映画「彼が二度愛したS」あらすじネタバレ・解説|王道系恋愛サスペンス

彼が二度愛したSDVDパッケージ

孤独な男が大人の秘密クラブにハマり、謎多き美女に恋するサスペンスドラマ。
ユアン・マクレガー、ヒュー・ジャックマンのW主演。
本作はヒュー・ジャックマンが立ち上げた映画制作会社の1作目の作品となった。
脚本を手掛けたのは『ダイ・ハード4.0』(2007)のマーク・ボンバック。

原題:DECEPTION
制作年:2008年
本編時間:108分
制作国:アメリカ
監督:マーセル・ランゲネッガー
脚本:マーク・ボンバック
制作:ヒュー・ジャックマン、アーノルド・リフキン、ジョン・パレルモ ほか

彼が二度愛したS|出演者・キャスト&キャラクター紹介

ジョナサン・マコーリーユアン・マクレガー
ニューヨークのマンハッタンで働いている大手会計事務所の会計士。
何社もの取引先の会社を日替わりでまわり、毎日追われるように仕事をこなしている。
職場で友人もできず、独身で彼女もおらず内気で、いつも孤独を感じている。

取引先の弁護士事務所で弁護士と名乗る男 ワイアットと出会い、気さくに接してくれるワイアットとすぐに打ち解けた。
ワイアットと仲良くなった日の夜、タイムズスクエア駅のホームに偶然居合わせた”S”というキーホルダーをカバンに付けた女性に一目惚れした。
勇気を出して声をかけようとしたが失敗し、名前を聞くこともできなかった。

ある日、ワイアットと互いの携帯電話を間違えて持ってしまったことがキッカケで
後腐れなく純粋に”大人の関係”だけを楽しむことができる、上流階級の者たちだけが知る会員制の秘密クラブの存在を知り、のめり込んでいく。
そこでのルールは
互いに名乗らないこと、職業を明かさないこと、必要以上の会話をしないこと、誘った方がホテルの部屋を予約することだった。

数週間が経ち、秘密クラブにも慣れて来たころ。
その日もホテルのバーで相手を待ってると、現れたのは以前にジョナサンが一目惚れした”S”だった。
ジョナサンは肉体関係を結ぶのでなく、少しでも彼女を知ろうとルールを破ってSと会話をした。
恋人や友人のような他愛のない話をしたり、互いの名前の当てっこをしたりしてそのまま同じベッドで眠りにつき、目が覚めるとSはいなくなっていた。
すっかり恋に落ちたジョナサンはその日から秘密クラブで遊ぶのを一切やめて、ひたすらSから連絡が来るのを待った。

数日が経ち、携帯に再びSから連絡があってジョナサンは舞い上がった。
中華料理屋で食事をした後、ジョナサンは「何があっても君といたい」とSを抱き寄せ、2人はホテルに入った。
ジョナサンが少し部屋から出て数分後に戻って来ると、部屋の様子がおかしかった。
中を見渡してもSの姿がなく、落ちていた血染めのブラウスを目にした直後、何者かに頭を殴られて意識を失った。

気が付くと夜明け前になっており、部屋はジョナサンの血以外はきれいに片付けられて
S本人も、Sがいた形跡も消えていた。
急いで警察を呼び誘拐事件の捜査を頼んだが、ルッソ刑事は
Sの職業も住んでいる場所も、本名すら知らない人物を捜査しようがないと答え、怒るジョナサンをなだめて名刺だけ渡して帰っていった。

翌日。ワイアットと連絡が取れず、弁護士事務所で訊ねると、ワイアット・ボーズという名前の弁護士はこの会社に存在しないことが分かった。
ワイアットの部屋にも押し掛けたが、出て来たのは見ず知らずの女性で、彼女もまたワイアットのことを知らなかった。

状況が呑み込めないままいったん自宅に戻ると、突然目の前にワイアットが現れてジョナサンを殴り付けた。
ワイアットは「彼女を返してほしければ、3日後の仕事でお前が行く、クルート・ニコルズ社が蓄えている裏金2000万ドルを盗み出せ。
言う通りにしなければ、彼女を殺してお前に罪を着せる」
と脅して去っていった。

どうすべきか迷っていた時、ワイアットの携帯に秘密クラブのティナという女性から留守電メッセージが残されていた。
メッセージはワイアット宛ての夜のお誘いだったが、少しでも手がかりを掴むため待ち合わせのホテルへ向かった。
ティナはジョナサンを追い返そうとしたが、ジョナサンの必死な様子を見て、ティナが知っているワイアットに関することと、彼の本名を教えてくれた。

ジェイミー・ゲッツがワイアットの本名だった。(以下ワイアット=ゲッツ)
ネットで検索してもゲッツのことはわからなかったが、
ゲッツとティナが出会うきっかけとなった、ルドルフ・ホロウェイという男が絞殺死体で発見されたという記事を発見した。
ジョナサンはルッソ刑事になりすまして警察署に電話をして
サンフランシスコの行方不明者リストにゲッツが載っていることを知り、個人情報を手に入れることに成功した。
ゲッツの正体は詐欺師で、彼が保険金詐欺で3年間刑務所にいたことなどがわかった。

ジョナサンはすべて警察に喋るとゲッツを脅してSを解放させようとしたが、ダメだった。
それどころか、ジョナサンが秘密クラブで出会った女性シモーヌを殺し、ジョナサンが警察に疑われるように仕向け、さらに脅しをかけてきた。

約束の日。ジョナサンはゲッツに最後の脅しをかけられながら出勤した。
クルート・ニコルズ社で仕事を始めてしばらくすると、ジョナサン宛てにバイク便が送られてきた。
ジョナサンは書いてあった指示通りに裏金が入っている口座を見つけ出し、ゲッツが勝手に作ったジョナサン名義の口座にすべて送金した。

送金が完了した午後6時。
『おめでとう。Sはお前の家にいる』というメールと、Sが自分の部屋にいる写真が送られてきたのを見て、ジョナサンは急いで帰宅した。

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ワイアット・ボーズ(ジェイミー・ゲッツ)…ヒュー・ジャックマン

孤独なジョナサンに目を付けて利用するため近づいたイケメンの詐欺師。
クラブ会員のティナいわく、怖くて怪しい男だが、頭が良くベッドでは最高。
遅くまで残業していたジョナサンに弁護士と名乗って声をかけ、一緒にマリファナを吸ってすぐに打ち解けた。

良く観察していれば怪しさ満点の男だが、ジョナサンは上手くはぐらかされて彼の不審な点に全く気付かない。
ジョナサンに「君を見ているとある男を思い出す」と、ジェイミー・ゲッツという大学の同級生の話をしたが、そのジェイミー・ゲッツがワイアットの本名だった。

ジョナサンとランチしたとき、携帯をわざと自分のものと取り換えてジョナサンに秘密クラブを紹介した。
携帯を交換したのはジョナサンの勤務先を調べるため。

ルドルフ・ホロウェイという、ある会社の重役の男に誘われて参加したパーティでティナと出会い、この秘密クラブのことを知り、作戦に利用した。

Sミシェル・ウィリアムズ
ジョナサンが駅で一目惚れした金髪美女。
名前や職業など多くが謎だが、カバンに”S”のキーホルダーを付けており、ジョナサンはSで始まる名前だと推測した。
秘密クラブでジョナサンと再会して友達以上恋人未満の関係になった。

ジョナサンとのデートで中華料理屋を出た直後、突然悲しい顔をして「あなたを巻き込みたくない、もう帰りましょう」と意味深げに別れを促したが、ジョナサンが「離れたくない」と引き留めた。
ジョナサンがホテルの部屋を出ていた数分の間にこつ然と消息を絶った。

・その他のキャスト

モレッティ(マンション管理人)…ダンテ・スピノッティ
会社の男…ビル・キャンプ
ルーマン(ジョナサンのマンションの管理人)…フランク・ジラードー
ルッソ刑事…リサ・ゲイ・ハミルトン
ティナ…マギー・Q
シモーヌ・ウィルキンソン(最初の美女)…ナターシャ・ヘンストリッジ
2番目の美女…シャーロット・ランプリング
秘密クラブ会員…パス・デ・ラ・ウエルタ
秘密クラブ会員…シャナン・クリック
秘密クラブ会員…レイチェル・テイラー
タクシー運転手…マルコム・グッドウィン
ワイアットの部屋の住人…リン・コーエン
クルート・ニコルズ社の男…ダニー・バースタイン  ほか

以降はあらすじ詳細でネタバレ含みます。

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彼が二度愛したS|結末

ジョナサンは急いでタクシーで帰宅したとほぼ同時に、ジョナサンの部屋は爆発した。
爆発後の部屋からは、黒焦げの男性1人の遺体が発見された。
ゲッツはジョナサンに正体を知られたため、殺すしかないと判断し、部屋に爆弾を仕掛けたのだ。

ジョナサンの部屋の爆発を見届けたゲッツはスーツに着替え、メガネをかけてジョナサンに成りすまし、盗んだ金を取りにスペインへ向かった。
※ジョナサンの名義の口座に金を移したので、ジョナサンに成りすます必要があった。
ゲッツがスペインのホテルに着くと、部屋ではSがゲッツを待っていた。
全てはジョナサンを陥れるための計画だったのだ。
元娼婦だったSをこの計画に誘ったのはゲッツだった。
Sはゲッツに惚れたわけではなかったが、今の生活から抜け出したくて彼に取り入っていた。
そしてゲッツの指示に従い、秘密クラブの会員に成りすましてジョナサンと再会したのだが
2回目に会ったとき、Sもジョナサンに恋をしてしまった。
だがゲッツに逆らえずに計画を遂行した。
ゲッツがジョナサンを殺したことを知ると、Sは激怒して涙を流した。
ゲッツはSの気持ちを知って嫉妬心に火がついたが、Sが謝ったのでしばらく様子を見ることにした。

翌日。ゲッツは銀行を解約して金を引き取るためにSを連れて銀行にやって来た。
Sを待合室に残して個室に入り解約の手続きをしていると『解約には副署名人ワイアット・ボーズの同行が必要』と条件に加えられていたことを知らされる。
ゲッツ1人では口座の解約ができないように契約を変更されていた。
もちろんゲッツがそんな条件を加えるはずがなく、こんなことが出来るのはジョナサンしかいない。
動揺を隠しつつ一度個室から出ると、Sが待合室から消えていた。
ゲッツが銀行から出たとき、ワイアットに変装したジョナサンが現れた。

ジョナサンの部屋が爆発する前。
ジョナサンはエレベーターの中でもう一度ゲッツから送られてきたSの写真を見ていた。
写真に映り込んでいた壁をつたう水道管を見て、ジョナサンはゲッツの罠に気が付いたのだ。
その水道管は水漏れしていて管理人に修理を頼んだのだが、写真に映っていたのは修理前の水道管だった。
ジョナサンはとっさに身を隠し、生き延びていたのだ。
部屋から見つかった遺体はマンションの管理人だった。

ジョナサンは「金を半分よこせ。金を受け取るには僕が必要なはずだ」と脅し、ゲッツは同意してジョナサンを連れて銀行に戻った。
こうして1000万ドルずつを手に入れた後、ジョナサンはゲッツに「500万ドル支払うからSの居場所を教えてほしい」と頼んだ。
ジョナサンはSもこの計画のグルだったと知ったが、それでも彼女が忘れられなかった。
ゲッツはSの居場所を知らなかったが、ジョナサンの話に乗るフリをして静かな場所に行き、隠し持っていた銃でジョナサンを殺そうとした。
その時、ゲッツは後ろから銃で心臓を撃ちぬかれて倒れた。
ゲッツを撃ったのはSだった。
ジョナサンは自分が持っていた1000万ドルをゲッツに押し付け、去っていくSの後を追いかけた。
必死にSを引き留めようとしたが、Sはただ「本当にごめんなさい」と謝りながらタクシーに乗って行ってしまった。

シモーヌを殺した犯人探しは容疑者だったジョナサン・マコーリー死亡のため打ち切られた。

そのままスペインでワイアット・ボーズとして新しい生活を始めていたジョナサンは、マヨール広場でSと再会した。
Sはジョナサンに優しく微笑みかけ、ジョナサンはまっすぐSに向かって歩いていった。

主題曲:オリジナルサウンド

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彼が二度愛したS|解説、考察や感想など

本作はヒュー・ジャックマンが悪役を演じている数少ない作品の1つです。
爆発したジョナサンの部屋を見つめるゲッツの冷たい視線にときめきました(笑)

ストーリーや張られていた伏線がとても分かりやすく、サスペンス好きには結末が見えてしまったかもしれません。
ちなみに私は、Sが中華料理屋を出た直後の「あなたを巻き込みたくない」という発言で大方予測出来てしまいました。。
でもユアン・マクレガーもヒュー・ジャックマンも好きな俳優さんなので
目の保養にはなりました(笑)

本作はジャックマンが立ち上げた映画製作会社が初めて携わった作品で、制作や主演を本人が務めた
ジャックマン氏の気合いがこもった作品です。

 

・邦題「彼が二度愛したS」の意味

原題の『DECEPTION』は『騙す、あざむく』という意味です。
本作は、英語のタイトル(原題)と日本のタイトル(邦題)の付け方の特徴がわかりやすく表れているな~と感じました。

基本的に、海外の映画のタイトルは
タイトルだけでストーリーが大体想像できるような付け方をする場合が多い思うのですが、
本作『DECEPTION』はまさにこのパターンです。
タイトルを見れば「誰かが騙すか騙されるかする内容なんだ」と思うでしょう。

一方、日本の映画タイトルの付け方はあまりストレートではないように感じます。
本作の場合は深追いしすぎというかなんというか(笑)
まあでも「彼が二度愛したS」は、見た人に印象付けるには良いタイトルかもしれません。
実際 変わったタイトルだったので私もチラッと見ただけで印象に残りました。
彼が二度愛した、という意味は
秘密クラブを通じて2度 親密なひと時を過ごしたことを指しているともとれますし
ジョナサンがワイアットに変わった後に再びSと出会い、また彼女を愛していくという意味にも取れます。
まあ恐らく両方でしょうね(適当)

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