映画「チャイルド44 森に消えた子供たち」あらすじネタバレ・解説|ソフトに描いた実話 | 映画鑑賞中。

映画「チャイルド44 森に消えた子供たち」あらすじネタバレ・解説|ソフトに描いた実話

チャイルド44 スリラー

チャイルド44

ベストセラー小説が原作のスリラードラマ。
監督は映画『デンジャラス・ラン』のダニエル・エスピノーサ。

「楽園に殺人は存在しない」をモットーとし、ソビエト連邦が殺人事件そのものを認知しなかった時代。
モスクワの国家保安省のエリート部隊長だったレオは、親友の息子の死をきっかけに連続殺人事件の捜査を始めた。
だが殺人そのものを認めない保安省は、レオを国家の意思に背いたとして徹底的に屈服させようとする。

原題:Child 44
制作年:2015年
本編時間:137分
制作国:アメリカ
監督:ダニエル・エスピノーサ
脚本:リチャード・プライス
原作:小説/トム・ロブ・スミス「チャイルド44

チャイルド44 森に消えた子どもたち|出演者・キャスト&キャラクター紹介

レオ・デミドフトム・ハーディ
少年期…グザヴィエ・アトキンズ
※ホロモドールの影響で孤児となった少年は、孤児院から脱走して軍人に拾われ、レオという名前を与えられた。
※ホロモドール:1933年、スターリン政府のソビエト連邦がウクライナに行った飢饉(兵糧攻め)による虐殺。多くの孤児を生んだ。
いつもは冷静沈着だが、自身が孤児のため孤児に感情移入しやすい。

後は自身も軍人となり、戦後は出世街道に乗ってモスクワでMGB(ソ連国家保安省)捜査官になり、任地で出会ったライーサと結婚した。
MGBは民間人から恐れられる存在で、一度逮捕された者は厳しい尋問の上ほぼ100%有罪となり、そのほとんどが二度と元の暮らしには戻れなかった。

ある日、戦友で同僚でもあるアレクセイの息子ユーラが線路脇で全裸の遺体で発見された。
アレクセイは「息子は殺された。息子が見知らぬ男と居るのを見たという目撃者もいる」と主張したが、
当時のソ連は『殺人は資本主義の病であり、この種の犯罪は存在しない』としていた。

解説メモ
『人間を殺す人間はこの国には存在しない』という考えから殺人事件は起こりえないものとみなしており、殺人事件を主張する者は反逆罪に問われる時代でした(ソ連は社会主義国)。

 

上司のクズミン少佐からアレクセイの説得を任されたレオは『遺体は着衣で発見され、胸には裂傷があり、死因は明らかな事故死である』と書かれた検視報告書をアレクセイと家族たちの前で読み上げ、強引に納得させた。

その一方で事件の真相が気になり、本物の検視報告書の提出を求めたが
監察医は「報告書をあなたに渡すことは禁じられた」と言い、口頭だけで報告書の内容を教えてくれた。
その内容は、ユーラの遺体は全裸で発見されており、外科医のような正確さで胃を切り取られていること、ユーラがいた辺りの近所には川や湖などは無いが、死因が溺死あること、拷問された跡が数か所あることに加え、ユーラとほぼ同じ状態の子どもの遺体が線路の近くで発見されたことだった。

同じころ、再びクズミン少佐に呼び出されたレオは、自身の妻ライーサにスパイ容疑がかけられたと知らされ、捜査を任された。
ライーサを逮捕しなければレオ自身にも容疑がかけられ危険が及ぶという、選択を迫られている状態だった。
自宅を捜索しても証拠は見つからず迷っていたときに、ライーサから妊娠報告を受けたレオは、決死の覚悟で妻の無実をクズミン少佐へ報告した。
その日の夜中。夫妻はMGBに連行されて脅しを受けた後、翌日からレオは人民警察に降格となり、モスクワへの出入りを禁止された上、田舎町ヴォリスクに左遷された。

ヴォリスクの駅に着くと、民警でのレオの上司ネステロフ将軍に迎えられ「いつになるかわからないが、家が手配できるまでここに住め」と、今までの住居とは比べ物にならないほど汚く狭い宿に案内された。

ヴォリスクでの初勤務の日。ここでも胃を切り取られた少年の溺死死体が発見された。
これが連続殺人だと確信し、ネステロフ将軍に報告したが、将軍は”殺人”を示唆するレオの言動に拒絶反応を示して相手にしなかった。

その日の夜。宿にライーサが戻っておらず嫌な予感がして駅に行くと、ライーサは逃げるように列車に乗ろうとしていたところだった。
無理やり止めて宿に連れ戻すと、ライーサは妊娠が生き延びたくてついたウソだったと暴露し、さらに結婚も、断った場合の報復が怖くて仕方なく結婚したと涙ながらに打ち明けた。

ネステロフ将軍は少年の遺体の第一発見者 アレクサンドル(※アレクセイとは別人)を同性愛の容疑で連行し、無罪にしてやる代わりに同性愛の知り合い数名を告発させた。

解説メモ
スターリン政府下では、同性愛も犯罪とされていました。

告発された男たちは逮捕され、アレクサンドルは解放された翌日に自殺し、ネステロフ将軍はアレクサンドルを犯人としてこの事件を終わらせようとしていた。

このことに納得がいかなかったレオは、ライーサとともにネステロフ将軍の自宅を訪ね、真犯人が別にいることを説明して犯人逮捕の協力をあおいだ。
2人の説得に納得したネステロフ将軍は、危険もかえりみず過去数年分の”少年が犠牲になった事件”を調べてくれた。
犠牲者は9歳~14歳の男の子で、全員が線路近くの森か公園で発見されており、裸で切開された跡があり、死因は溺死だった。
被害者は44人もいるが、公式の報告書によるとそれぞれ犯人が逮捕されるなり、事故として片付けられていた。

モスクワへ行き、アレクセイが言っていた目撃者に話を聞くことにしたレオは、ライーサに「一緒に来て手伝ってくれたら離婚にも応じる」と約束し、モスクワへ旅立った。

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ネステロフ将軍ゲイリー・オールドマン
ヴォリスクでのレオの上司。
レオと出会った当初は保身に必死で、公演で見つかった少年の死体を見て監察医に物申すレオに「ここの捜査がずさんだとMGBに報告したら殺す」と脅した。

死体の第一発見者のアレクサンドルを同性愛の罪で連行し「小児性愛の趣向を持つ男を言えば、君の件は不問にする」と約束し、数人の名前を紙に書かせた。

アレクサンドルが自殺したのを良いことに、少年殺害事件の犯人をアレクサンドルと報告して片付けようとしていたが、自身も男の子の親であることからレオとライーサの説得に心を打たれ、本腰を入れて真犯人の捜査を始めた。

 

ライーサ・デミドワノオミ・ラパス
レオの妻、小学校の教師。
スパイ容疑者ブロツキーの口から名前が挙がったとしてスパイ容疑をかけられた。
レオが自分を守って左遷になった際は「私に容疑がかけられたのは、あなたが絶対服従するかどうかのテストだった」と話している。

レオと一緒にヴォリスクへ行き、移動先の小学校では教師としての仕事は与えられず、トイレ掃除だけさせられるという冷遇にショックを受ける。
その日の帰り、数人の男に呼びとめられ、ワシーリーから電話で「モスクワで俺と一緒に暮らせば元の暮らしと職場に戻してやる」と提案された。
この時にライーサのスパイ容疑は、レオに復讐するためのワシーリーによる虚偽報告だったことを知り、一度は申し出を断ったが、ワシーリーは「断るなら」と男に命じてライーサに乱暴させようとしたため、言うことを聞いて列車に乗ろうとしたが、レオに見つかって宿に戻された。

逃げようとしたことをレオから責められた際、怒りに任せて妊娠がウソだったこと、結婚したのもレオ(MGB)が怖かったからしただけで、愛は無いと本心をレオに明かしてしまった。

レオに「協力したら離婚もいとわない」と言われ、犯人探しに協力する。

 

ワシーリージョエル・キナマン
レオの軍隊時代からの部下。
仲間からかわれるほどの臆病者だが、スパイ容疑者ブロツキーを逮捕した際に
”見せしめ”としてブロツキーを匿っていた、2人の子どもがいるオクン夫妻を子どもたちの目の前で銃殺するなど冷酷な面もある。
許可もなく夫妻を殺したことでレオに殴られたが、怒られた理由を理解していない。

レオに殴られてから恨みを持ち、復讐のために虚偽の報告をしてライーサにスパイ容疑をかけた。

 

・その他のキャスト

トータス(レオと名付けた軍人)…マーク・ルイス・ジョーンズ
ブロツキー…ジェイソン・クラーク
クズミン少佐…ヴァンサン・カッセル
ヴラド・マレヴィッチ…パディ・コンシダイン
アレクセイ…ファレス・ファレス
イワン(ライーサの友人)…ニコライ・リー・カース
グラチョフ少佐…チャールズ・ダンス
ジーナ(ブロツキーの友人)…ウルシーナ・ラルディ
オクン(ブロツキーの友人)…マイケル・ナードン
オクンの妻…バーバラ・ルケショバー
エレーナ(オクン夫妻の長女)…ジェンマ・オブライエン
タマーラ(オクン夫妻の次女)…ロッティ・スティア
ユーラ(アレクセイの息子)…ズデニェク・バリンカ
ニーナ(アレクセイの妻)…アグニエシュカ・グロホウスカ
監察医…フィンバー・リンチ
検視官…ネッド・デネヒー
ヴォリスクの宿の店主…ペジャ・ビヤラク
アレクサンドル(列車の運転手)…ジョセフ・アルティン
ネステロフ将軍の妻…タラ・フィッツジェラルド
ガリーナ(目撃者)…ヘザー・クラニー
孤児院の院長…ジャン・ネメジョフスキー ほか

 

以降はあらすじ詳細でネタバレ含みます。

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チャイルド44 森に消えた子どもたち|結末

ライーサとともにモスクワへ戻ったレオは、アレクセイに頼んでユーラと見知らぬ男が一緒に居たのを見たという目撃者の女性ガリーナに会わせてもらった。
だがガリーナから話を聞きだす前に彼女の家族に怪しまれ、レオ達は家から追い出されてしまった。
この辺りではMGBとして顔が知れ渡ってるレオが聞き込み調査をするのは非常に難しい状況だった。
これ以上の滞在は危険だと感じたレオはモスクワから出ようとしたが、駅にはレオがいることを聞き付けたMGBが大勢おり、気付かれずに列車に乗るのは難しい状況だった。

困った2人はライーサが信頼できると言う友人イワンに助けを求めた。
だがイワンの家に行くと、彼が反体制派を進んで密告するような差別主義者だったことが判明した。
以前ライーサの友人が突然逮捕されたのもイワンの仕業だったのだ。
2人を助けるフリをしてMGBに通報していることに気付いたレオは、逆上してイワンを殺害し、家を飛び出した。

駅に戻ってきたものの改札には駅員が立ち、身分証のチェックをしなければ通れない状況だった。
ライーサは字の読めない男が改札でチェック係をしていることに気が付き、改札をクリアしてやっとモスクワから出ることが出来た。

モスクワから出る際、レオはライーサに「約束は守ってもらった。もう離れたければ離れて良い」と告げたが、MGBという肩書きがなくなったレオの本来の性格を知って心打たれたライーサは、自分の意思でレオと一緒にいることを選んだ。

ヴォリスクに戻ったレオはネステロフ将軍と落ち合い、目撃者から証言が得られなかったことを伝えた。
レオがモスクワに行っていた間、ネステロフ将軍は新たに被害者が出た地域ロストフへ行って聞き込み調査を行っていた。
調べた結果、ロストフの被害者数が他と比べても飛び出て多く、この2年間で9件の同一犯罪が起こっていたことがわかり、それは犯人がロストフ近辺に住んでいることを意味していた。
ロストフとヴォリスクの共通項は自動車工場があるということから、2人は自動車工場勤めの男に的を絞ることに決めてその日は別れた。

レオが宿に戻ると、かつてのMGBでのレオのポストに昇進したワシーリーがレオを待っていた。
2人がモスクワに居る間に捕まえられなかったので、直々にやって来たのだ。
レオとライーサは拷問された末、反体制派の容疑者たちの移送列車に乗せられた。
列車の中で2人はワシーリーに雇われた男たちに殺されかけるが、何とか乗り切った2人は列車から飛び降りて林の中へ逃げた。

2人は犯人を捜すため、ヒッチハイクでロストフにたどり着いた。
レオはライーサを工場の近くで待たせ、単身でネステロフ将軍との話に上がったトラクター工場に侵入した。
警備員の銃を奪い近くにいた男を脅して、今までの犯行があった場所と日付と、
社員の出張や休日などの記録を調べさせ、日付が一致する社員をピックアップさせた。
男が出してきたのはヴラド・マレヴィッチという右足の悪い男だった。
レオはマレヴィッチを捕まえようとしたが、気配を察知したマレヴィッチは素早く工場から逃げ出した。
レオとライーサは後を追ってマレヴィッチが逃げた森の中へと入っていった。

同じころ、レオを連行し損ねたワシーリーはクズミン少佐から圧力をかけられ、レオの居場所探しに必死になっていた。
クズミン少佐とワシーリーは、レオの協力者ではないかと容疑をかけられかけていたのだ。
ワシーリーはアレクセイを尋問した際、小さなウソをついたアレクセイが信用できなくなり、尋問のあとにアレクセイを射殺した。
ロストフの工場で騒ぎがあったと報告を受けたワシーリーは、アレクセイの情報からレオの仕業だと直感し、自身もロストフへ急いだ。

ライーサを待たせて森の奥に進んだレオはついにマレヴィッチを追い詰めた。
マレヴィッチはレオを見ると、自身もレオと同じ孤児院で育った孤児だったことや、
戦争中は軍医として働いていたことを明かし「英雄(レオ)も怪物(マレヴィッチ)も人殺しに変わりはない」と言った後「自分が抑えられない」と泣き崩れた。
レオがどう対処しようか考えていたその時、突然マレヴィッチは銃で頭を打ちぬかれた。
銃を放ったのは、レオを追って来たワシーリーだった。
ワシーリーはライーサに銃を突きつけてレオをひざまずかせると、レオの命も奪おうとした。
レオは隙をついてワシーリーに飛び掛かってもみ合いの末、ワシーリーは石に頭をぶつけて動かなくなった。
後から駆けつけたMGBの男たちに、レオは自分たちに容疑がかからないようにとっさにウソをついた。

「あの男(マレヴィッチ)は犯罪者だ。ワシーリーが命を張って俺たちを助けてくれた。彼はMGBの英雄だ」

マレヴィッチが国の体制を利用して起こし続けた長年にわたるこの事件は世間に明るみになり、MGBの組織は一新された。
クズミン少佐は逮捕され、レオはMGBに復帰できることになった。
新しく少佐の地位に就いたグラチョフ少佐の見解では
「マレヴィッチは戦時中、ドイツの捕虜収容所に2年間捕らえられていたらしい。
この2年の間に人格を変えられ、殺人犯になったのだろう」というものだった。
つまり、マレヴィッチが起こした連続殺人の原因はソ連政府ではないということだ。

レオはその功績を称えられて昇進を提案されたが、レオは辞退し、その代わりにMGBに殺人課を新設することと、その責任者にネステロフ将軍を推薦した。

モスクワで元の生活に戻ったレオとライーサは孤児院へ行き、過去にワシーリーが殺したオクン夫妻の娘2人を養子として迎え入れた。

主題曲:オリジナルサウンド
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チャイルド44 森に消えた子どもたち|解説、考察や感想など

本作の原作小説『チャイルド44』は、ソ連時代にアンドレイ・チカチーロという男が実際に起こした50以上の快楽殺人を元に作られた作品です。
殺人鬼や食人鬼としてかなり有名ですね。
実際の被害者の男女や年齢などはバラバラだったことや、逮捕が遅れた一番の要因となる政府の体制から
同一犯の犯行だとは長い間考えられておらず、むやみに被害者を増やす結果になったのです。
また、本作で容疑をかけられた 列車の運転手で同性愛者だったアレクサンドルも、実際に容疑をかけられ、後に自殺した未成年の同性愛者の男性がモチーフになっています。
主人公のレオはモチーフになった大佐がいるようです。

チカチーロは1978年に初めて殺人を犯し、その後も何人もの男女に無差別に手をかけ、初めて逮捕されたのは1984年ですが、数か月の懲役で出所しています。
1985年にゴルバチョフ政権に代わって殺人課の体制が一新され、チカチーロにとっては不便な時代になります。
1988年頃から我慢できなくなったのか罪を再開し、1990年に再び逮捕され、52人の殺人罪で起訴、有罪判決がなされ、1994年に銃殺刑になりました。
本当の被害者が何人いたのかはわかっていません。
かなりはしょって書きましたが、アンドレイ・チカチーロについて詳しく知りたい方は下記サイトに詳しく載っているので見てみてください。

ウィキペディア:アンドレイ・チカチーロ

殺人博物館:アンドレイ・チカティロ

現在のロシアではこの頃のような思想はスターリン政府が終わるとともになくなり、同性愛を犯罪とする制度もなくなっていますが
今もまだ同性愛者に対する差別などは根深く残っているようです。
ちなみに、本作はロシアでは「史実をゆがめている」として劇場公開が中止されました。

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・参考記事
・RUSSIA BEYOND:ソ連時代のセックス

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