしまいました。
インディは蛇の通り道を見極めると石像を倒して壁に穴を開け、別の通路から外に脱出しました。

ベロックはアークをトラックに積んで運ぼうとしています。
インディは馬でベロックを追いかけ、アークをトラックごと奪い返しました。
インディとマリオンはサラーとお別れし、アークを船に乗せてアメリカに向かいます。
翌朝、インディとマリオンの乗る船はベロックとドイツ軍にジャックされ、マリオンとアークが奪われドイツ軍の船に乗せられてしまいます。
インディは泳いでドイツ軍の船に侵入して身を潜めていると、船はエーゲ海の小島に作られたドイツ軍基地に着きました。

ベロックは部下に祭壇を作らせて「総統に見せる前に中身が本物か確かめておこう」と言い出しました。
インディはアークを破壊しようと銃を持ってベロックの前に現れますが、考古学者としてどうしてもアークを撃つことができず捕まってしまいました。
ベロックはインディとマリオンを柱に縛り付け、洞窟の中に作った祭壇でアークのフタを開けてみます。
アークの中は冥界に繋がっていて、中から次々に悪霊が飛び出し、彼らを見たベロックやドイツ軍は全員燃えて死んでしまいました。
アークの恐ろしさを何となく察していたインディは、マリオンと一緒に目をつぶって悪霊を見なかったことで助かりました。

その後、インディは無事にアークをアメリカの博物館に引き渡して仕事を終えました。
陸軍はヒトラーがなぜアークを欲しがったのか、その理由を博物館の担当者に問い詰めますが、担当者は「まだ調査中です」と何も答えませんでした。
不機嫌そうに博物館から出たインディは、マリオンとお酒を飲んでから帰宅することにしました。
博物館は実際には調査などしておらず、アークを危険な遺物とみなして木箱に入れて地下倉庫に安置しています。




解説・考察・感想など

 

失われたアークとは?

アーク(ark)とは箱舟という意味の英単語ですが、旧約聖書では『契約の箱』や『モーセの十戒の石板がしまわれた箱』を意味します。

『十戒』は、古代イスラエルの指導者であり預言者だったモーセが神から授かったとされる10の戒(いましめ)が記された石板で、キリスト教の『三種の神器」のひとつです。

モーセの十戒
1、主が唯一の神である
2、偶像を崇拝してはいけない
3、神の名をみだりに唱えてはならない
4、安息日を守る
5、父母を敬う
6、殺人をしてはいけない
7、姦淫してはいけない
8、盗んではいけない
9、隣人について偽証してはいけない
10、隣人の財産を欲してはならない

モーセが神から授かったとされる2枚の石板は櫃(ひつ)に入れられエルサレムの寺院に安置されていましたが、盗まれてしまいそのまま行方がわからなくなっています。
有力な説では紀元前980年にエジプト軍が寺院から盗み出して古代都市タニスに運び、『霊魂の井戸』と呼ばれる場所に隠されましたが、その後タニスは砂嵐に襲われて町ごと砂に埋もれて消滅しました。
タニスや霊魂の井戸がどこにあるのか探しあてた者はいません。
ちなみに『櫃(ひつ)』は『上向きにフタがある大型の箱』のことです。

聖書によれば『アークは山を覆し、肥沃な土地を荒野に変え、アークを所有する軍隊は無敵だった』とされますが、その内容からはどう考えても呪いっぽい雰囲気しかありません。




ラーの錫杖飾りの使い方

レイダース 失われたアーク

TM & (C) 1981Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. Used Under Authorization.

ラーの錫杖飾りは言葉通り、杖のてっぺんに着けられた飾りのことです。
レブンウッドが持っていたのは杖の飾り部分だけで、ペンダントにして娘マリオンが大事に持っていました。
ちなみに杖自体は
完成した杖を正しい時刻、タニスの中にあるとされる町の模型の正しい場所に立てると、アークが隠されている場所が示されます。

ちなみに、ラーの飾りに書いてあった『杖の長さは5カダム』というのは大体150cmのはずですが、インディが持参した杖はどう見ても150cmよりも長いというのは有名な話です。
ハリソン・フォードの身長は185cmなので、杖の長さは2m越えてない?と思う位長いですね(笑)
この誤差は、脚本では元々5カダム(150cm)設定で作られていたものの、遺跡のセットを作って実際に撮影したとき、杖の長さがインディよりも高い方が自然と判断されて杖の長さが急遽変更されたからだと言われています。
杖の長さだけが変えられてカダムの数値の変更は忘れられてしまったか、直す時間が無かったかのどちらかなのでしょう。
軽すぎる石像やピラミッドの一部もそうですが、こういう所も愛すべき点ですね!

 

次のページに続きます!

2ページ目は『レプリカの真相』、『アークの正体と霊魂の井戸の蛇』です。




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