「クラッシュ」(2004)ネタバレ解説|キャラ別にストーリーをまとめました | 映画の解説考察ブログ - Part 2

「クラッシュ」(2004)ネタバレ解説|キャラ別にストーリーをまとめました

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クライムドラマ

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白人主婦ジーン(サンドラ・ブロック)

クラッシュ

©2004 Apollo Pro Screen GmbH&Co.Filmproduction KG.All Rights Reserved.

ジーンは検事のリック(ブレンダン・フレイザー)の妻です。

その日、ジーンとリックは外食した帰りに、黒人の若者2人組(ピーターとアンソニー)に銃を突き付けられて車を盗まれました。
リックの車は今流行りの黒の高級SUV、フォード社製のリンカーンナビゲーターでした。

被害届を出して帰宅したジーンは、すぐ業者に連絡して自宅のカギを全て交換します。
車を盗まれた時に自宅のカギも一緒に強盗に渡してしまったからです。 

その後業者が来てカギ交換が行われますが、ジーンは業者の男ダニエルの風貌を見ると、リックに「明日の朝カギを交換し直して!あの男は鍵を交換したあと悪い仲間に合鍵を売るに決まってる!」と喚きました。

リックが黒人に車を盗まれた事件はニュースで世間に知られています。
リックは好感度が下がる可能性を恐れ、誰でも良いから黒人に賞を与えることにしました。

翌日の夕方。ジーンは仕事中のリックに電話して「最近イライラしっぱなしなの。どうすれば良い?」と感情をぶつけますが、リックは忙しくすぐに電話を切ってしまいした。
その直後、ジーンはうっかり階段から転落して動けなくなりました。

助けを呼びたいですが、もうリックは電話に出てくれず、友人は「ショッピング中だから」と相手にしてもらえませんでした。
ジーンは仕方なく仕事を終えて帰った家政婦マリアに電話してみると、マリアはすぐに駆け付けて救急車を呼び、病院にも付き添ってくれました。
ジーンは今まで気分次第でマリアの家事に文句をつけたり冷たくすることが多かったので、マリアに今までの態度を謝りました。

 

黒人チンピラのアンソニーとピーター

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黒人のアンソニーピーターは、盗みで生計を立てている若者2人組です。
アンソニーは『コワモテの黒人』というだけで避けてくるタイプの白人が大嫌いで、いつも社会の不満ばかり漏らしています。
一方でピーターは盗人らしからぬピュアな心の持ち主の家出少年で、刑事グラハムの弟です。

その日、アンソニーとピーターは街中で有名検事リックと妻ジーンの車(フォード社製のリンカーンナビゲーター)を強盗しました。
盗難車を売る車屋に向かう途中、会話に熱中し過ぎた2人は前方不注意で中国人男性チョイを轢いてしまいます。
チョイは大けがしていますが生きていたので、2人は迷った末にチョイを車に乗せて最寄りの病院の前で降ろして逃げました。

その後、2人は車屋に車を売ろうとしますが、店主ルシアンに「血だらけの車はいくら高級車でも買えない」と拒否されてしまいました。

翌朝。ピーターは「盗みをやめて普通の生活がしたい」と言いますが、アンソニーは「白人至上主義の社会で黒人がまともに暮らすなんて無理だ」と話を聞きませんでした。

その後、ルシアンに「リンカーンナビゲーターを盗み直してこい」と命じられた2人は街に出て車を強盗しようとします。
その車に乗っていたのは黒人テレビディレクターのキャメロンで、キャメロンは2人が強盗だとわかるとアンソニーに襲い掛かって思い切り殴りつけました。

警察が近づいてくるとピーターは慌てて逃げて行き、キャメロンとアンソニーは車で逃げようとしますが、行き止まりに追い込まれました。
すると、キャメロンはアンソニーが持っていた銃をポケットに入れて車から出ていき、警察と話し始めました。

数分後、キャメロンはアンソニーを乗せたまま車を発進させて警察から離れました。
キャメロンはバス停の前で停車すると、アンソニーに銃を返して「お前の行為は黒人全体の品格を貶めている」と言い、車から降ろしました。

アンソニーはバスに乗りながら、昨日轢いた中国人チョイのバンが気になってチョイを轢いた場所に行ってみました。
バンは昨夜と同じ場所に停まっていて、車のカギは運転席のドアに刺さったままになっています。
アンソニーがバンを運転し始めると、荷台の方から物音が聞こえました。

アンソニーがトランクを開けてみると、中には不法入国者と思われるアジア人十数人が乗っていました。
チョイは人身売買の関係者だったのです。
アンソニーはアジア人達を売ってしまおうかとも思いましたが、キャメロンの言葉を思い出してやめました。

その後、アンソニーはアジア人たちをロサンゼルスの街に解放すると「良い奴」になった気になり、ご機嫌でバンに乗り込みました。

一方、アンソニーとはぐれたピーターは、このまま逃亡の旅に出ることにしてヒッチハイクをし、たまたま通りかかったトムに拾ってもらいました。
ピーターはトムが警察官であることを知りません。

トムと楽しく会話をしていると、ダッシュボードにピーターがいつも持ち歩いている『聖クリストファー』のマスコットが飾られていたので、ピーターは笑ってしまいます。
すると、トムが気分を害して「車から降りろ」と言い出したので、ピーターは慌てて誤解を解こうとしましたが、銃を持っていると勘違いされて撃たれて死んでしまいました。




白人警察官ライアン(マット・ディロン)

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ライアンはロサンゼルス警察署で勤続17年のベテラン警察官です。
彼は白人至上主義者で、白人以外を差別する傾向がありました。

その日の夜。相棒のトムと街のパトロールをしていたライアンは、休憩中にかかりつけの保険会社に電話しました。
ライアンは同居している高齢の父親の体調が数か月前から悪くなり、保険会社に紹介された病院にかかっていましたが、処方薬を一カ月飲んでも症状が改善せず、苦しみ続ける父の介護でライアンは疲れ果てていました。

ライアンは保険会社の担当者に「別の病院を紹介してほしい」と頼みますが、担当者のアフリカ系女性シャニクアは「その程度では難しいです」としか答えません。
頭に来たライアンはシャニクアに差別的な言葉を連発してしまいました。

仕事に戻ったライアンは、盗難車情報に上がったリンカーンナビゲーターに乗っていた裕福な黒人夫婦(キャメロンとクリスティン)が運転中にイチャイチャしているのを見ると頭にきて、夫婦に悪質な職務質問を行いました。

その日の夜、ライアンは今夜も父親が心配でろくに眠れませんでした。
翌朝、ライアンは保険会社に行ってシャニクアに謝ってから改めて「父の病院を変えて欲しい」とお願いしますが、シャニクアの怒りは収まりません。

するとライアンは父親の半生を語ります。
ライアンの父は若い頃に清掃会社を立ち上げ、従業員には有色人種を積極的に雇って30年以上仲良く働いてきましたが、数年前に定められた『マイノリティーに経営権を委譲する法律』の影響で会社は倒産し、妻(ライアンの母)に離婚されてしまった過去がありました。

ライアンは、父を人生のどん底に追い込んだ『マイノリティー(白人以外)』が大嫌いで、それがライアンの差別意識の始まりでした。
シャニクアは「お父様が立派な方なのはわかりましたが、あなたとはたとえ仕事でも話したくありません」と拒絶しました。

その後、出勤したライアンはトムから相棒を解消されたことを知ります。
相棒解消の原因が差別行為だということはライアン自身も気付いていました。
ライアンはトムに「お前は若いからまだわからないだけだ」と言い残し、新しい相棒のゴメスとパトロールに出ます。

数時間後。ライアンに交通事故の情報が入ったので現場に駆け付けると、道路で1台の車が転覆していて、中に黒人女性が1人閉じ込められていました。
ガソリンも漏れていて危険な状態です。

ライアンが女性を助けようとすると、女性はライアンを見るなり「お前にだけは助けられたくない!」と暴れだしました。
その女性は、昨夜ライアンが悪質な職質を行った夫婦の妻クリスティンでした。

ライアンはクリスティンをなだめながら命がけで彼女を救出します。
クリスティンはレスキュー隊員に引き渡されると、振り返ってライアンに感謝のまなざしを送りました。

 

ヒスパニック系の修理屋ダニエル


(引用:https://beyondstructure.com

ダニエルは最近ロサンゼルスに越してきた鍵の修理屋で、ヒスパニック系の男性です。
ダニエルはスキンヘッドにタトゥーもあって見た目は強面ですが、真面目で誠実で、5歳になる一人娘のララを大切にする良い父親でした。

その日の夜、ダニエルは会社からの指示で検事リックの自宅のカギの交換に行きました。
いつものように仕事していると、リックの妻ジーンがダニエルにも聞こえるような大声で「明日の朝またカギを変えて!あの男(ダニエルのこと)、家から出たら合鍵をコソ泥に売りさばくに決まってる!」と怒鳴りました。
ダニエルは気分を害しながらも素早く仕事を終え、黙ってジーンに合カギを渡して帰宅しました。

ダニエルが帰宅すると、ララは外から銃声が聞こえて怖くなったらしくベッドに下に潜り込んでいました。
ダニエルは、子どもの頃に妖精からもらったという『銃弾も通さない透明マント』の作り話をララに聞かせます。
そして「このマントはもう俺には必要ないから、ララにあげる。
ララが大人になって子どもが出来たら、次は君がその子にマントをあげるんだよ」と言い、透明マントを脱ぐ素振りをしてララに着せてあげました。
ララはダニエルの話を信じ、安心して眠りました。

その後、ダニエルは会社から出勤してほしいと言われて再び仕事に出かけます。
そこはペルシャ人のファハドと妻シェリーンの一家が経営する個人商店でした。

ファハドは「鍵が壊れてドアが閉まらないから鍵を直せ」と言いますが、見てみるとドア自体が経年劣化で歪んでいて、ドアを交換しなければ直らない状態でした。
ダニエルはファハドに「壊れているのは鍵ではなくドアだ」と言いますが、ファハドは「早く鍵を交換しろ」の一点張りです。

ファハドは罵声も浴びせてくるので、頭に来たダニエルは鍵を交換せず持ってきた誓約書をゴミ箱に投げ捨てて店を出ました。

その日の深夜。ファハドの店は強盗の被害に遭います。
店舗の保険に入っていたのでファハドは保険金をもらおうとしますが、保険屋の男は「あなたは修理工からドアを交換するように言われたのに無視してる。
そうなると、防犯対策しなかったあなたの落ち度になるので保険金は払えません」と告げて帰ってしまいました。

ショックを受けたファハドはダニエルを恨み、ダニエルが捨てていった書類と電話帳でダニエルの住所を突き止めると、買ったばかりの銃を持ってダニエルを待ち伏せします。
夕方頃にダニエルが帰宅すると、ファハドは銃をだして「お前のせいで店が強盗にあい、保険金ももらえなかった!代わりにお前が弁償しろ!」と怒鳴り散らしました。

ダニエルが銃を向けられているのを見たララは「パパは透明マントを着てない!」と叫び、全速力でダニエルに抱き着きました。
その瞬間、驚いたファハドはララに向けて引き金を引いてしまいます。

ダニエルはショックで叫び声をあげますが、よく見るとララはなぜか無傷でした。
ダニエルはララを抱いて急いで家に逃げ込みます。
ララは「このマント本物なんだね!」と笑顔です。
ファハドはなぜララが無傷だったのかわからず、呆然とするばかりでした。

その後、自宅に帰ったファハドは娘のドリに今日の出来事を打ち明けると、ドリは「きっと神様のご加護よ」とほほ笑みました。
実は、ファハドが銃を持つことに反対だったドリは、ファハドに内緒で空砲を買わせていました。
英語を読むのが苦手だったファハドは、空砲を買わされたことに気付かなかったのです。
ファハドは自分の行いを深く後悔しつつ『神の奇跡』に感謝しました。

 

解説・考察は次のページです。




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