映画「愛を読むひと」あらすじ結末ネタバレ・感想

愛を読むひとパッケージ

「めぐりあう時間たち」「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」のスティーブン・ダルドリー監督作品。
肉体関係から始まり、やがて「朗読」を通じて愛をはぐくんだ15歳の青年マイケルと、20歳も年上の女性ハンナ。
だがある日、突然ハンナはマイケルの前から姿を消してしまい、ハンナとのことはひと夏の恋で終わった。
数年後、法科大学に通うようになったマイケルが授業で裁判の見学に行くと、法廷の被疑者席に座っていたのはハンナだった。止まっていた時間が再び動き始める。

制作年:2008年
本編時間:124分
制作国:アメリカ・ドイツ
監督:スティーブン・ダルドリー
脚本:デヴィッド・ヘアー
原作:小説/ベルンハルト・シュリンク「朗読者

愛を読むひと|出演者・キャスト

レイフ・ファインズ(マイケル・バーク) ケイト・ウィンスレット(ハンナ・シュミッツ) デヴィッド・クロス(若い頃のマイケル) ハンナー・ヘルツシュプルング(ジュリア) カロリーネ・ヘルフルト(ガートルード) レナ・オリン(マイケルの母:アンジェラ) ブルーノ・ガンツ(大学教授) アレクサンドラ・マリア・ララ ほか

 

愛を読むひと|感想

こういう重ための内容、わりと好きです。

マイケルの、トラウマのきっかけになった人を克服するために、会いたいけど、やっぱり会えなくて、特に手紙の返事が書けなかったのは共感しまくりでした。懐かしみとか憎しみとか色んな感情が混ざりあって結局頭真っ白?真っ黒?になっちゃうんですよね。でも前進できてよかった。
マイケルが忘れられなかったハンナは結局自分のことだけで精いっぱいのタイプの人。自分のことしか見えていないのがひしひしと伝わってきました。それが悪いとは言いませんが、15歳のウブな男子の初恋相手にはちょっと難しすぎましたね。

ハンナが隠そうとしたことは、隠さなきゃいけないものではないと私は感じました。それでも時代や彼女の性格がそうさせたんでしょうか。色々考えさせられる作品でした。

 

以降はあらすじ詳細でネタバレ含みます。

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あらすじ詳細①起

1995年ドイツ・ベルリン。
弁護士として働いている52歳のマイケル(レイフ・ファインズ)は現在は独身で、娘が1人いる。
娘と会う約束の日の朝、マイケルは外に電車が走っているのを見て初恋の人を思い出した。

回想 1958年の西ドイツ・ノイシュタット
当時15歳の学生だったマイケルは電車の中で体調が悪くなり、乗っていられず電車を降りた。
だが気分は良くならず道端でもどしてしまい、駅近くにあるアパート入り口前のベンチに座っていたところを、そのアパートに住む30代中ごろの女性(ケイト・ウィンスレット)に助けられ、介抱して自宅の近くまで送ってくれた。
帰宅後医者に診てもらうとマイケルは猩紅熱という発疹性の伝染病にかかっており、しばらくの間自宅で療養した。

3カ月の療養の後、自由に動けるほどに回復したマイケルは助けてくれた女性にお礼に行くことにした。
花を持って彼女の部屋へ行くと、彼女はマイケルを特に歓迎する様子もなくマイケルを家に入れ、自分の下着にアイロンをかけ始めた。
15歳の少年にとって女性の下着というのは、視界に入るだけでも刺激が強い。
下着を全く隠す様子のない彼女に戸惑いつつ、マイケルは丁寧にお礼を言い立ち去ろうとすると、女性はマイケルを引き留めた。

「自分も仕事に出るから、部屋の外で待っていて」と言った。
マイケルがおとなしく外で待っていると、ドアの隙間から女性が着替えているのが見えてしまった。
マイケルは女性につい見とれてしまっていると、女性が気づいて目が合ってしまった。
気まずくなったマイケルはそのまま走って帰宅した。

ある日、マイケルが路面電車に乗っていると、駅員として働いていたのは以前助けてくれたあの女性だった。
電車の中では気付かないふりをしたが、彼女が気になって仕方なくなったマイケルは再び彼女の家を訪ねた。
女性は前回同様、マイケルを歓迎するわけでもなく、ぶっきらぼうに「炭をあとバケツ2杯分、持って上がって」と頼んだ。
炭を持って上がったマイケルは顔が炭まみれになってしまった。
お風呂に入るよう勧められたマイケルだが、女性の部屋はワンルームの中にお風呂もトイレもあり、仕切りは薄いカーテンとすりガラスだけ。
マイケルはためらったが、女性の母親のようにてきぱきとした態度につられて服を脱ぎ、バスタブに入った。
炭を落としてきれいになると女性はバスタオルを持ってきてくれたのだが、女性は服を着ていなかった。
「このためにまた来たんでしょ?」と女性はマイケルを抱きしめて誘った。
マイケルは目の前で起きていることに頭が追いつかずどうしていいかわからなかったが、女性に導かれるとそのまま求め合うように愛し合った。
その日帰宅したマイケルは、妹から怪しまれるほど上機嫌だった。
彼女とのことを思い出すとニヤニヤがとまらなかった。

翌日。医者からはあと3週間は学校を休むことを勧められたが、マイケルは学校へ行き、学校が終わるとすぐに彼女の家へ走った。
ベッドでまどろむ彼女にマイケルは名前を訊ねた。彼女の名前をまだ知らなったからだ。
女性は少しためらったが、名前はハンナだと教えてくれた。

マイケルはその後もハンナの家へ通い続け、愛し合った後はマイケルが今学校で学んでいるしている勉強の話をした。
あるとき、マイケルはハンナに頼まれて本を朗読して欲しいと頼まれた。
「僕は朗読は下手だよ」と言いながらマイケルが朗読を始めると、ハンナは「とっても上手よ」と母親のようにささやいた。
マイケルはいつしか、ハンナに対する感情が『愛』であると思い始めていた。

ある日。終電の時間が過ぎた後、マイケルはいたずら心でハンナが乗っている電車にいきなり飛び乗って驚かせようとした。
だがハンナはマイケルを無視してで別の車両に移り、電車のドアを閉めてしまった。

マイケルはその後ハンナの家に謝りに行ったが、ハンナは不機嫌なまま「今日はもう帰って」と言うだけだった。
マイケルはいったん部屋の外に出たが今の気持ちのまま帰ることができず、仲直りするために戻ってきた。
マイケル「女性は君が初めてなんだ。君がいない世界なんてもう想像できないよ。僕を許してくれる?」
ハンナはうなずいた。
マイケル「僕を愛してる?」
ハンナはうなずいた。

その後はしばらくハンナの部屋にマイケルが通い、マイケルが本を朗読して一緒に過ごす日々が続いた。
朗読は2人の心をつなぎとめる大切な儀式とも言える行為になっていた。

2人が出会って一カ月がたった頃、マイケルはハンナに「自転車で一泊の旅行に出よう」とハンナを誘った。
ハンナは困っている様子だったが、マイケルに強く誘われて行くことにした。
旅行当日、道中レストランに入って食事をしたとき、ハンナはとても緊張していた。
ウェイトレスに注文を聞かれたときは、マイケルに全ての注文をお願いした。
会計のとき、マイケルはウェイトエスに「お母さんのお口にも合ったかしら」と聞かれ、マイケルは適当に返事した後、ウェイトレスに見せつけるようにハンナにキスをしたり、協会で賛美歌を聞いて涙を流す美しいハンナを見つめたり、マイケルにはハンナしか見えていなかった。
その後、2人は湖に来ていた。マイケルは湖畔に座って書き物をし、ハンナは湖で泳いだ。
マイケルはその時、ハンナに詩を書いており、「完成したら読んで聞かせてあげる」と約束した。

52歳のマイケルは、当時ハンナのために書いた詩をつづったノートを見返した。自分でも呆れるほど沢山の詩が書いてある。
時計を見て仕事に遅刻しそうになっていることに気付き、急いで車を走らせて法廷に着いた。

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あらすじ詳細②承

回想。
マイケルの学校にソフィーという美人の転校生が来た。
ソフィーはマイケルに好意がある様子だったが、マイケルは相変わらずハンナに夢中だった。
授業が終わると友人との遊びもそこそこに、すぐハンナの元に向かう毎日だった。

同じころ、ハンナは仕事での勤勉な態度が認められ、駅員から事務職へ昇進することが決まった。
だがそれは同時に転勤も意味していた。

その日はマイケルの誕生日だった。
学校の友人はマイケルのためにサプライズパーティを準備してくれていたが、ハンナに祝ってもらいたかったマイケルは「約束があるから」とすぐにハンナの家へ向かった。
いつも通りマイケルはハンナに本を読みきかせたが、ハンナは暗い顔で朗読もろくに聞いていない様子だった。
マイケルはハンナの態度が不愉快になり「今日は僕の誕生日で、君に祝ってほしくて誕生日パーティも断ってきたんだ!」と怒ると、ハンナはマイケルの身体をお風呂で優しく洗い、その後身体を重ねた。
ハンナ「友達の所へ戻りなさい」
マイケルは言われるがまま友人の元に行ってみたが、嫌な予感がぬぐい切れなかった。
我慢できなくなり急いでハンナの家へ戻ってみると、彼女は居なくなっていた。荷物や服もない。
ハンナはマイケルに何も言わずに出ていってしまったのだ。
この出来事からマイケルは心に傷を負い、人と本当に打ち解けることができなくなってしまった。

マイケルは誰もいなくなった法廷でひとりハンナに思いを巡らせていた出していたが、気が付いたらすでに娘と会う時間になっていた。
留学から帰ってきた娘のジュリアと夕食を食べながら、マイケルは娘とすら打ち解けることが出来ないことを謝罪し、これは彼女のせいではなくすべて自分のせいだと付け加えた。

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あらすじ詳細③転

回想。
マイケルは法科大学生になり、勤勉でまじめな生徒で成績も優秀だった。
ゼミで一緒のガートルード(カロリーネ・ヘルフルト)から好意を寄せられているのはわかっていたが、マイケルは人と近づくことを恐れていた。
ある日、ゼミの授業で実際の裁判の見学に行ったとき、法廷の被告人席から聞いたことのある声が聞こえてきた。ハンナだった。
ハンナは第二次世界大戦中にユダヤ人収容所の看守として働いていた時期があり、看守たちは収容されている人間を選び、定期的にアウシュビッツ強制収容所に送っていたのだ。
※アウシュビッツへ送られたユダヤ人たちはナチスの思想の元に全員虐殺されていた。
かつて、ハンナの勤めていた収容所が閉鎖となり、そこから送り出された収容者たちが移動中のある日に協会を宿に指定され、そこで過ごしていた夜、空襲に襲われ火事が起きた。
協会の中にいた約300名は協会に鍵がかけられていて逃げることが出来ず、そのまま全員死亡したとされていたが、奇跡的に生き延びた親子がおり、このことについての本を出版した。
そして問題が明るみとなり、ハンナを含めた6人の元看守たちが罪を問われていた。
生き残った母親は、ハンナの様子について「夜に若い娘を自分の部屋に呼び、本の朗読をさせていた。食べ物なども与えてやり親切に見えたが、送り出すメンバー決めの際には朗読していた娘を選んだ。残酷な女性だ」と証言した。
マイケルはハンナとの再会もだが、彼女の過去も衝撃的で、ただ困惑するしかなかった。

その日、マイケルはかつての収容所の一つに足を運び、ハンナの過去に思いをはせた。

後日の法廷見学では『火災のときに協会の鍵をなぜ開けなかったのか』が議論されていた。
被告人の元看守5名は自分の都合の良いことだけを証言していたのに対し、ハンナはすべてを正直に話していたため、元看守の5名はハンナが自分たちの罪を軽くするのに邪魔だと感じた。

「ハンナが看守のリーダーであり、全ては彼女が決めてやったことだ」と口をそろえて言い「火災の直後のレポートも彼女がひとりで書いた」と5人が証言した。
ハンナは「自分はリーダーではなくただの看守の一人で、レポートは自分は書いていない」と否認した。
裁判官はハンナの筆跡を見るため紙とペンを用意し、ハンナに文字を書くよう指示した。
だがハンナは紙とペンを前に出されると、諦めたように「全て自分がやった」と証言を変えた。
だが、そのときマイケルだけは気付いた。
マイケルがハンナに朗読をしていた日々、自転車旅行に行ったときにメニューを見て戸惑う表情。
ハンナは難読症であることを隠していたということに。
マイケルはいたたまれなくなり、裁判の途中で法廷を抜け出した。

法廷から帰ってきて、マイケルはゼミの教授(ブルーノ・ガンツ)にハンナに関することで、彼女に有利になる情報を持っていることを相談した。
マイケルはハンナのとのことはずっと蓋をして封印することで今まで何とか生きてきたため、詳しい内容までは先生に打ち明けることが出来なかった。
先生はマイケルの様子を見て助言した。
「感情は関係ない。これから君がどういう行動に出るかが問題だ」

マイケルは被告人が収容されている施設に足を運び面会の申し込みをしたが、直前になり踵をかえした。
マイケルは彼女に会うことがどうしても出来なかった。
その日の夜、どうしようもなくなったマイケルはガートルードの部屋にやって来て彼女を抱いた。
とにかくハンナを心から追い出したい一心だった。

判決の日、ハンナ以外の元看守だった5名には300件の殺人ほう助の有罪判決と4年3カ月の懲役、ハンナには300件の殺人罪の有罪判決で無期懲役が下された。

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あらすじ詳細④結

1976年 ノイシュタット
33歳のマイケルは、まだ幼いジュリアを連れて電車に乗っていた。
大学で知り合い結婚したガートルードと別れることを母親へ報告し、元の自分の荷物の整理をしていると、彼女に朗読した本が沢山出てきた。
マイケルはせめてもの罪滅ぼしに、本を読み上げてカセットテープに録音し、服役中のハンナへ送ろうと決めた。
ハンナは送られてきたカセットテープを聞きとても驚いたが、彼の朗読だとわかり、それを聞くうち図書室で本を借りるようになり、難読症を克服するため独学で勉強を始めた。

1980年 西ベルリン
マイケルの元にハンナから手紙が届いた。丁寧な文字で「テープをありがとう、坊や」と書かれていた。
マイケルはテープを送り続け、ハンナは、勉強を続けるうちに生きることに希望が持て始め、時にはマイケルにロマンス小説をリクエストしたり、マイケルに手紙の返事を求めたりと、着実に難読症を克服しつつあった。
一方マイケルはテープは送り続けても、ハンナに手紙の返事を書くことはできなかった。
何を書けばいいのかがわからなかったのだ。

ハンナが投獄されて20年以上が経ち、マイケルの元に監獄から電話があった。
ハンナが釈放されることとなったが身元引受人がおらず、マイケルしか頼める人がいないとのことだった。
身元引受人を受けてくれる人がいないと彼女が途方にくれてしまうと聞かされ、マイケルは困惑し、その場では答えを言わずに電話を切った。

悩んだ末マイケルは身元引受人となることを決めた。
釈放の1週間前、マイケルはハンナに面会に来て、仕事と住む場所を用意したことを伝えた。
マイケルはもうおじさんと呼べるような年齢と風貌になり、ハンナは髪も灰色で手にしわも増え始めた初老の女性になっていた。
マイケル「服役してる間、過去を思い出すことはあった?」
ハンナ「過去って、私とあなたのこと?」
マイケル「その過去はもうどうでもいい。その前のことだよ」
ハンナ「いくら思い出したって死者は生き返らないわ」
マイケル「じゃあ、何か学んだ?」
ハンナ「読むことを学んだわ」

ハンナの言葉を聞いて何かが吹っ切れたマイケルは、来週迎えに来ると伝えてすぐに監獄を去った。

釈放の日。マイケルがハンナを迎えに行くと、ハンナはこの世に居なかった。自殺していた。
部屋には書置きがあり、マイケルに宛てた部分は「紅茶の缶に貯めたお金を火事で生き残った娘に全額渡してほしい。マイケルによろしく」と書かれていた。
マイケルは火事で生き残った女性に缶とお金を渡しに行き、ハンナが”非識字者”だったことを伝え、缶を渡した。
彼女は「言い訳や彼女を擁護するような話は聞きたくない」と冷静に答えてお金は受け取らず、入れ物の紅茶缶だけ受け取り、お金はユダヤ人の識字者率を上げる団体へ寄付するようマイケルに頼んだ。

1995年1月
マイケルは娘のジュリアを連れて教会へ来ていた。そこにはハンナの墓があった。
娘のジュリアに、ハンナとの関係を打ち明けるためにここに来た。
彼はやっと前に進むことが出来たのだ。

主題歌:オリジナルサウンド

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