『この子は邪悪』ネタバレ解説|ラスト考察『この子』は誰?、タロットカードの意味など | 映画鑑賞中。

『この子は邪悪』ネタバレ解説|ラスト考察『この子』は誰?、タロットカードの意味など

この子は邪悪 サスペンス

2022年9月1日に公開した映画『この子は邪悪』のあらすじ紹介、解説考察をしています!

ポスターにある『ありえない』という言葉通りの展開でした!
本作にはうさぎちゃんが登場していて、最近ジョーダン・ピール監督の『アス』を見たばかりの筆者は「ウサギの使い方はアスより上手だな」と思いながら見てしまいまいした(笑)
(『アス』にもたくさんのウサギが登場します。)

鑑賞済みの方向けの解説考察記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください(__)

この子は邪悪

制作年:2022年
本編時間:100分
制作国:日本
監督・脚本:片岡翔
関連書籍:ノベライズ版『この子は邪悪』片岡翔 著
主題歌:『悪夢のおまけ』ゲスの極み乙女
この映画はPG12の年齢制限があります。
年少者に係る簡潔な虐待・殺傷の描写がみられるためです。(映倫参照)




主要キャスト紹介

窪 花(くぼ はな)…南 沙良
精神科医 窪司朗の娘。
高校生位の年齢だが、学校には全く行っていない。
家では不在の母親の代わりに妹の月のお世話やペットのウサギたちのお世話や家事などをこなしている。

窪 司朗玉木宏
精神科医。花の父で『窪心理療法室』の院長。
地域の児童虐待防止組合の会長も務め、地域住民からの信頼も厚い。

四井 純(よつい じゅん)…大西流星
花と同い年の男子高校生。
数年前から母親が原因不明の精神病に侵されており、同じ症状の患者の情報を集めていて窪司朗にたどり着く。

窪 繭子(まゆこ)…桜井 ゆき、桜木梨奈
花の母。5年前の事故から植物状態だったが、突然意識が戻って家に帰ってきた。
花は繭子が本当の母親のように思えず困惑する。

窪 月(るな)…渡辺さくら
花の妹。5年前の事故で顔に重度の火傷を負い、痕が残ってしまった。
火傷の痕を気にして外に出られず、いつも仮面をつけている。

純の祖母…稲川実代子
精神疾患の人々…山内優花、二宮隆太郎 ほか 
 

あらすじ紹介

あらすじ①:5年前の事故、母親の帰宅

山梨県甲府市ではここ数年の間に、突然謎の精神病に侵される人が増えていました。
発症した人は目が充血して人間らしい行動を一切しなくなり、ただ大人しく座っているだけになってしまいます。

先日発見された新しい患者はシングルマザーでした。
発症した母親は役所の人間により発見され、同居していた小学生の子どもは保護されました。

そんな甲府市に住む主人公の女の子 は、『窪心理療法室』の院長である精神科医 窪 司朗の娘です。
一家は約5年前、家族4人で遊園地に遊びに行った日の帰りに交通事故に遭いました。

花は奇跡的に軽傷で済みましたが、司朗は右足に重傷を負って障害が残り、母 繭子は植物状態で現在も町の総合病院で眠り続けています。
花と年の離れた妹の(ルナ)は顔に重度の火傷を負ってしまい、現在も火傷の痕を隠すための仮面を着けて引きこもり生活ですが、それ以外はいたって普通の女の子です。
花は事故後から学校に行かず母親代わりをするようになり、家事とルナの面倒を見て主婦同然に過ごしていました。

そんな5月のある日、司朗が突然繭子を連れて帰宅しました。
司朗の説明では「繭子は突然意識が戻り、残った傷跡を治すために整形手術をした」ということで顔が変わっていました。

ルナは素直に喜びますが、花には帰ってきた繭子が本物の母には思えませんでした。
それでも繭子が作ってくれるお菓子の味は昔と変わらず、花が事故前に刺繍を縫っていたことも覚えていたので、花は繭子が本物だと思うように努力しました。

 

あらすじ②:

そんなある日、花は庭から逃げてしまったペットのウサギを捕まえようとして、同い年の男の子 四井純と知り合いました。
純に「友達になって欲しい」と言われ、花は純と定期的に会ってお喋りするようになります。

純の母は5~6年前に例の奇病を発症していました。
純は病気の原因を探るために他の発症者や精神科のある病院を調べていて、母が昔、窪心理療法室に通っていたことを思い出しました。

純は窪司朗について調べると、司朗は『退行催眠療法』が得意だと知りました。
退行催眠とは、患者を催眠状態にして精神を過去に遡らせ、当時をより鮮明に思い出させることで患者が抱えるトラウマの根本を探って治療に繋げる方法です。

さらに、純はネット記事で窪一家が5年前に自動車事故に遭ったことを知り『ルナが当時の事故で死亡した』という記事を見つけました。
純からルナの死亡報道を教えてもらった花は「マスコミは嘘つきだ」と怒りました。

数週間後、その日はルナの誕生日で、花は司朗に促されて純を誕生会に呼びました。
誕生日会では繭子が新しい命を授かったと報告もあり楽しく終わりましたが、純は花と2人きりになると「僕は4月に花のお母さんを見た。もしかして帰ってきたお母さんは本当は別人で、司朗さんに洗脳されてるんじゃないか」と怪しみます。

しかし、繭子が退院・帰宅したのは5月だったので、純が4月に繭子を見たというのはありえない話でした。
純が帰ろうとした時、司朗が純を引き留めて診療室に招き入れ、純が知りたがっていた純の母のことを話します。

純の母は司朗の元患者でした。
司朗は「君のお母さんの症状は非常に複雑だった。治せなかったことを残念に思う」と告げました。
この時、司朗は純にベルの音を聞かせて指で宙に無限のマーク『∞』を描いて目で追わせ、催眠術をかけてから、ウサギの毛で作られた鈴付きのキーホルダーをプレゼントしました。

 

あらすじ③:

繭子の左目の下には元々ほくろがありました。
ある日の夜、花は寝ていた繭子のホクロが気になりウェットティッシュで吹いてみると、メイクでホクロを書き足していたことが判明します。
その直後、繭子は急に目を開けて目玉を八の字『∞』に動かしました。
次の瞬間に繭子は普通に戻りましたが、花は繭子への疑いが拭えなくなりました。

翌日、花は純に「繭子はやっぱり偽物かも」と打ち明けますが、純は催眠術のせいで態度が変わって「司朗さんが誰かを洗脳なんてするはずない。4月に繭子さんを見たのも勘違いだった」と信じませんでした。

その後、花が1人で繭子が入院していた病院に行ってみると、そこには本物の繭子が植物状態で寝ていました。
花は純に会って繭子が病院に居たと報告すると、純は催眠が解けて再び花を信じてくれました。
純は「ルナちゃんの死亡記事も本当で、入れ替わっているかもしれない。彼女が本物か確かめてほしい。
僕の母の病気とも関係あるかもしれないから、調べてみる」と言い、明日の夕方にまた会う約束をしました。

その日の夜、司朗は病院で眠る植物状態の繭子から人工呼吸器を外して殺しました。
同じ頃、花はルナの死亡記事をルナ本人に見られてしまいます。
この時、ルナも繭子と同じように放心状態で目玉をハチの字『∞』に動かしました。

その日の深夜、司朗は病院から帰宅して繭子の死亡届と離婚届を記入していると、書類を見た繭子が混乱して錯乱状態になりましたが、司朗は慣れた様子で繭子を落ち着かせてから愛を確かめ合いました。

翌日、花は約束した夕方頃に純との待ち合わせ場所に行きますが、純は現れません。
花が純の自宅に行ってみると、純は母親と同じ奇病にかかって人間らしさを失っていました。
昼間のうちに司朗が純に会いに行き、催眠術をかけて純を病気にしてしまったのです。

 

あらすじ➃:結末

黒幕が司朗だと確信した花は帰宅して司朗を問い詰めると、司朗はすべてを打ち明けました。

司朗は退行催眠を研究・応用して人間同士の魂を入れ替えたり、他の生き物の魂と入れ替える黒魔術を習得していました。
窪一家が事故に遭うよりも前、司朗は子どもを虐待する親を見つけては虐待親の魂とウサギの魂を入れ替えて子どもを救っていました。

5年前の事故の後、ルナの命が危ないと知った司朗は虐待されていた親の子どもでルナと歳の近い女の子をさらい、ルナの魂との入れ替えに成功しました。
ルナの体は赤の他人ですが、魂は本物だったのです。

繭子も同様で、司朗は今年の4月に診療室を訪れた40代の女性が子どもを虐待していることを知ると、繭子が眠る病院に連れて行って繭子の魂と入れ替えていました。
帰ってきた繭子には本物の繭子の魂が入っていて、司朗が殺した入院中の繭子の中には虐待親の魂が入っていたのです。

司朗にとっては全て家族を愛するが故の行動でした。
繭子は司朗から全て聞いて知っていましたが、家族4人で幸せなのは事実だったので黙認していました。
一方、この時に体が自分のものではないと知ったルナは動揺してしまいます。

司朗は純の母親と純の魂はウサギの魂と入れ替えていて、人間の魂が入ったウサギは診療室で飼育していました。
次の瞬間、診療室に忍び込んで話を聞いていた純の祖母が現れて、司朗を石で殴りつけてから純と純の母の魂が入ったウサギを探します。

司朗は起き上がり、純の祖母を殴り殺してしまいました。
司朗の暴走に花が戸惑う中、ルナが「もうやめて。他人を犠牲にしてまで生きたくなかった」と言い司朗を包丁で刺しました。

司朗は包丁からルナの指紋を拭いて自分の指紋を着けると「警察が来たら『私が四井さんを殺して自殺した』と言いなさい」と言い、司朗を抱きかかえる繭子のお腹に呪文のような言葉を囁いてから息絶えました。

その後駆けつけた警察に、3人は司朗が言った通りに証言しました。
この騒動でウサギたちは窪家から逃げ、純と純の母はウサギのままで自分の家に帰りましたが、その後どうなるのかはわかりません。

約1年後、繭子は無事に元気な男の子を出産し、4人での穏やかな生活を取り戻していました。花とルナは弟を可愛がり、早く大きくなるのを楽しみにしています。

赤ちゃんは誰も見ていない時に、司朗が催眠術をかける時にしていた無限のマーク『∞』を描く仕草をして不敵に笑いました。

 

解説・考察・感想など

良い父親かと思いきや、徐々に偽善者全開になっていくダークな玉木宏が楽しめました!

以下、気になった点など考察します。

司朗(玉木宏)は何をした?経緯をおさらい

この子は邪悪

©2022『この子は邪悪』製作委員会

花とルナの父司朗は催眠術を応用して魂を入れ替える黒魔術を習得していました。

甲府市でここ数年に奇妙な精神病患者がポツポツと現れたのは、司朗が虐待親の魂をウサギの魂と入れ替えていたからです。

司朗は純の母をよく覚えていると言っていたので、もしかしたら最初の魂入れ替えの犠牲者は純の母だったのかもしれません。
純の母は純に虐待していたので司朗が入れ替えの実験台にして、成功した後は純に虐待されていた記憶を封印する催眠術をかけました。

司朗が初めて人間同士の魂を入れ替えたのはルナでした。
事故後、ルナが危篤状態にあると知った司朗は、被虐待児だった女の子(ベランダで虫を食べていた男 鮫川の子ども)をさらって病院に連れて行き、ルナの魂と入れ替えました。

その後ルナの体は死んでしまいますが、司朗は恐らく遺体を速やかに火葬し、ルナの魂を入れた鮫川の子どもとは養子縁組をして、戸籍上の名前も改名していたかもしれません。

虐待親だった鮫川も様子がおかしかったのは司朗が魂を入れ替えたからですが、鮫川だけは虫を食べていたので、入れ替えたのはウサギじゃなくてトカゲなどの爬虫類だったのかなと思いました。
ルナが危篤で急いでいたと言っていたので、うさぎが用意出来なかったのかもしれませんね。

それからも司朗は被虐待児を救う活動を続けながら繭子が目覚めるのを待ちますが、5年待っても起きないため限界を感じ始めます。
そんなとき、窪診療室に1人の女性が来院します。
彼女が純が4月に目撃した女性であり、後に新繭子となる女性でした。
(名前出てたかもしれませんが忘れてしまいました)

司朗はこの女性の年齢と雰囲気が繭子に似ていたので目を付け、催眠術をかけて解放して数日後に偶然を装って会いに行き、そのまま病院に連れて行って繭子の魂とチェンジしました。

 

ラスト考察:赤ちゃんの正体、タイトルの意味

この子は邪悪

©2022『この子は邪悪』製作委員会

司朗はルナに刺されて死んでしまいますが、繭子に「俺たちはずっと一緒だ」と囁くと、身ごもっている繭子のお腹に向かって呪文のような言葉をかけました。

そして生まれた赤ちゃんは、司朗が催眠術をかける時に必ず使っていた無限のマーク『∞』を描きます。
つまりタイトルの『この子』とは、繭子が産んだ男児にかかっていたのです。
タイトルからもですが、黒魔術には必ず代償が伴うので、司朗は魂を入れ替える禁断の術を手に入れる代わりに悪魔を魂に宿していた可能性があります。
赤ちゃんに宿っていたのは恐らく『悪魔などの邪悪な何かに侵食されつつある司朗の魂』なので、本来の司朗である可能性は低いのではないでしょうか。
赤ちゃん(この子)が将来どうなるのかはタイトルが暗示しているというイヤミスなラストになっています。

今の幸せな家族のままで居られれば良いのですが、司朗が邪悪な何かに捕まってしまった点、無限のマーク、回想で何度も登場するメリーゴーランドなどからすると、花、月、繭子の魂も邪悪な何かに捕まってしまわないか心配です。

 

次のページに続きます!




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