映画「ルーム」あらすじ結末ネタバレ・感想評価

ルーム

原題:Room
制作年:2015年
本編時間:118分
制作国:カナダ、アイルランド、イギリス、アメリカ
監督:レニー・エイブラハムソン
脚本:エマ・ドナヒュー
原作:小説/エマ・ドナヒュー『部屋』
関連:フリッツル事件

ルーム|出演者・キャスト

ジョイ・ニューサム/ママ(ブリー・ラーソン) ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ) オールド・ニック(ショーン・ブリジャース) ナンシー/ジョイの母親(ジョアン・アレン) レオ/ナンシーの恋人(トム・マッカムス) ロバート/ジョイの父親(ウィリアム・H・メイシー) ミッタル医師(キャス・アンヴァー) パーカー巡査/女性警官(アマンダ・ブルジェル) グラボウスキー巡査/男性警官(ジョー・ピングー) インタビュアー(ウェンディ・クルーソン) 弁護士(ランダル・エドワーズ) ほか

ルーム|あらすじ紹介

2008年に発覚したフリッツル事件を基に書かれた小説を映画化した作品。
5歳の誕生日を迎えたジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)は生まれた時からずっとママと2人きりの”部屋”で暮らしていた。部屋の扉はオールド・ニックがやって来るときにしか開かず、ジャックは部屋の外は宇宙だと信じていて部屋から出てみたいと思ったこともなかった。
ジャックの誕生日から数日たったある日、ママ(ブリー・ラーソン)は「ママとジャックはここに監禁されている。外には本当の世界がある」と語り、ママは混乱するジャックを無理やり説得してジャックを部屋から出すことに成功し、無事に2人は警察に保護され解放された。
だが普通に暮らし始めてからもジャックは、ママとずっと一緒に居られた”部屋”に戻りたいと思っていた。

ルーム|鑑賞者たちの感想・評価(5点満点)

出典:Filmarks

focenokanom0928の感想・評価|3.6
冒頭から息苦しい。監禁から自由の身になったのに、息苦しさがつきまとう。親子愛がテーマながらも、母親の葛藤がメインといった感じ。子どもに救われる。

 

たくやの感想・評価|3.7
観終わった後は、スーッと心に残る。
監禁後の心情や周りの反応がリアルだと思った。前半と後半でガラッと変わる展開も楽しめた。
何といっても、子役の演技力は半端ない!
ただ観る前にハードルを上げすぎたなー

 

interlopの感想・評価|4.0
予告の印象と違って、生々しい事件の話だった。
でも、5歳児の主観を軸に語られるから、本当の暗部は描かれない。
5歳児のとても極端な繊細さは辛いが、反面、驚くほどの逞しさに救われる。

 

naruの感想・評価|4.4
こんなにセリフが頭に残る映画は初めてかも。ジェイコブトレンブレイの演技が演技とおもえなかった。ジャックと祖母の2人だけのやりとりが凄い良かったし、インタビューでのシーンは特に印象的やった。
馴染んでいくジャックと真逆な母親、ジャックを見れない祖父、ラストシーン、全部よかった。残酷な映画だけど、観るべき映画だと思う。

 

以降はあらすじ詳細でネタバレ含みます。
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あらすじ詳細①起

5歳の誕生日を迎えたジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)は母親ジョイ(ブリー・ラーソン)の隣で目覚めた。ママを起こし、部屋にあるテレビや電子レンジなどに挨拶をした。ジャックとママの住む部屋の広さは約8畳。部屋には天窓が1つあるだけで、窓はなく、扉はいつも閉ざされている。
ジャックは生まれてから1度もこの部屋の外に出たことがない。母親と一緒に監禁されているのだ。だがジャックは監禁されていることを知らない。ジャックはママに遊んでもらえないときは、テレビから得た知識などから様々な妄想をして遊んだ。
朝食を済ませ、ジャックはママから渡されたビタミン剤を飲んだ。
※2人は太陽に全く当たっていないため、薬で必要なビタミンを補っていた。
部屋の中で体操や運動を一通り済ました後、ママジャックのバースデーケーキを作ることにした。材料を混ぜてケーキを焼き、ママはクリームを塗ったケーキの表面に”5”と書いてジャックの前に出した。
ジャックはケーキに立てるロウソクを欲しがり「”日曜の差し入れ”に頼んでよ」と言った。

”日曜の差し入れ”が、2人が外から食料や日用品を受け取れる唯一の機会だった。
ママは「面倒な物は頼めないの。ごめんね。ケーキを食べましょう」と言ったが、ジャックは駄々をこねて食べなかった。ママはジャックを抱きしめ、ジャックはしょぼくれながら「6歳になったらオールド・ニックにロウソクを頼んでね」と言った。

その後、ケーキを半分食べてから2人は洗濯物と一緒にお風呂に入り、洗濯ものを部屋に干した。ママジャックをクローゼットの中にある専用のベッドに入れて、歌を歌ってジャックを寝かしつけてクローゼットの扉を閉めた。
静かな部屋の中で、ジャックはクローゼットの向こうからオールド・ニック(ショーン・ブリジャース)の声が聞こえ、彼が部屋に来たことに気が付いた。ジャックは彼の声に耳を澄ませた。

オールド・ニックはテーブルの上のケーキを見て「言えばプレゼントをやったのに。いくつになった?4歳か?」と言いながらズボンを脱いでママに近づき、2人の姿は見えなくなった。
ジャックは「5歳」とささやき、数を数えて眠りが訪れるのを待った。だがなかなか眠れず、テレビで見た動物たちや景色が本物か偽物かを考えたり、ラッキーという名前の犬をいつか飼うことを想像し、やがて眠りについた。

翌朝。ママは朝食のリンゴを食べて虫歯が抜け、不思議がるジャックに虫歯を渡した。
その後、ママが昼寝をしている間、ひとり妄想で遊んでいたジャックの前にネズミが一匹現れ、ジャックは目を輝かせた。
ジャックがケーキのかけらでネズミをおびき寄せて触ろうとしたとき、ママが突然本を投げてネズミを潰し、アルミホイルに包んだ。ジャックは「友だちを潰した!」と抗議したが、ママは「ネズミは食べ物を盗むし、かみつくし、菌まみれなのよ」とジャックを諭した。
それでもジャックは収まらず「なぜオールド・ニックに僕の誕生日を言わなかったの?プレゼントをもらってないよ」と言った。
ママは「彼は友だちじゃないし、何もくれないわ」と答えた。ジャックが「ラッキーをくれたかもしれないのに!」と怒りだすとママもカッとして「この部屋じゃ狭すぎて犬は飼えないし、ラッキーなんていないの!」と言ってしまい、ジャックは泣き出した。
ママはジャックを抱き上げて謝ったあと、ため息をついた。

数日後の朝。ジャックが目を覚ますと、テーブルの上にはプレゼントのラジコンが置かれ、浮かない表情のママが座っていた。ジャックは大喜びでラジコンで遊んだ。
その後、ジャックとママは大声で叫び声を上げ、エイリアンを呼ぼうとした。だが部屋には誰も来ず、2人はさらに力いっぱい叫んだ。

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その日の夜、オールド・ニックが部屋に食べ物を持ってきた。ジャックはクローゼットの中から2人の様子を見ていた。オールド・ニックは「ラジコンは気に入ったか?男の子だからな」と言い、ママは質問には答えずに食料品を確かめて「ビタミン剤がないわ」と言った。
オールド・ニックは「そんなものは金の無駄だ。もっと俺に感謝したらどうだ」と言い、ママは彼が怒りそうになったので「ありがとうございます」と返した。
その後、オールド・ニックは失業していてお金に余裕がないと話し、が「職探しはしてるの?」と聞くと怒って怒鳴り声をあげ、ジャックはびっくりして音を立ててしまった。

音に気が付いたオールド・ニックは「キャンディ食うか?」とクローゼットに近づいて声をかけた。
ジャックが扉を開けようとしたとき、ママは強引にオールド・ニックをベッドに誘い、オールド・ニックは服を脱いでベッドに行った。
しばらく経って部屋には寝息が響き始めた。眠れなかったジャックはそっとクローゼットから出て、母親のベッドで寝ているオールド・ニックを見つめた。
するとオールド・ニックが目を覚ましてジャックに声をかけた。その瞬間、ママは飛び起きて「この子に触らないで!」とオールド・ニックを突き飛ばし、怒ったオールド・ニックはママに暴力をふるった。ジャックは急いでクローゼットの中に戻り、静まるのを待った。
オールド・ニックは「今度同じことをしたら殺してやる。あいつが誰の子か忘れるな!」と怒鳴り、ママは「あの子に触らないで」と訴え続けた。
オールド・ニックが部屋から出ていくと、ジャックはすぐにクローゼットから出てきて「ごめんなさい。もう二度としないから」と泣きじゃくりながらママに謝った。ママはジャックを抱きしめた。

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あらすじ詳細②承

翌朝。ジャックは目を覚まし、ママの首にできていたアザをなでた。ジャックが息を吹くと白い息が出て「ママ見て。僕ドラゴンみたい」と感動した。

ママは天窓に雪が付いているのを見て、部屋の暖房をつけようとしたが電源はつかなかった。オールド・ニックに電気を切られた。ママは番号式のカギがつけられた鉄の扉を開けようとしたが扉は開くはずもなく、仕方なくクローゼットから毛布を引っ張りだした。
ジャックは”不思議の国のアリス”の本を朗読し、ママは火を使わなくてすむ朝食を作った。朝食を食べながら、ママはジャックに”壁の向こう側”の話をした。
ジャックは壁の向こう側を宇宙だと思っていたが、ママは「それはあなたがまだ幼いから理解できないだろうと思ってママがついたウソなの。本当は壁の向こうには世界がある。もう賢くなったからわかるはずよ」と教えた。ジャックが理解できずにいると、ママは「オールド・ニックは食べ物をどこから持ってくると思う?」と聞いた。
ジャックは「テレビから魔法で取り出すんだ」と答えた。ママは「魔法なんてない。テレビで見る人や物は全部本物なのよ。海や森や猫や犬もみんな本物なの」と説明した。
ジャックは「テレビに入りきらないよ」とわからない様子だった。ママはジャックを抱き上げて、天窓に近づけて、天窓についた枯れ葉を見せたが、ジャックは「葉っぱは緑のはずだし、犬や猫はいないよ。ママの話はウソだ!」と信じなかった。
それでもママは「これはウソの反対なの!5歳の子には本当のことを話すからママを助けて!」とお願いしたが、ジャックは「4歳に戻りたい」とすねてしまった。
ママは諦めずに自分が以前は両親と住んでいたことや、17歳の時にオールド・ニックに誘拐され、彼の本名すら知らないことを話したが、ジャックは「他の話がいい!」と拒絶した。ママは真剣に「あなたはこの話を知らなければいけない!」と言うとジャックは黙ってママを見つめた。
ママはオールド・ニックに納屋に閉じ込められていて、ここがその納屋であること、カギを開ける番号は彼しか知らないこと、ここに7年間閉じ込められていることを話したが、ジャックは涙を流しながら「この話つまらない!」と叫び、ママは落胆してイスに座った。
ジャックは「僕は”世界”なんて信じない!」とママをにらみつけ、ママは悔し涙を流した。

翌朝、電気は復活した。ジャックは喜んでママに報告したが、ママはふさぎ込んでしまって返事もしないしベッドからも出てこない。

ジャックはひとりで食事を準備して、ひとりで遊んで、オールド・ニックからもらったラジコンを分解して捨てた。ママがベッドから出てこない日はしばしばあり、ジャックはあれから考えて、それがオールド・ニックのせいだったとわかったのだ。
夕方になり、ようやくママはベッドから出た。ジャックはテレビを見ながら、カメやサメが本物かどうか聞いた。ママは「本物よ。カメは飼ったことがあるわ」と答え、ジャックが外の世界を信じ始めていることを喜んだ。
ママはジャックがラジコンを捨てているのを見つけたとき、ジャックは「オールド・ニックを蹴飛ばしてやる!」と言った。

ママはジャックの隣に座り「前に試したことがあるの。前はトイレに重たいフタがついてて、それで思いきり叩いたの。でも失敗した」と言った。
ジャックは「あいつが寝ている間に殺せばいい」と言ったが、それだと扉のカギの番号がわからないため難しかった。またオールド・ニック以外は誰も2人がここに居ることを知らないので、助けを待つのも無駄だ。
ママは5歳の息子が、次第に状況を理解してくれているのを見て、ジャックと外に出る作戦を決行することにした。ママはお湯を沸かしながらジャックに作戦を説明した。

昨日、電気を止められて寒かったためにジャックが高熱を出したことにして、オールド・ニックを説得して病院に連れていかせる。ジャックはポケットに助けを求めるメモをしのばせておいて、病院についたら医者にそれを渡すのだ。
作戦を聞いてジャックは「6歳になってからにしよう。せめて明日がいい」と怖気づいた。だがママは「電気が消されてた次の日の今日じゃなきゃダメなの」と言った。
ジャックはポケットにメモと一緒にママの虫歯を入れた。
夜になり、オールド・ニックが来る時間が近づいた。ジャックをベッドに寝かせて熱いタオルで顔を温めると、ジャックの顔は赤く熱くなり、ママはベッドの周りに嘔吐してベッドを臭くし、いかにも病気っぽさを出した。

やがてアラームが鳴り、カギの開錠音が聞こえてオールド・ニックが部屋にやってきた。ジャックはひたすら壁のほうを向いて寝て大人しくしていた。オールド・ニックはジャックの顔を触って病気だと信じたが「明日薬を持ってくる」と言っただけだった。
ママは必死で「薬を飲ませても吐いてしまう。お願いだから病院へ」と懇願した。それでもオールド・ニックは「とびきり強い薬を買ってくる」と言って出ていってしまった。扉の施錠音がむなしく鳴った。
オールド・ニックが帰った後、ママは悔し涙を流して次の作戦を考えた。

次の日。ママは次の作戦をジャックに伝えた。ジャック病気で死んだことにして外に運ばせるという作戦だ。
「病気のフリより難しいけど、あなたには出来るわ」とママは言った。
その日は一日中、ママは何度もジャックをカーペットに巻いて、運ばれることに慣れる練習、ジャックが身体をくねらせてカーペットから転がり出る練習をした。

「力を抜いちゃだめ。ロボットのように固くなるの」

「あいつはトラックであなたを運んで、あなたを捨てる場所を探すはず。車が止まったらカーペットから出て、トラックから飛び降りて、最初に見た人に助けを求めてママの名前はジョイ・ニューサムだって言うのよ」

ママはジャックに何度も説明した。ジャックは「捨てられる」という言葉を聞いて怖くなり「ママなんか嫌いだ!」と叫んだ。ママはジャックをなだめながら簡単な言葉で作戦を覚えさせた。

「トラック、転がる、ジャンプ、走る、誰か」
オールド・ニックの来る時間が近づいた時、ジャックは「ママはどうするの?」と聞いた。ママは「虫歯がママの分身、お守りよ」と言いジャックを抱きしめた。ジャックはママの虫歯を口の中に入れた。

やがて足音が聞こえ、ママは急いでジャックをカーペットで巻いた。オールド・ニックは抗生剤を持ってやってきたが、カーペットを見て不穏な空気を察した。
ママは「あのあと夜中に様子がおかしくなって、目を覚まさなくなった。あなたが殺したのよ!」と迫真の演技を見せた。

オールド・ニックは動揺して「見せてみろ。もしかしたら生きてるかも」と言ったが、ママは「触らないで!あぁ、この子と一緒にいるのが辛い。どうかこの子を外に出してやって、どこか埋める場所を探して。大きな木の下がいい。埋めるときも、この子には絶対に触らないと誓って!」と泣き叫んだ。
オールド・ニックは「わかった。わかったから騒ぐな」と言い、カーペットごとジャックを持ち上げて外に運びだした。部屋のカギが閉まり、ママはジャックの無事を祈った。

ジャックはママの言った通り、トラックの荷台に乗せられた。オールド・ニックが車を発進させると、ジャックは頭の中で何度も作戦を繰り返し、体をくねらせてカーペットから出た。

ジャックの視界からカーペットがなくなった時、広い広い青空がジャックの目の前に広がり、ジャックは驚きでしばらく固まった。
やがて車は信号で停まり、ジャックはふらつく足取りでトラックから転げ落ちた。ジャックが生きていたことに気が付いたオールド・ニックは悪態をついてすぐに車を停止させ、ジャックを追いかけた。
ジャックは逃げるのに必死で、助けを求めるのを忘れて犬を散歩させている男性とぶつかって転んでしまった。男性は振り返り「お嬢ちゃん、大丈夫かい?」とたずねた。
※ジャックは髪が伸びっぱなしで長かったため、女の子と間違えられた。
同時にオールド・ニックがジャックを捕まえて「大丈夫ですから」と言いジャックを引きずって連れていこうとした。ジャックは声を振り絞って「助けて」と言いながら、ポケットのメモを男性に渡そうとした。
オールド・ニックはジャックからメモを奪い取り、無理やり連れていこうとしたが、「ママ!」と叫ぶジャックの様子を見て男性は不審がり「この子をどうしたんだ?警察を呼ぶぞ!」と声を荒げた。
オールド・ニックは仕方なくジャックを芝生の上に放り投げて車で逃げていった。男性はジャックに駆け寄って「大丈夫?怪我はしてない?今助けを呼ぶからね」と警察に通報した。
ジャックは恐怖と痛みで喋ることも動くこともできなくなり、男性から上着を掛けてもらってその場にとどまった。ジャックが初めて触る枯れ葉の感触を確かめていた時、パトカーで女性警官(アマンダ・ブルジェル)が駆けつけた。
「あなたを助けに来たのよ。名前を言える?」と言われてようやくジャックは自分の名前が言えた。通報してくれた男性はオールド・ニックの車の特徴をもう1人の警官に伝えた。

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ジャックはパトカーに乗せられ、男性警官(ジョー・ピングー)が運転席に座り、女性警官がジャックの隣に座って質問した。
警官「ジャック、あなたには他の名前はある?」
ジャックは答えられなかった。
警官「あなたは自分が何歳かわかる?」
ジャック「5歳」
警官「住所は言える?」
ジャックは答えられなかった。
警官「あなたにママはいるの?」
ジャックはママの虫歯を口から取り出して「ママの一部」と答えた。警官が歯をよく見ようとするとジャックは拒否した。
警官「ママはどこにいるの?」
ジャック「部屋にいる」
警官「どこの部屋?」
ジャックはわからなかった。
警官「ママの名前は言える?」
ジャックはいつも”ママ”と呼んでいたので、ママの名前が言えなかった。

パトカーが発進し、女性警官は質問を続けた。
警官「部屋の外はどんな感じか覚えてる?」
ジャック「へやの外は宇宙。じゃなくて、世界だ」
警官「変な子だ。母親がカルト系の可能性があるな。歯に長い髪・・・」
警官「部屋の外に何があったか覚えてる?知らない?」
ジャック「ドアが開かないの」
警官「部屋に光は入る?窓はあるの?」
ジャック「ない。天窓がひとつだけ」
警官「それは良いヒントだわ。天窓のある家なのね」
ジャック「家じゃない、へや。へやは納屋だってママが言った」
警官「もう寝かせたらどうだ?」
警官「もう少しだけ。どうしてトラックからジャンプしたの?」
ジャック「ママがトラックがゆっくりになったときにジャンプしろって」

女性警官は大体の状況を把握し、ジャックが保護された場所の周辺の天窓のある小屋と、赤いトラックがある家を捜索するよう無線で本部に伝えた。
男性警官は「信じられん」とつぶやいた。
本部からの応答があり、ジャックを乗せたパトカーはUターンして天窓付きの納屋のある家に向かった。ある家の前に着くと女性警官が1人パトカーから降り、ジャックはパトカーの周りをあわただしく動く警官たちを見つめた。
しばらくして、奥の方からママが警官に連れられて出て来た。ジャックはママを見て騒ぎ、ママもジャックを見付けてパトカーに駆け寄り、2人は抱き合った。
そのまま2人はパトカーに乗せられて、ジャックは「ベッドに入りたい」と言った。ママは「眠れる場所へ連れてってくれるわ」と答えた。だがジャックは「”へや”のベッドで寝たい」と言い、ママは無言でジャックを抱きしめた。

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あらすじ詳細③転

翌日、ジャックは病院の個室のベッドで目が覚め、隣にはママが寝ていて安心した。部屋はカーテンが開けられていて、外のまぶしさでジャックは目が痛くなった。

部屋の明るさに慣れ、ジャックがそっとベッドから出て窓から外を見ると、ジャックたちは病院の上の方の階にいるらしく、窓から景色が見下ろせた。その景色に足がすくみ、急いで布団に戻ってママを起こした。
ジャックはママに「ここは他の惑星なの?」と聞いた。ママは「場所が違うだけよ。ここは病院なの」と答えた。
ジャックは「いつまでここにいるの?」と聞き、ママは「病院が良いと言ったら帰れる。ばぁばが迎えに来てくれるわよ。じぃじも飛行機で駆けつけてくれる」と笑顔で答えた。
ジャックは突然環境が変わったことから、いつもはしないおねしょをしてしまった。ママがジャックのパンツを脱がせ、ゴミ箱に捨てるとジャックは「もう捨てるの?もったいないよ。」と言った。ママは「新しいのを買えばいいわ。もうあいつに頼まなくていいんだから」と答えた。

ジャックは「あいつは僕らを見付けるかな?」と聞いた。ママは「二度と見つかることはないから大丈夫よ」と答えた。

 

病室に備え付けのシャワーを浴びて落ち着くと、部屋に医者(キャス・アンヴァー)がやってきた。医者はミッタルと名乗り、ジャックに挨拶して話そうとしたが、ジャックは警戒して何も話さなかった。
ミッタル医師は部屋に朝食のパンケーキとフルーツを運んできてくれた。ママはジャックに食べるようすすめたが、ジャックは拒否してママにしがみついたまま離れない。
医師は2つのサングラスと、ジャックに日焼け止めとマスク、ジョイに痛み止めと睡眠薬を渡した。
ジャックは生まれてから一度も外に出たことがないため、雑菌に対する免疫が出来ておらず、マスクは必須だと医師はママに説明した。日焼け止めは、突然素肌で日光に当たると危険なため。
鎮痛剤は、ママがオールド・ニックにひねられた手首が痛むため。睡眠薬は眠れない時用だった。
医師は続けてママに「今朝の提案はどうかな?」と聞いた。ママは「考えてみた。感謝はしているけど、今は早く家に帰りたい」と医師に断りを入れた。
医師は「あなたたちは大変な経験をしてきた。ジャックには特に負担が大きい。」と言い、説得を試みた。ママは「この子は普通に育ったわ」と返した。医師は「わかってる。でも子供はプラスティックのように柔軟だから」と言ったとき、ジャックはママに「僕はプラスティックじゃない」とささやいた。
医師がしゃがんで話そうとしたがジャックは顔をそむけた。医師は「君は勇敢だ」とジャックに優しく言った。
※医師はジョイに、ジャックをしばらく病院に預けた方がいいと提案したと思われる。

そうこうしているうちに個室にママの両親、ジャックにとって祖父母が現れた。ママはベッドを離れ、泣いている父親ロバート(ウィリアム・H・メイシー)に抱き着いた。母親ナンシー(ジョアン・アレン)は「ごめんなさい。待ちきれなくて」と泣きながらミッタル医師に話し、ベッドに1人取り残され、うずくまっていたジャックに「娘を助けてくれてありがとう」と声をかけた。ジャックは顔を上げて自分の祖父母とママを見つめた。
ナンシーロバートは現在は離婚していて、ナンシーは新しいパートナーと暮らしており、ロバートは家から出て遠くに引っ越していた。

入院中、ジャックはサングラスとマスクをつけてママに連れられて警察に行き、病院のテレビのニュースでオールド・ニックが逮捕されたことを知った。ジャックはたくさんの人や階段や鳥や木を見て、世界に飽きることがなかった。また、世界の空気はいつも同じ温度やにおいじゃないことや、ドアは沢山あること、空気には菌が浮いていることを知った。
数日後、2人は退院できることになり、警察に車で自宅に送ってもらった。

自宅前には大勢の人やマスコミがジョイとジャックを待ち構えており、2人の姿を見て歓声が上がった。ジャックは大勢の人の声がうるさくて耳をふさいだ。ジョイはジャックを抱き上げて刑事に守られながら自宅に駆け込んだ。
2人が自宅に入ると、ナンシーの恋人のレオ(トム・マッカムス)が2人を出迎えた。ジャックはレオに気が付くと下を向いた。ジャックは家の中で初めての階段をなんとか下りてリビングのソファに腰かけた。
祖母ナンシーがジャックに飲み物は何がいいかたずね、ジャックはママの耳元で「ジュース」とささやいた。ママは2人に謝り、ジャックにちゃんと相手に返事をするように言った。
家には沢山のおもちゃが届いていて、ママは「あなたの無事をみんなが喜んでくれているのよ」と言った。ジャックには”みんな”が誰なのかわからなかった。
祖父ロバートが外から戻ってきて「弁護士は裁判するつもりでいたが、きっぱり断ってきた。家族のプライバシーを守るため、これ以上事件に関わらないし、供述もしない」と全員に話した。
休憩がすむとジャックは再び階段を上がり、ママが17歳まで使っていた部屋に入った。部屋は当時のまま残されていて、ジョイは懐かしさと安心感に包まれた。
ナンシーはジャックの長い髪が気になり「明日、髪を切ろうか?」と聞いたが、ジャックはママに「髪はパワーがあるから切らない」と返事をした。

部屋でしばらく休んだのち夕食になり、ジャックはみんなが食べている様子が奇妙に見えた。そして初めてアイスクリームを食べて頭が痛くなった。
静かな食卓で、ロバートは食事を途中やめして「もう寝る」と言い出した。ジョイは、やけにそわそわしていて自分の孫を見ようとしない父親の様子に気が付いて「何を急いでるの?少しジャックと話したら?」と言った。
ロバートは「疲れてるんだ」と言ったが、ジョイは「この子を見て!」と父親に言った。だがロバートは「だめだ。見られない」と言い、ジョイは傷つき、アイスに夢中になっているジャックからスプーンを取り上げ抱き上げて部屋に戻った。

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翌日、ロバートは自宅に戻っていた。ジャックはずらりと並ぶおもちゃにも興味を示さず、始終ママにべったりだった。ママは部屋でアルバムや日記を見返して、ジャックに学生の頃の写真を見せた。写真には3人の友人と並ぶ笑顔のママが写っていた。
ママは「この3人は普通の人生を生きてるのよ」とジャックに言い、顔を隠して泣き出した。ジャックはママがなぜ泣いているのかわからなかった。

家に弁護士(ランダル・エドワーズ)が来て今後の対策を話し合った。弁護士は「これからかなりお金が必要になります」と言い、ママにテレビ出演を勧めていた。大人たちの難しい話はわからず、ジャックはひとり遊びをして過ごした。
夜になり、ママは睡眠薬を飲み込んだ。ベッドに横になり、ジャックは「いつまでここにるの?」と聞いた。ママは「ずっとここに住むのよ」と答えた。

ある朝、ママが起きなかったので、ジャックは初めてママから離れて部屋の外に出てみた。階段の手前に出たところで人の声がしたのでジャックは座り込んで大人しくした。

声の主は同居人のレオと来客の男性だった。レオは来客が帰るのを見送って、階段の上にジャックがいることに気が付いた。ジャックは下を向いた。
レオはジャックが会談上でじっとしているのに気が付き、大きな声で独り言を言いながらキッチンへ向かった。

「さてと。お腹がすいたな。そうだ、台所においしいものがあったはずだ。だれか話し相手がいれば最高なんだけどなぁ」

ジャックはレオを追いかけた。
レオはとびきり美味しいシリアルを食べさせてくれ、彼が飼っている犬の話をして、いつか会わせると約束してくれた。ジャックも想像のなかでラッキーを飼っていたことをレオに話した。

2人が自宅に戻ってから10日目。ジャックはミッタル医師とも会話できるようになり、その日はミッタル医師の訪問診察で、ジャックは医師に頼まれて絵を描いて見せた。診察の場にママはおらず、祖母ナンシーが医師に謝りに来た。
医師は「まだ戻ってきたばかりだから仕方ない」とナンシーを慰めた。ママは帰ってきてからベッドでふさぎ込む日が続いていた。

ジャックはママの部屋でスマホでアニメを見ていた。ママはベッドで寝ていて、アニメの音に耐えられなくなって下に降りるよう言ったが、ジャックは部屋から出なかった。

イライラしたママは起き上ってスマホを取り上げ、ジャックを1階に連れていき、ずっと置きっぱなしになっていたおもちゃでジャックを無理に遊ばせた。
ナンシーがジョイに”やめなさい”の視線を送ると、ジョイは「教育上スマホを使わせたくないから二度と勝手に使わせたりしないで」と怒り口調で返し、ナンシーは同意した。
ジョイは泣きそうになりながら「私、変なの」と言うと、ナンシーは娘に寄り添って「あなたには休暇が必要なのよ」と励ました。だがジョイは「医者でもないのに勝手な事言わないで!」とヒステリックに怒り、ナンシーは「話にならない」と会話を終えようとした。
ジョイがすぐにあやまると、逆にナンシーは「口先だけね」と怒り出し、喧嘩が始まった。

ジョイ「そうよ。ママには私の気持ちがわからない」
ナンシー「話してよ、あなたの気持ちが知りたい」
ジョイ「・・・じゃあ言うわ。私がいなくても楽しく生きてたくせに!」
ナンシー「あんまりよ。人生を壊されたのが自分だけだと思ってるの?」
ジョイ「そう思ってるわ」
ナンシー「・・・とにかく、この子に優しくしなさい!」
ジャックは耳をふさいだ。
ジョイ「子育てに口出ししないで!優しくなくて悪かったわね!ママの教え通りあの男に優しくなんてしたから私は監禁されたのよ!」
ナンシーは返す言葉がなかった。

ジョイは何か行動を起こさなくてはと思い、マスコミの取材を自宅で受けることに決めた。
打ち合わせの時、インタビュアー(ウェンディ・クルーソン)は優しく「あなたの思うように話して。答えたくない質問には答えなくていい。すぐに質問を変えるわ」と言った。
ジョイはきれいに化粧してもらい、弁護士同席のもとでインタビューが始まった。ジョイは当時の状況を思い出して涙を流しながら受け答えをした。インタビュアーはジョイの様子を見て気遣いながらも、その質問は辛らつだった。

インタビュアー「監禁されている間、死にたいと思ったことは?」
この質問は弁護士に止められた。
インタビュアー「ジャックを生んで精神的に変わった?」
ジョイ「すべてが変わったわ。とってもかわいくて、この子を守ろうと決めたの」

ジャックはインタビューの様子をこっそり覗いており、ママの言葉を聞いて嬉しくなった。

インタビュアー「ジャックが大きくなったら父親のことを話す?」
ジョイ「”父親”は子どもを愛する人のことよ。あの男じゃないわ」
インタビュアー「そう考えるのはもっともだけど、生物学的な父親のことは?」
ジョイ「ジャックの親は私ひとりだけよ。父親はいない」

ジャックには意味がわからなかった。

インタビュアー「ジャックが産まれた時、この子を病院の前に置いて保護してもらうとか、犯人に頼んで外に出してやろうとは思わなかった?」
ジョイ「・・・なぜそんなことを?」
インタビュアー「自由にするために。つらい決断だとは思うけど、普通の子ども時代を送れたはずだわ」
ジョイ「あの子には私がいたわ」
インタビュアー「もちろん。でもそれが最良の方法だったと思う?」

取材が終わった後、ジョイの頭の中はインタビュアーからの質問で埋め尽くされた。

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あらすじ詳細④結

その日の夜中、ジャックは隣にママが居ないことに気付いて目が覚めた。洗面所からママのうめき声と水の流れる音が聞こえ、ノックしても返事がなかったためジャックは無理やりドアを開けた。ママは吐いて倒れていた。
ジャックが叫び、目を覚ましたナンシーレオが大急ぎで駆けつけた。すぐに救急車が呼ばれ、ママは運ばれていった。
ナンシーがママの付き添いで病院へついて行き、家にはジャックとレオが残った。ジャックはその夜、ママの虫歯を握りしめて眠りについた。
翌朝。ジャック宛てに電話があり、おそるおそるジャックが電話に出ると、ママからだった。ジャックは「今すぐ戻ってきて」と言ったが、ママは「もう少しここに居なきゃいけないの」と言った。ママが説明しようとしたがジャックは聞かず「今すぐじゃなきゃだめだ!」と受話器を捨てて部屋に戻ってしまった。

ジャックは家の中でひとりで遊びながらママの帰りを待ち続けた。
ジャックの心の声『ママは1人で勝手に天国に行こうとしたらしい。僕をおいて行こうとするなんてひどい!』

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しばらく経ち、ジャックは周りの人と普通に会話できるようになっていた。この日は祖母ナンシーと一緒に買い物に行き、カップケーキを一緒に作ることにした。ジャックは卵を上手に割り、ナンシーが褒めるとジャックは「へやでやってたから」と言った。
ナンシーが部屋での様子を聞くと、ジャックは「時々帰りたい」と答え、ナンシーの顔から笑顔が消えた。
ナンシー「・・・でもあそこは狭いでしょ?」
ジャック「広いよ。それにいつもママが居た」

ナンシーが黙っているとジャックは続けて喋った。

ジャック「クローゼットの中は狭かったよ」
ナンシー「クローゼットで何してたの?」
ジャック「寝てた。あいつが来ている間だけ。ママに会いたい」
ナンシー「気持ちはわかるわ。でももう少し1人にしてあげてね」

ジャックが無言で卵を割り続けていると、レオが玄関から「君にお客さんだぞ!」とジャックに声をかけた。玄関に出てみると、レオが犬のシェイマスを連れて玄関に立っていた。
ジャックは喜んで、そっとシェイマスに近づいて頭を撫でた。シェイマスはジャックの顔をペロッとなめた。
ジャックはそれからしょっちゅうシェイマスと散歩するようになった。

ある日、ジャックは自分の髪を切ってママにパワーを送りたいとナンシーに言い、ずっとジャックの髪が切りたかったナンシーはすぐに手伝うことにした。
腰あたりまであった髪をバッサリと切り、ナンシーにシャンプーしてもらった。シャンプーが終わった後、ジャックはおばあちゃんに「大好き」と伝えた。ナンシーは感動しながら「大好き」とジャックに伝えた。

ある日、ジャックがひとりで絵を描いていると、窓を誰かが叩いた。見てみると、ジャックと同い年位の男の子がボールを持って立っていた。ジャックは男の子と庭でサッカーをして遊んだ。
その様子をいつの間にか家に戻ってきていたジョイが見ており、やがてジョイは庭に出た。ママの姿に気が付いたジャックはすぐにママのもとに走り寄って2人は抱き合った。
その後、ママはジャックに謝り、ジャックは「二度としないでね」と言った。ママはジャックがくれた髪の束を取り出して「これを見た時、良くなるって思ったの。またあなたに救われた」と涙声で話した。ジャックは黙って聞いていた。
ママは「良いママじゃなくてごめんね」と言うと、ジャックは「でもママが僕のママだ」と答え、ママは笑った。

ジャック元気になったママと色んな所へ行って世界を楽しんだ。
ある日、ジャックはママに「少しだけへやに行ってみたい」と言った。ジョイは考え、警察に頼んで少しだけあの部屋を見せてもらうことにした。
ジャックを助けに来てくれた女性警官が2人を納屋まで案内してくれた。オールド・ニックが住んでいた家には誰も居なかった。2人は家の中を進み、ベランダを通り抜けて納屋までやってきた。
ジャックはへやに入って中を見ると、中の家具はほとんどなくなっていたのにへやはとても狭く感じた。ママはここに無い家具は警察が証拠品として持って行ったと説明した。
ジャックは「ドアが開いていたらへやじゃない」と言った。ママは「ドアを閉めたいの?」と聞き、ジャックは「いやだ」と答えた。
ジャックが中を見て回り、ママが「そろそろ行こう」と言った。ジャックは残っていた家具たちひとつひとつと、へやにサヨナラを言った。ママも納屋にサヨナラを告げ、2人は手をつないで歩いて帰った。

主題歌:オリジナルサウンド

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