押井守『イノセンス』難解映画のあらすじを出来る限りわかりやすくまとめました! | 映画の解説考察ブログ

押井守『イノセンス』難解映画のあらすじを出来る限りわかりやすくまとめました!

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イノセンス SF

アニメ映画「イノセンス」の結末までのあらすじをできるだけわかりやすく簡潔に解説・紹介しています!

イノセンス

制作年:2004年
本編時間:100分
制作国:日本
監督・脚本:押井守
原作漫画:『攻殻機動隊』士郎正宗 著
主題歌:『Follow me』伊藤君子
声の出演:大塚明夫(バトー)、山寺宏一(トグサ)、田中敦子(草薙素子)、大木民夫(荒巻)、仲野裕(イシカワ)、平田広明(コガ)、寺杣昌紀(アズマ)、武藤寿美(アズマ)、榊原良子(ハラウェイ検視官)、竹中直人(キム)、堀勝之祐(鑑識課長) ほか
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あらすじ紹介

あらすじ①:草薙素子の居ない9課

9課の元リーダー草薙素子(田中敦子)の失踪から約3年が経ちました。
9課は素子の失踪から学び運営方針を変え、少数精鋭制を廃止して人員を増やし、1人にかかる負担を軽減しました。
素子の失踪後、荒巻部長(大木民夫)は新しいリーダーをトグサ(山寺宏一)に任命しました。

素子が忘れられないバトー(大塚明夫)は、この3年の間にガブリエルというバセット犬を飼い溺愛しています。
素子の失踪後から明らかに元気が無いバトーを、他の9課メンバーは心配しています。

 

あらすじ②:少女アンドロイド『ハダリ』による持ち主殺害

イノセンス

©2004 士郎正宗/講談社・IG, ITNDDTD

そんなある日。街では『ハダリ』というメイド用の少女型アンドロイドが持ち主を殺害する事件が多発していました。
ハダリを販売しているロクス・ソルス社は、北端の地にあるロボットメーカーです。

ハダリは持ち主を殺した後に自らを破壊して電脳を初期化していたので、なぜ持ち主を襲うのか原因がわかりませんでした。
不思議なのは被害者遺族からの告訴は1件も無く、全て示談で速やかに解決している点です。
また、被害者の家族には漏れなく『政治家または公安関係の退職者』が含まれていました。

荒巻はテロの可能性があるとみて、この事件を『9課が受け持つべきかどうか』の判断を下すための調査をバトーとトグサに命じました。
※9課はテロリスト絡みの事件専門の課のため

 

あらすじ③:検視官ハラウェイ

イノセンス

©2004 士郎正宗/講談社・IG, ITNDDTD

2人はハダリを調査したハラウェイ検視官(柳原良子)に話を聞くことにしました。
この聞き込みで、バトーとトグサは以下の情報を手に入れました。

・ガイノイドは『人間に危害を加えない』という条件下で作られ、人間に危害を加えた人形は自らを破壊するようにプログラムされていた。
見方を変えれば、人形たちは自分を破壊する覚悟で人間に危害を加えたとも捉えられる。

・遺族が告訴しなかった理由は、事件を起こしたハダリは全て『生殖器』が付いた特別仕様のセクサロイドでもあったから。
※セクサロイド…性的なことができるアンドロイド

・事件を起こしたハダリの1体に「助けて」とささやく音声ファイルが残されていた。

 

あらすじ④:暴力団『紅塵会』に乗り込む

ハラウェイの聞き込みを終えた直後、ハダリの出荷検査官が殺害されたと知りバトーとトグサは現場に急行します。

殺された検査官ジャック・ウォーカーソンは、休暇中にレンタルハウスで殺されていました。
その手口から、暴力団関係者の犯行のようです。
このときバトーはレンタルハウス内で、本に挟まれていた1人の少女の写真を発見しました。

翌日。ウォーカーソンを殺害したのは暴力団組織『紅塵会こうじんかい』だと判明します。
紅塵会は、麻薬から人身売買まで違法な商売を網羅している暴力団の中でもたちの悪い組織です。

この組長がハダリの被害者なので、紅塵会が『組長が殺されると、次期組長が前組長の敵を討つ』という掟を実行した可能性が濃厚でした。
紅塵会はハダリに殺された組長の敵討ちとして、ロクス・ソルス社の関係者を殺したのです。

トグサとバトーは「話を聞くだけ」と約束をして紅塵会に乗り込みますが、バトーは派手に暴れて新組長以外を全員殺してしまいました。

大勢殺したにも関わらず、荒巻はなぜか説教だけで済ませます。
トグサはバトーが約束を破ったことを怒り、無謀過ぎるバトーについて行けないと感じました。
全身義体で脳さえ傷つかなければ他はいくらでも替えが効くバトーと、ほとんど生身で自分の体を大事にしているトグサでは、身体に対する考え方が違うからです。

怒るトグサに、バトーは「ロクス・ソルス社と紅塵会に繋がりがあるかどうか確かめるためにあえて暴れたと打ち明けました。
この2つの組織に繋がりがあればロクス・ソルスは必ず動きます。
荒巻が説教だけで許したのも、バトーの狙いを理解していたからでした。

 

あらすじ⑤:ハッキングされたバトー


(イシカワに動きを制御されるバトー 引用:http://joaquin2010.hatenablog.com

その日の夜、『動き』は起こりました。
バトーはいつもペットフードを買う雑貨店でゴーストハックされて一般人を殺しかけますが、見張っていたイシカワ(仲野裕)に気絶させられて事なきを得ました。
※ゴーストハック…何者かに脳をハッキングされ、本人はハッキングされたことに気付かずにハッカーの思い通りに行動させられてしまうこと

バトーをハッキングした目的は、紅塵会を襲ったバトーを『狂った男』に仕立て上げることでした。
バトーが狂人認定されれば、警察は紅塵会がなぜ襲われたか調べる必要がなくなります。
言い換えると、犯人は警察に紅塵会を嗅ぎ回られるとまずいので、バトーに注意をそらそうとしたのです。

バトーをハッキングした犯人はロクス・ソルスの関係者で、ロクス・ソルスは暴力団と繋がって怪しい仕事をしていたことはほぼ確定です。

バトーがハッキングされたことは大きな手掛かりになりましたが、雑貨店で大暴れした件は9課にとって大打撃になりました。
事件を解決しなければ、危険因子とみなされた9課の存続が危なくなります。
9課は捜査を続行し、バトーとトグサはロクス・ソルス社のある北端の地へ向かいました。

 

あらすじ⑥:結末

イノセンス
バトーとキム ©2004 士郎正宗/講談社・IG, ITNDDTD

バトーをハッキング出来るハッカーはそうそういません。
犯人に目星が付いていたバトーは、元同僚で裏社会に生きるハッカーのキム(竹中直人)のアジトに行きました。

バトーとトグサはキムの屋敷で無限ループの罠にはめられますが、バトーは草薙素子からのサインを頼りに無限ループを抜け出して、死んだフリで逃げようとしてたキムを捕まえました。

尋問の結果、バトーをゴーストハックしたのはキムであり、キムはロクス・ソルス社に雇われていたことが判明しました。

ロクス・ソルス社の工場は海の中にあります。
バトーとトグサはキムを連れて潜水艦で工場の近くまで行き、バトーが1人で工場に乗り込みました。

トグサは潜水艦に残ってキムの監視と、バトーに必要な情報を伝えるバックアップをしていましたが、キムは隙を付いて工場にウィルスをバラ撒いて自殺してしまいました。

工場に眠っていた無数のハダリの在庫が動き出し、工場内の人間に誰彼構わず襲いかかります。
バトーはハダリとの戦いの最中、助けに来てくれた草薙素子と再会します。

工場の1番奥に並んでいたのはゴーストダビング装置という違法マシンでした。
それは魂をコピーして複製を作るための特殊な装置で、同じ人物にダビングを繰り返すと、魂が消耗してやがて廃人になってしまう危険なマシンです。

ロクス・ソルス社は紅塵会が拉致した少女達の魂を複製し、『特別仕様のハダリ』に入れて闇販売していたのです。
少女達は何度もゴーストダビングされ、廃人になると殺されていました。

ハラウェイのラボで聞いた『助けて』というボイスメッセージは、拉致された少女からのSOSだったのです。
出荷検査官の家で見付けた写真の少女は、紅塵会に拉致されロクス・ソルス社に監禁された女の子でした。

ハダリの持ち主たちを殺していたのは拉致された女の子たちで、女の子たちは殺人事件を起こし続ければ、いつか誰かが気付いて助けに来てくれると信じて犯行を繰り返していたようです。
(拉致された少女たち数人が結託して殺人事件を起こしていたと思われます)

助けた女の子が「私は人形なんかになりたくない!」と犯行動機を泣き叫ぶのを聞いたバトーは不快に感じ「人形が可哀想だろ」と叱ってしまいました。
※バトーは全身義体化していて脳以外は人形で出来ているから少女の発言が不快だったようです。

事件の真相がわかると、素子はバトーに『いつも見守ってる』と言い、再びネットの世界に消えていきました。

事件が解決した後、バトーは初めてトグサの家族に会いました。
バトーはトグサの娘を見ても可愛いとは思えませんでした。
トグサが娘にプレゼントした人形の目を通して、素子がバトーを見守っています。

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  1. 匿名 より:

    非常にわかりやすく読みやすいいい記事でした

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