アニメ映画「かぐや姫の物語」あらすじ結末ネタバレ・罪と罰の意味・感想評価

かぐや姫の物語

制作年:2013年
本編時間:137分
制作国:日本
監督:高畑勲
脚本:高畑勲、坂口理子
原作:竹取物語

かぐや姫の物語|声の出演・キャスト

かぐや姫/タケノコ(朝倉あき) 捨丸(高良健吾) 翁(地井武男、三宅裕司) 媼(宮本信子) 女童(田畑智子) 相模(高畑淳子) 斎部秋田/名付け(立川志の輔) 石作皇子(上川隆也) 阿部右大臣(伊集院光) 大伴大納言(宇崎竜童) 御門(中村七之助) 車持皇子(橋爪功) 石上中納言(古城環) 炭焼きの男性(仲代達矢) 北の方(朝丘雪路) ほか

かぐや姫の物語|あらすじ紹介

高畑勲監督の最後の作品。
竹取りを生業とする翁(おきな)と媼(おうな)の元にある日突然、竹から生まれた女の子の赤ん坊がやってきた。翁と媼は女の子を姫と呼び、自分たちの子供のように大切に育てた。
姫は翁と媼の愛に応えるようにすくすくと育ち、すぐに美しい少女に成長した。翁は竹から金を授かったことから都への移住を決め、媼と姫を連れて都へ移った。姫は都へ来てからも捨丸たちのことや、大好きだった山での暮らしを忘れられずにいた。
姫がやがて成人し”かぐや姫”の名を授かったと同時に、姫の美貌の噂はたちまち都中に広がり、かぐや姫はついに高貴の公達5人から同時に求婚されることとなった。

かぐや姫の物語|鑑賞者たちの感想・評価(5点満点)

出典:Filmarks

haru3uの感想・評価|3.5
日本最古の物語『竹取物語』を、高畑勲監督が半世紀以上をかけて掘り起こしたジブリアニメ。
日本人ならば誰もが知っている古典の行間を埋める形で構成された本作。
私が思うかぐや姫は、求婚者達を高所から見下ろし無理難題を押し付ける一方で老夫婦との別れに涙する。絵巻物に描かれた平安美人のように捉えどころのない人物像でした。
しかし自由を求めるも高貴な姫君として扱われるというギャップに苦しむ彼女は、現代の女性がしっかり感情移入できる魅力的なヒロインで。原作の骨組みそのままに、ここまで違和感なく肉付けされていることに感心してしまいます。
とはいえ、全体的に盛り上がりに欠け冗長で退屈な印象は拭えず。非常に上手く解釈されているとは思いますが、『竹取物語』自体が長編映画には向かない題材なんじゃないかな。
アカデミー賞受賞を逃したのは残念でしたね。
水墨画のような独特のアニメーションで描かれる、移ろいゆく四季の美しさや子の成長の喜び。CGアニメが主流となりつつある昨今、空白の背景をバックに時に不完全にも見える引き算の美学は、とても新鮮に映りました。

 

タツキの感想・評価|2.0
友達は大絶賛していたのですが僕は劇場版日本昔話をみているようでした。
予告編で何度も見ていたかぐや姫の全力疾走は思ったよりもグッときたけど自分にはあまりハマらなかった。

 

Mounirの感想・評価|3.0
高校の古文でやったのが懐かしい。冒頭も覚えてた。ストーリー自体は竹取物語そのまんまって感じだが、とにかく絵が美しい。エンディングの歌も良い。

 

sakuraaaaahの感想・評価|4.8
予告で絵のタッチが好ましくなかったから映画館では観なかったけど、すごいいい映画だった。
愛して愛されて、笑ってるだけでいいはずなのに。それだけで幸せなはずなのに。人はそれを難しくする。年を追うごとに難しくなる。恐怖を覚えて、信頼することを躊躇って、何が正しいか分からなくなって、壁を作って、自分を失う。
かぐや姫がこんなに考えさせられる映画になるとは、笑

 

以降はあらすじ詳細でネタバレ含みます。
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あらすじ詳細①起

昔々、竹取りを生業に生活している/おきな(声:地井武男)という者がいた。梅の花もまだ咲かない早春の日、竹林の中にぼんやりと光る一本の竹が見えたので、不思議に思い近づいた。
が近づくと、光った竹の根元から一本の竹の子が生えてきて、竹の子の先端が割れると中には小さな手のひらサイズほどのお姫様が座っていた。翁は驚いて姫を見つめ、名前を聞くが、姫は喋らず翁に微笑み、あくびをして眠ってしまった。
翁が近づいてよく見てみると、姫はとても美しかった。

「これは天が私に授けてくれたものに違いない」

翁は姫をそっと手で救い上げ、自宅に連れて帰った。

翁の妻、/おうな(声:宮本信子)に姫を見せると大変喜び「私が世話をします」と翁の手から救い上げると、はたちまち人間の赤ちゃんに変身して泣き出した。
は翁に上等の竹かごを準備させて、赤ん坊を育てているご近所さんに、もらい乳をしに行った。翁と媼には子どもがおらず、乳が出なかったからだ。

だがご近所さんの家に向かう途中、は自分の胸の変化に気が付き、乳が出るようになった。媼と翁は奇跡に感動し、自宅へと引き返した。
家に戻る途中、媼の乳を吸ってお腹がいっぱいになった赤ん坊は笑うたびにずっしりと重くなり、翁と媼は「成長が早そうだ」と笑った。
こうして赤ん坊は竹取の翁と媼の手によって大切に育てられることになった。

赤ん坊の成長は早く、しばらくするともう歩けるようになった。近所に住む男の子たちは赤ん坊の成長の早さに驚き、赤ん坊を”タケノコ”と呼んだ。は子どもたちに「タケノコとはなんだ!この子は姫だ!」と怒った。

竹の子が生え始めた頃、はやがて言葉を話すようになり、の竹の子獲りを手伝った。翁は途中、良い竹を見付けたので姫に離れているよう言い、竹を切り始めた。
姫は言いつけ通り翁から遠ざかり、林の向こうにウリボウを見付けて近づいて可愛がった。

親のイノシシが怒って姫に猛突進してきたところを、男の子たちよりも少し年上の青年で、彼らの親分でもある捨丸/すてまる(声:高良健吾)がを助けた。それから姫と捨丸たちは一緒に遊ぶ仲になった。
男の子たちが歌を歌い始めると、はその歌をなぜか知っていて一緒に歌い始めた。

♪まわれ まわれ まわれよ 水車まわれ
まわってお日さん呼んでこい

まわってお日さん呼んでこい
鳥 虫 獣 草 木 花
春 夏 秋 冬 連れてこい

春 夏 秋 冬 連れてこい

やがては同じ歌を悲し気な曲調に変えた、歌詞も違う歌を歌いながら涙を流していた。

♪まわれ めぐれ めぐれよ 遥かなときよ
めぐって 心を 呼びかえせ
めぐって 心を 呼びかえせ
鳥 虫 獣 草 木 花
人の情けを はぐくみて
まつとしきかば 今かへりこむ

男の子たちが「なんで泣いてるの?」と聞くが、姫は「知らない」と答えて笑った。
捨丸は姫を肩車し、家路についた。

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同じころ、は居なくなった姫を探し続けていた。竹林で迷子になったと思ったのだ。姫を呼びながら歩いていると、翁は再び光る一本の竹を見付けた。翁が恐る恐る近づいて竹を切ってみると、中からたくさんの金の粒が出て来た。

この日から、姫は木地師の捨丸たちと毎日のように遊ぶようになり、は梅の収穫をしながらに「このままあの子たちと遊ばせていていいのだろうか」と話した。

は「あの子たちなら心配要りませんよ」と返し、は竹から出て来た金のことを話そうとしたが、まだ伏せておくことにした。
※多くの金を手に入れた翁は、姫を本物のお姫様にしてやりたいと考えるようになり、捨丸たちのような一般の身分の者と付き合うことを気にして言ったことだった。媼は金のことはまだ知らないので、翁の発言の意味に気付いていない。
は竹林で再び光る竹を見付けた。翁が竹を切ると、竹の中からは高価な布が何枚も飛び出てきた。
布を家に持ち帰ったは、媼に「天の思し召しがやっとわかった。天は姫を、この布に見合うような高貴な姫君にしろとおっしゃっているんだ。都に屋敷を建てようと思う」と黄金を取り出して言った。は賛成も反対もせず、ただ媼の隣ですやすやと眠る姫を見つめた。

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あらすじ詳細②承

は翌日から頻繁に都へ足を運ぶようになった。しばらく同じ状態が続き、やがて夏が過ぎ、秋がやってきた。
は男の子たちを追い越し、捨丸と似たような年の頃になりすっかりお姉さんになっていた。ある日、姫たちが山でヤマブドウの木を見付けて食べていた時、茂みの中からキジが出て来た。捨丸は見事にキジを捕まえたが、低い崖に落ちて怪我をしてしまった。
は捨丸を助けるために崖から降りようとして足を滑らせ、捨丸が落ちた姫をキャッチしようとしてぶつかり、姫の胸に触ってしまった。は気が付かず捨丸の腕の怪我を介抱し、捨丸は改めて姫の成長の早さに驚いた。
捨丸は姫に「お前がこのまま大きくなって、俺たちとは違うところに行っちまう気がする」と呟いた。は「私はずっと捨丸兄ちゃんの手下だよ!」と無邪気に笑った。

男の子たちにツルを垂らしてもらい、姫と捨丸は崖から上がる途中で立派なキノコを見付けて沢山ゲットした。すっかり日暮れになり、姫と皆は「明日はキジ鍋をしよう」と約束して別れた。

が家に帰ると、が出かける支度を整え姫が帰ってくるのを待っていて、は都の人が着ているような服装をしていた。
は「今から全員で都に行くんだ」と姫に言った。は捨丸たちとの約束を話したが翁は許さず、姫は媼に連れられて車に乗せられた。キジ鍋の約束が実現することはなかった。

が目を覚ますと都に到着しており、車から降りると屋敷の女房たちと、侍女見習の女童/めのわらわ(声:田畑智子)に迎えられた。は女房の1人に案内されて拾い屋敷の中を歩き、ある部屋の前に行くと、そこには顔を白く塗り、立派な着物を来た夫婦が座っていた。
姫が良く見るとそれはで、はつたない都言葉で「ご機嫌うるわしゅう」と姫に話しかけた。は「びっくりした!」と大笑いし、は「やっぱり変よねぇ」と言った。
は「姫も早くお着換えあそばせ」と言い、女房が姫の衣装部屋を開けた。中には多くの高価そうな着物が入っていた。ははしゃいで布を投げ「虹みたい!」と言い布の上に横たわった。
が「今日からここに住むんだ」と言うとは喜び屋敷中を走り回った。姫は広い庭の中にある池を見て「あそこで泳いでいいでしょう?」と池を見ながら走り、そばにいた女性にぶつかった。
女性は「泳ぐなど、滅相もございません」と言い姫の方に向き直った。この女性は翁が姫の教育係として宮中から呼び寄せた相模/さがみ(声:高畑淳子)という女官だった。
相模は姫君の作法などを何も知らない姫を見て「こんなにお育てがいのありそうなお子は初めてでございます。必ずやこの姫を高貴の姫君として立派に育て上げます」と翁と媼に宣言した。
その日から、は高貴の姫君となるべく相模から教育を受け始めたが、は途中で抜け出したりふざけたりするばかりだった。だが姫はの前ではおしとやかな姫君として完璧にふるまい、まだ教え始めたばかりだった琴も見事に演奏し、相模を唖然とさせた。

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はお白いも高価な着物も落ち着かず、いつものすっぴんに普段着で台所に立ち、裏庭には畑を作り作物を育てた。は媼に「下働きはやめろ」と言ったがはこの方が落ち着くからと言うことを聞かなかった。
はその頃ついに初潮がおとずれ、は喜び「姫が大人になったお祝いに宴を開こう」と言った。は宴と聞いて「山の皆を呼びたい」と言ったが、は「連中とはもう住む世界がちがう」と言い、名付けの儀式の相談のために相模を探しに行った。は嬉しそうな翁の姿を見て何も言えず、翁が去った後で「つまんないの」と呟いた。

相模が姫に、成人した姫君の化粧であるお歯黒と引眉をしようとしたが、姫は「葉を見せて笑えなくなる」などと理由をつけてとても嫌がり、相模は「高貴の姫君は歯を見せて笑ったりしません」と姫に近づくと、姫は「姫君は人間じゃないのね!」と叫んでその場から逃げ出した。

その後すぐ、屋敷に姫の名付けを頼まれた斎部秋田/いんべのあきた(声:立川志の輔)がやってきて、姫はその身震いするほどの美しさから『なよたけのかぐや姫』と名付けられ、はその名前が大変気に入った。
※髪上げと※裳着の儀式がしきたり通りに行われると、かぐや姫の名付けの宴が盛大に催された。
※髪上げ:髪をおでこの上で束ねて、かんざしで留めること。成人の儀式※裳着:正装を着ること。成人の儀式
宴の間、姫は宴の席の、御簾で隔てた場所に1人で座らされていた。これも宴のしきたりだ。は「私の名付けの宴なのに私はずっとここに居るなんて、これじゃ居ないのと同じじゃない」と女童につぶやいた。
名付けの宴は三日三晩続いた。ある時、来ていた数人の客たちが酔った勢いで「かぐや姫様は本当に噂通りの美しさかどうか、一目拝ませてもらってもバチは当たるまい。」と翁に絡み、は「しきたりですので、それだけはご勘弁を」と拒否した。すると数名が「本物の高貴な姫君でもあるまいに」「本当はおばけみたいだったりして」と姫を侮辱した。
これが聞こえていたは傷つき、持っていた貝殻を割った。御簾から出て走り出し、着こんだ正装の着物を脱ぎ捨て、屋敷から飛び出して走り続け肌着一枚の姿で、少し前まで3人で住んでいた山の家に戻ってきた。姫が家に近づくと、子どもと母親が家から出て来た。すでに別の家族が住んでいたのだ。
は捨丸たちが住んでいた場所へ行ってみたが、捨丸たちはおらず、あたりの木々は葉がすっかり落ち、姫には枯れているように見えた。は近くで作業していた炭焼きの男性(声:仲代達矢)に木地師たちがどこに行ったのか聞いた。
は「木地師たちはここらの木を使ってしまったから、他の山へ行った。10年は戻らないだろう。10年後には、また山が復活するからな」と言った。
は「でも、山は死んでしまったんじゃないかしら。」と不安げに言った。は「死んだんじゃない。木々はもう春の支度をして、春が来るのを待っているんだ」と言ってに新芽の生えた木の枝を見せた。
春が再び訪れることを知った姫は驚き、男が振り返ると姫は居なくなっていた。
が山から降りているとき、雪が降り始めた。姫は歩き続けたが、途中で疲れ果てて倒れてしまった。姫の周りに小さな妖精のようなものが舞った。

※気が付くと、は屋敷にいた。驚いて辺りを見回すと、脱ぎ捨てたはずの着物も着ており、宴も続いていて、飛び出す直前に同じ場所で寝ていた女童もまだ眠っていた。姫が割った貝殻だけが割れたまま床の上に落ちていた。
※解説欄に解説有
それからは人が変わったように大人しくなり、相模の前でふざけたり逃げ出したりせず、家でもひとりで静かに過ごすようになった。
それから、屋敷にはたくさんの方からの贈り物が届き、は贈り物を姫に見せて「これは姫が高貴の姫君の仲間入りをした証ですぞ」と嬉しそうに言った。姫は静かにお礼を言った。

が部屋から出ていった後、姫は贈り物の中にあった鳥かごから小鳥を出してやり、放してやった。

春になり、かぐや姫の評判は上がる一方だった。屋敷には毎日かぐや姫を引き受けたいという男たちが溢れていた。お使いから帰ってきた女童は、表門の騒ぎを横目に裏口から入ろうとしたが、男たちに見つかってしまい、かぐや姫宛てのたくさんの恋文を持たされてしまった。
は恋文には一切興味を示さず、女童が持って帰ってくれた桜の枝の桜を眺めた。

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あらすじ詳細③転

かぐや姫の噂はとどまるところを知らず、高貴な公/きみ/の1人である石作皇子/いしつくりのみやつこ(声:上川隆也)は名付け役をした斎部秋田を呼び出し、かぐや姫の美しさを本当かどうか聞き出そうとした。
斎部秋田は大きな声で話してしまい周りにいた、同じくかぐや姫に興味があった4人、車持皇子/くらもちのみこ(橋爪功)、阿部右大臣/あべのうだいじん(伊集院光)、大伴大納言/おおとものだいなごん(宇崎竜童)、石上中納言/いそのかみのちゅうなごん(古城環)にも聞こえ、5人が斎部秋田の元に集まった。
斎部秋田はかぐや姫を「一目見た瞬間、老いたこの身すらぶるると震え、今思い出してもその輝くような美しさたるや、まさに言葉には言い尽くせませぬ」とうっとりと語った。

5人の公たちは我先にと争いながら翁の屋敷に求婚にやってきた。は大急ぎでこのことを相模に伝えると、相模は驚いて翁が持ってきた文を見て名前を確かめた。
は「どのように選べばいいのかわかりません。すでに皆さま、あちらでお待ちなのです」と言い、相模は「姫君は私にお任せください」と言い、姫の元へ急いだ。
は「ありがたやありがたや!」と喜びながら公達の元へ行った。

相模は姫の前に、公達からの5通の恋文を見せてにどの方と結婚するか選ばせようとした。
相模「どの方も大変高貴な方たちで、どなたを選んでも間違いございません。」
「・・・お会いしたこともないのに?」
相模「もちろんでございます。殿方が申し出て、姫君がお受けしてご婚儀が整い、初めて2人はお会いになるのです。こんな高貴な5人の公達から選べるなんて、なんと姫君は幸せなんでしょう」
「幸せ?私はまだ、どなたとも添うつもりはありません」
相模「高貴の姫君ならばできるだけ早く、然るべき方に添わなければならないのです。それこそが姫君としての幸せ。何を迷うことがありましょうか。どなたをお選びになっても姫様の幸せは約束されております!」
姫は立ち上がった。
「私はどなたも選びません!お引き取りいただいてくださいませ」
姫は部屋から出ていこうとした。
相模「お父上さまがどんなに悲しみますことか。まるで自分のことのようにお喜びあそばしているというのに・・・」

この言葉で姫は仕方なく、公達と会うことにした。
公達は全員、かぐや姫を”手に入らない幻の宝物”が手に入った時のように大切にすると、姫を宝に例えながらそれぞれが愛を語った。聞いていたは公達の言葉に感謝を示した後、公達がそれぞれ例えに出した宝、車持皇子”蓬莱の玉の枝”石作皇子”仏の御石の鉢”阿部右大臣”火鼠の皮衣”大伴大納言”龍の首の玉”石上中納言”つばめの子安貝”を屋敷に持ってくるように言った。
これに相模は大慌てで姫にやめさせようとしたが、は引かなかった。は謝りながら公達をお見送りし、公達はかぐや姫の声と琴の音にうっとりしながら屋敷を後にした。

5人が正門から出てくるのを見て、門前の人だかりはパタッと居なくなった。そのことを聞いたは化粧とお歯黒を落とし、女童をお花見に誘い、翁と媼にも声をかけるよう命じた。
※門前にいた男たちは、かぐや姫に求婚しにきた5人の公達よりも身分が低く、門から出てきた5人を見てかぐや姫を諦めたため居なくなった。
相模は姫が高貴の公達からの求婚を断ったので、もう手に負えないと屋敷から去ろうとしていた。は去られては困ると止めたが、相模は屋敷から去り宮中に戻っていった。

女童は車に乗り、山にお花見に出かけた。久しぶりに外に出た姫は、再びやってきた春に心を躍らせた。途中、一本の大きな桜の木を見付けて、姫は木の下から桜を眺めた。
が桜の下ではしゃいで回っていた時、平民の幼児にぶつかった。すると幼児の家族がすぐに出てきて姫にひれ伏して謝った。
は驚き、自分が周りにいる庶民たちにとても気を遣わせる存在なのだと悟った。遅れて木の下に来た女童は持参したお弁当を持って姫に追いついたが、姫は「帰りましょう」と言い、花見をやめて帰路についた。
車が町を通っている時、外から騒ぎ声が聞こえて「捨丸」という名前が聞こえた。が急いで外を見てみると、にわとりを抱えた捨丸が牛車の合間をすり抜けて追っ手から逃げているところだった。数人のグループで盗みを働いたようだ。
は立ち上がり、御簾を開けて捨丸を呼んだ。捨丸は姫を見て呆然とし、にわとりを抱えたまま立ち止まり姫を見つめた。その間に捨丸は追っ手に捕まってしまい、殴られた。
は殴られる捨丸を見て、自分のせいで捕まってしまったと悲しんだ。

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それから3年ほど月日が流れ、姫はまだ誰とも結婚せずに屋敷に居た。
はあれから外出しておらず、はたを織ったり、裏庭の畑に、3人で住んでいた山の家を再現したミニチュアの家や水車を飾って、と一緒に眺めて楽しんでいた。
そこにが急いでやってきた。なんと車持皇子”蓬莱の玉の枝”を持って屋敷に来たという。は「聞きしに勝る誠意のあるお方よ!」と結婚話が生きていたことを喜び、は戻って来ると思っていなかったので驚いた。

車持皇子は旅の格好で屋敷に現れ、旅に出てようやく見つけたという、光り輝く蓬莱の玉の枝を見せた。それは美しく見事なものだった。

車持皇子はこの木を見つけるまでの様子を事細かに語ってみせたが、その途中、職人だと言う侵入者が現れた。が様子を見に行くと職人たちは「車持皇子に頼まれて玉の枝を作ったが、料金をまだもらっていない」と説明を始めた。
車持皇子の話が全てウソで、玉の枝も作り物だったことが分かり、が職人たちから説明を受ける間に車持皇子は気まずそうに笑いながら、玉の枝を持って逃げるように屋敷を出ていった。
は笑い、戻ってきたに「職人たちに十分に褒美をを差し上げてあげてください」と言った。

次に屋敷に現れたのは”火鼠の皮衣”阿部右大臣だった。阿部右大臣は「やっと探し出した。こんな高価な結納は他にありますまい」と言いながら、きらきらと輝く布を出して姫と翁に見せた。
だがは「本物なら燃やしても燃えないはずだ」と言い、右大臣に布を燃やすよう命じた。右大臣は火鉢を用意させ、燃えないように祈りながら皮衣を火鉢にくべたが、布はしばらくするとあっけなく燃えてしまった。
右大臣は慌てて火鉢から布を取り出したが、布は燃え尽きて灰になってしまった。右大臣は姫に「あなたが燃やせなどと言うから!これがどれだけ高かったかわかっているのか!」と怒り、燃えてしまった布に怒りをぶつけた。
右大臣が屋敷を去った後、は「私はあの人たちにとって、偽物の宝と同じなんだ」と女童に嘆いた。女童は「大伴大納言さまは、龍の首の玉を探すために本当に船を出したそうですよ。それに、石作皇子さまは姫様をお迎えするために妻である北の方を追い出して、部屋を新たに作らせているそうですよ」と励ました。
姫は、無茶な要望を叶えるために行動した者がいることに驚いていた。
だが大伴大納言は船が嵐にみまわれてすっかり怯えてしまい、何も得ぬまま帰ってきてしまった。

次に屋敷に現れた石作皇子が持ってきたのは”仏の御石の鉢”ではなく、一輪のレンゲの花だった。
石作皇子は「3年前のあの日から必死に鉢を探したが見つからず、疲れ果てて腰を下ろしたとき『私の姫に対する気持ちは、人知れず野に咲くこの花のようなものなのだ』と思い、姫が求めているのは宝などではなく、私の真心なのだと悟ったのです。どうか私の真心を受け取ってはいただけないでしょうか」と話した。
「私と一緒に行きましょう、ここではないどこかへ!」と言う石作皇子の言葉を聞いて姫は心が動きかけた。石作皇子は感情が高まって、喋りながらかぐや姫の前にかかっている御簾を上げて姿を見ようとした。
だが御簾を上げるとそこに居たのは、理由をつけて石作皇子から屋敷を追い出された北の方(声:朝丘雪路)だった。石作皇子はお怒りの北の方にすぐに謝り、北の方は「あなたの甘言にだまされて屋敷を去った女が何人いることか」とこんこんと説教を始めた。

最後の1人だった石上中納言”つばめの子安貝”を手に入れようとツバメの巣の中を自ら探し回り、事故で高所から落ちて亡くなってしまった。
このことを女童から聞いたは自分を責め、ミニチュアの家や水車を置いていた庭を「全部ニセモノだ!私もニセモノだ!」と叫びながら壊してしまった。
が姫を止め「姫のせいではない」と言った。は泣き崩れ、は姫を優しく抱きしめた。

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あらすじ詳細④結

高貴の公達を5人も手玉に取ったという話が宮中まで届き、ついに御門/みかど(声:中村七之助)までもがかぐや姫に興味を示した。
※この話は恐らく宮中に戻った相模が広めた
御門は『公達5人の結婚話を断ったということは、姫は私の元に来たがっているに違いない』と考え、かぐや姫を宮中に呼び寄せるよう命じ、使いの者には『※宮仕えを受けてくれた際には、翁に※官位を授けよう』と伝えた。
※宮仕え:御門の妻の1人になること※官位:役職
「いい加減にしてください」と言うの言葉は届かず、は嬉々揚々とにこのことを伝えた。は翁に「姫の気持ちがまだわからないのですか」と怒った。
は「お前こそわかっておらん。今までのことは全てこのためだったんだ。女としてこれほどの幸せがあろうか!これでようやく姫様を幸せにすることが出来る」と涙した。
だがはこの話も「せっかくですが、お断わりしてください」と言った。は驚いて「この国の者ならば、御門の言うことを聞かないわけにはいかない」と粘った。
するとは「位を授かることがお父様の幸せになるのなら、私は行きます。位を授かるのを見届けてから死にます」と返した。は死ぬとまで言われてどうしようもなくなり、御門に断る旨の返事を返した。

 

申し出を断られた御門はますます興味が湧いて、御門の方からかぐや姫に会いに屋敷へ行く決意をした。
御門は翁の屋敷に出向き、御簾の隙間から姫を確認した。御門はかぐや姫の美しさに心を奪われ、すぐにに近づいていきなり後ろから抱きすくめた。姫は突然のことに驚き「なぜこんなことをするのですか?」と聞くと、御門は「私がこうして嫌がる女はいない。さぁ宮中へ参ろう。そなたは私のものになるのだ」と言い、無理やり姫を連れていこうとした。
その瞬間、は御門の腕からするりと抜けて姿を消した。御門は驚いて冷静になり「ことを急いてすまなかった。今日は帰ることにしよう」と謝り、姿を現すよう頼んだ。するとはいつの間にか部屋の中央に座っていた。
御門は再び正面からかぐや姫をまじまじと見つめ、その美しさにため息を漏らし「そなたが私のものになることが、そなたの幸せになるはずだ」と言い帰っていった。

この日の晩から、は月の出ている日は必ず釣殿/つりどの/に出て月を眺めるようになった。は姫の様子を見て、ただ事でない雰囲気を感じ取っていた。

ある晩、に、様子が変なのはどうしてなのか聞いた。は何でもないと言っていたが、が優しく抱き寄せると、は目に涙をためて「月へなんか帰りたくない!」と叫んだ。
は驚いて説明を求めた。は「この地に居たいとお願いしたが無理だった。今月の15日に迎えが来ることになってしまった」と泣いた。まだは意味が分からず困っていると、は冷静さを取り戻して説明を始めた。
姫は”月から下ろされた者”であり、今月の15日に地上から離れて月に戻らなければならなくなった。姫自身もこのことは御門が来た日にわかったのだと言う。
が「なぜですか?私どもは今まで姫の幸せだけを願ってきましたのに」と言うと、は、翁の言う”幸せ”、つまり結婚の話が姫にとってはとてもつらく「御門に抱きすくめられた時、無意識に本気で助けを願ってしまい、迎えが来ることになってしまった」と話した。
そして「月にいたことを思い出したとき、なぜ地上に降りて来たのかも、どうしてあの歌を知っていたのかも思い出した」と言った。姫は鳥や獣のように”ただ生きるため”に生まれて来たと言う。はなんとしても姫を月の迎えから守ろうと、対策を考えるために人を呼びに行った。

翌日から、は姫を守るための防護壁の建築を始めた。
は、姫が覚えていたと言う歌を一緒に歌った。姫は歌の続きに再びメロディの音程と歌詞を変えた歌を歌い、は姫の歌を聞いて「そんな続きがあったの?」と言った。
姫「昔、地上に居たことのある天人が、この歌を歌いながら涙していたのを月の都で見たのです。月の羽衣をまとうと、地上でのすべての記憶も悩みも消えるのに、この歌を歌うとあの天人は涙を流し、それがとても不思議だった。だが今ならその天人の気持ちがわかります。帰りたいという気持ちが。そして※なぜ私がこの禁断の地に憧れ、その罰として他ならぬこの地に降ろされたのかも。あの人は、あの人もまたこの地に帰ってきたかったのです。きっと」
媼「待つとしきかば、今かえりこむ。本当に私を待っていてくれるのなら、すぐにでも、ここに帰ってきます」
姫「帰りたい!今すぐに!」

※解説欄に解説有
は女童に、誰にも知られぬように車の手配を頼んだ。は媼の計らいでこっそり山へ帰ることを許された。姫は生まれた山に着き、竹林を抜けて野原に降りた。
同じころ、捨丸たちも山に戻ってきたところだった。捨丸も男の子たちも成長していて、捨丸には妻と子どももいた。捨丸たちが休憩していた時、捨丸だけにふと、奥の方から何かが聞こえた。
気になって捨丸が野原の方に行ってみるとそこにはがおり、2人は再会した。捨丸は驚き、は「捨丸にいちゃん。会えてよかった」と笑顔になった。
「ずっと帰ってきたかったの」
捨丸「ここに?都で幸せに暮らしてたんじゃなかったのかよ。良い暮らしして、うまいもん腹いっぱい食って」
「都に来てからも、ずっとこの山と、みんなのことを考えてた。・・・捨丸にいちゃんとなら私、幸せになれたかもしれない」
捨丸は目を丸くした。
捨丸「俺となら?」
「うん。今それがわかった」
捨丸「・・・冗談だろ。お前に俺たちみたいな暮らしが出来るわけない」
「きっと出来た!できたじゃない!子どものとき!」
は捨丸の道具のカマを持ち、草刈りをしてみせた。
捨丸「こんなボロ着て?時には草の根もかじって?泥棒まがいのこともして?」
「うん!私見た!私のせいでひどい目にあってた」
捨丸「何でもないさ。あんなこと」
「そう、何でもないわ。生きている手ごたえがあれば!きっと、幸せになれた」
捨丸「・・・タケノコ!」
捨丸は姫の肩を掴んだ。だが姫の表情は曇った。
「でも、もうダメなの。遅すぎた」
捨丸「遅すぎた?あぁ、御門のお妃になるのか」
「違うわ!でも、もうダメなの!」
捨丸「どうしてダメなんだ?今からじゃ!」
姫「・・・」
捨丸は姫の手を取った。
捨丸「逃げよう!ここから!俺、お前をしょって全速力で走るよ!誰にも見つからない所まで!」
「ダメなの。もう逃げられない」
捨丸「そんなことあるもんか!俺が守るよ。たとえ見つかっても」
「もう見つかってるの」
捨丸「・・・見つかってるって?」
姫は空を見上げた。
捨丸「いいじゃないか、見つかってても!それが何だ!俺はお前と逃げたいんだ!」
姫は笑顔になった。
捨丸「行こう!」
「捨丸にいちゃん!」
姫は走り出すと着ていた着物が邪魔になり、着物とゾウリを脱ぎ捨てた。2人は抱き合い、笑った。そして野を走り出し、捨丸は空へ飛びあがった。2人は空を飛びながら抱き合い、手をつなぎながら空を飛んだ。
しばらく飛んでいると、やがて2人の前に巨大な月が現れて、は月から顔をそむけた。
「もう少しだけここにいさせて!生きている幸せと喜びをもう少しだけ感じさせて!」
姫は捨丸に抱き着いた。
捨丸「どうしたんだ?こうしてしっかり抱いているじゃないか!」
「もっと強く抱いて!離さないで!」
は気を失い、捨丸の腕からするりと抜けて落ちてしまった。
捨丸「タケノコ!タケノコ!」
※姫はそのまま海に落ち、月の妖精が舞った。捨丸は気が付くと姫と再会した野原で倒れていた。野原にはもう姫は居なかった。
捨丸は夢だったと思い、迎えに来た息子を肩車して木地師の仲間たちの元へ戻っていった。

は牛車に乗っており、ゆっくりと都へ戻っていった。

※後に解説有
とうとう、8月15日がやってきた。女童も武装して姫の部屋の前に座り、男たちは全員武装して、屋敷の者たち全員が月を見張っていた。やがて月が強く光り、屋敷全体が月の光で白んだ。
どこからともなく音楽が聞こえてきて、月から雲に乗った月の民たちが屋敷に向かって進んできた。屋敷で構えていた男たちは雲に向けて矢を放ったが、矢が雲に近づくと、矢は花に変わってしまった。
優雅な音楽は雲に乗っている者たちが演奏しており、中央には仏のような姿の者が立っていた。雲が屋敷に近づくと、武士たちは一斉に倒れて眠りはじめてしまった。だけは意識があり、急いで姫を守りに行こうとしたが、仏が手を振ると翁も気を失ってしまった。

雲は釣殿の前の池の上で止まった。屋敷の中の者たちも全員倒れており、妖精が屋敷の中を探し回り、のいる部屋を見付けた。妖精が近づくとは正気を失い、媼の腕を離れて導かれるように、月の民が待つ場所まで出てきた。
は釣殿からふわりと浮かび、雲の上の仏の前に立った。仏の隣に控えていた女官が、姫に冠と羽衣を差し出すと、は無表情のまま冠を手に取って頭に乗せた。姫が羽衣を手に取った時、子どもたちが童謡を歌いながら外に出てきて姫の動きが止まった。子どもたちの先頭に立っていたのは女童だった。

♪まわれ まわれ まわれよ 水車まわれ

まわってお日さん連れてこい

鳥 虫 獣 草 木 花

咲いて 実って 散ったとて

生まれて 育って 死んだとて

風が吹き 雨が降り 水車まわり

せんぐり命がよみがえる

せんぐりいのちがよみがえる

歌声では目を覚まし、姫の元へ走った。 翁と媼もふわりと浮かび、雲の上に立つことが出来た。が動きを止めたのを見て、女官が羽衣を手に取り姫に着せようとした。
が「ヒメ!行かないで!」と叫ぶと姫は正気を取り戻して従者の手をさえぎった。
は仏に少しだけ待ってほしいと頼み、仏は黙認した。

にふり向き、2人に抱き着いた。
「姫、私たちも一緒に連れていっておくれ」
「お許しください、とと様、かか様」
女官が羽衣を持って近づいてきた。
女官「さぁ参りましょう。清らかな月の都へお戻りになれば、そのように心ざわめくこともなく、この地のけがれもぬぐいされましょう」
「けがれてなんかいない!喜びも悲しみも、この地に生きる者はみんないろどりに満ちて・・・鳥、虫、獣、草、木、花、人の情けを・・・」
がもう一度翁と媼を抱きしめようとしたとき、女官が姫に羽衣を着せてしまった。の目から輝きが消え、すべてを忘れてしまった。
羽衣をまとったは立ち上がり、翁と媼から離れて女官に連れられ仏の隣に座った。
は涙を流しながら姫を見つめ続けた。仏の合図で再び演者たちが演奏を始め、雲は月に向けて動き始め、は一度も翁と媼を見ることなく屋敷から出て、月に行ってしまった。
は「私を許しておくれ」と言い、媼と泣き崩れた。

姫に求婚した御門と4人の公達女童と子どもたち、斎部秋田捨丸たち、全員が満月を眺めていた。

は地球から離れた時、一度だけ地球を振り返り、その目には涙をためていた。姫は再び月の方へ向き直り、月へ帰っていった。
一行が見えなくなった後、大きな満月に赤ちゃんが映し出された。
※後に解説有。

主題歌:二階堂和美『いのちの記憶』

解説

・姫が宴の途中、屋敷を抜け出して山に行ったのにいつの間にか屋敷に戻っていた場面

・捨丸と一緒に逃げようとしたが、月に見つかった場面

この2つの場面で姫が雪の上で倒れたときと、捨丸と逃げている途中気絶して海に落ちた後、月の妖精が姫の周りを飛んでいます。

このことから姫が屋敷から飛び出したのも、捨丸と逃げようとしていたのも現実でしたが、いずれも月に見られていて、不思議な力で時間を戻されたり引き離されたりして無かったことにされていると思われます。

姫も捨丸も記憶は残っていたので、記憶をいじることまではできなかったのでしょう。

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・かぐや姫の罪と罰とは?

かぐや姫が媼に「月にいた天人を見て地球に興味を持ったことが自分の罪だ」と話をしていた場面がありましたが「なんで興味を持っちゃいけないの?」といまいちピンと来なかった人もいたはずです。私もその一人だったので調べました。

原作の竹取物語が書かれた頃の日本は仏教の影響を強く受けていました。

仏教を信じる者が目指すのは、涅槃/ねはん/です。

涅槃とは仏教用語で”悟りの境地”を意味し、煩悩や感情に支配されることなく、悩みや苦しみの一切ない、完全に穏やかで安楽な世界にたどり着くこと、それが仏教の最終目的です。

人間はただ生きることすら難しかった当時、生きることは苦しみそのものと考えられていました。修行に励めば、地上で輪廻転生を繰り返すことから脱却し、涅槃へ行くことができるとされていました。

竹取物語では、この涅槃の世界が月であるという風に描かれています。月に住む者たちは皆、地上での修行に励み、涅槃にたどり着いた者たちの世界なのです。

月に住む者たちから見れば、地上は未熟者の集まる場です。

修行の末に涅槃に至った月の者が、その地上に対して興味を持ったりすることは、そのこと自体が未熟者の証となり、罪になるのです。これがかぐや姫の罪でした。

そしてかぐや姫に与えられたは、もう一度地上で生活することでした。

地上で様々な感情に支配され、思う通りに生きられない苦しみを味わうことが、かぐや姫に与えられた罰でした。地上で再び苦しめば、煩悩・感情からの脱却を望むようになり、心を再び涅槃に向かわせるというのが月の狙いでした。

そして地上に来たかぐや姫は見事にそのようになっています。

こうしてみると、かぐや姫は地上に憧れたのに、罰が地上に行くことなのは変な感じがしますが、姫が愛した両親や捨丸と引き離されて、人生の途中で再び月に戻されることも含めて罰だったのでしょう。

これがかぐや姫の罪と罰の内容でした。

しかし、こんな別れ方をさせてしまうと、かぐや姫は地上に対する思いは逆に強くなって、かぐや姫の話していた天人のようになってしまうという未来が目に見えます。それも含めてすべて罰ということなのかはわかりませんが、この辺の解釈は人それぞれですね。

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・かぐや姫が月に戻っているとき、一度だけ地球を振り返った場面

・最後に月に赤ちゃんが映る場面

かぐや姫が月に戻っていく時、画面から色味がなくなりセピア調になります。これは羽衣をまとった姫が記憶と感情を失くしていく様子が描写されたもの。

姫が地球を振り返った時だけ、ほんのり画面に色が戻り、姫は地球を見て目に涙をためますが、姫が再び月の方を向き直ったとき、再び画面から色がなくなり、姫は地球で感じた”彩り”をなくした状態になったことを表しています。
最後に月に赤ちゃんが映し出されるのは、姫が「月で地球の記憶を失っているのに、歌を歌いながら地球を見て涙を流していた天人がいた」と言っていたことから、姫も地上での記憶はなくしたけれど、人間の心は完全に忘れてはいないということを示していると思われます。作品主題歌『いのちの記憶』とも関連を感じます。

かぐや姫が月に帰る途中で地球を見て目に涙をためていたことから、かぐや姫は月に帰ってからも地球を見るたび、なぜか悲しくなるのでしょう。

解説は以上です。

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